Straight No Chaser (DVD) / Thelonious Monk (2001)
1988年に公開されたジャズ・ピアノの巨人、セロニアス・モンク(Thelonious Monk)のドキュメンタリー映画。ビ・バップの創始の1人としてドキュメンタリー自体はかなり早い段階で企画されたそうだがなかなか製作にこぎつけず、結局製作総指揮をあのクリント・イーストウッド(Clint Eastwood)が担当することになって映画化が実現したのだとか(クリント・イーストウッドはジャズに造詣が深いことで有名)。元になったのは80年代に発見された映像だそうで、1967年に西ドイツ(当時)の公共テレビがモンクに密着取材した時のものだそう。
モンクの映像を観ることはほとんど初めてだったが、スーツ姿にあの独特の帽子を被ったモンクがピーンと指を伸ばして弾く姿が印象的。ミス・タッチなど物ともせず鍵盤を叩くのだが、それがまた不思議な雰囲気となって曲を作っていくのが興味深い。指が流麗に鍵盤の上を転がるというよりはまさに叩くという感じ。他のパートの演奏中に立ち上がってステップ(?)を踏んだりと、レコードを聴くだけで分からない奔放なところが垣間見れるのも面白い。音楽と違って彼自身は雄弁ではないので余計にミステリアス。映像にご陽気なテオ・マセロ(Teo Macero)が出て来て初めて気付いたのだが、モンクの有名な作品はテオ・マセロがプロデュースしていたことを初めて知った。晩年は不遇で病気の為1982年に亡くなるまで約10年間はほとんど演奏は出来なかったそう。それでもこうして彼の強烈な個性を映像として観ることが出来るのはありがたい。
ネット・オークションにて購入(¥600)
- 販売元 : ワーナー・ホーム・ビデオ
- ASIN : B00005HXP5
- ディスク枚数 : 1
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます