STAP細胞論文の理化学研究所の発生・再生科学総合研究センターの笹井芳樹副センター長が自殺した。1962年3月生まれの52才だそうなので、不肖コロ健より2学年上だ。あまりにも若く、残念なことだ。
責任を取っての切腹なのか、それともこの一件の幕引きのためにしたことなのか、それとも自分の将来が断たれたことへの絶望からか。いずれにせよ、真相の大部分は闇の中へと葬り去られてしまったことになる。

もう、STAP細胞も、STAP現象もありそうにないということは衆目の一致するところだろう。残された小保方さんがいくら検証実験をしたところで、再現は不可能だろう。なぜなら、あの論文が出たときに世界中の分子生物学者が追試を試みただろうが、誰も再現できなかったのだから。
わずか1週間で相当数の未分化細胞が誘導されるというSTAP現象そのものが実現不能な仮説に過ぎなかったのに、論文をでっち上げてしまった。

問題となったときに、すぐに非を認めていればこのような悲劇招くことは無かっただろうと思うと、とても残念だ。
小保方さんの服装だの、実験室の壁紙だの、やらせまでしていたことが明らかとなってしまい、どうしようもないところまで追い込まれてしまっていたのだろう。浮かれすぎていたのだろうが、どうしてSTAP現象が実現不能であることに気がつかなかったのだろうかと思う。

どこかの時点で、科学者としての立場をわすれ、謙虚でいられなくなってしまったのだろう。そして、その絶頂のところから一気に地獄へと突き落とされてしまった。
そして、自らが集めたマスコミが両刃の剣であることまでは考えていなかったのだろう。
人生の幕引きとしてとても悲しく、淋しいものだった。ご冥福をお祈りします。

理研・笹井氏自殺 代理人「小保方氏の精神面心配」、若山氏「コメントない」
2014年8月5日(火)13:43
理化学研究所の発生・再生科学総合研究センター(CDB)の笹井芳樹副センター長が自殺を図るという衝撃的な事態に5日、関係者は一様に「言葉にならない」「なぜ、こんなことになったのか」と驚きの声を上げ、事実関係の確認に追われた。 理化学研究所(埼玉県和光市)の広報担当者は同日午前、殺到する報道陣の問い合わせに当初、「自殺との内部情報があったが、まだ分からない。事実関係を確認中だ」と繰り返した。理研本部に「死亡」の情報が届いたのは午前10時ごろ。担当者は「医師が死亡を確認したが、延命措置を行っているとの話もあり、情報が錯綜している」と混乱した様子で述べた。笹井氏が自殺を図ったCDBに隣接する先端医療センターには研究用のラボもあり、笹井氏は夜間も自由に出入りできたとみられ、秘書の机の上に遺書のようなものがあったという。担当者は「遺書のようなものの中身についてはよく分からない。おそらく警察に提出し、調べを進めているところだと思う。記者会見を含めて今後の対応を検討したい」と話した。先端医療センターの周辺にはパトカーや救急車が集まり、慌ただしい雰囲気。笹井氏をよく知る理研の男性研究員は電話取材に対し「まだ何も分からないが、事実だとすれば言葉にならないぐらい驚きだ」と声を震わせながら答えた。笹井氏を知る理研の元研究員の男性(38)は「笹井先生といえば頭が良くて冷静な切れ者で、活発に議論していた姿が印象に残っている。責任を取るなら彼らしくきっちり説明するとか別の方法があるはずだが、いきなり自殺を図るというのは信じられない」と驚いた様子だった。STAP細胞の論文問題をめぐり4月に記者会見した笹井氏について、論文執筆の指導を受けた小保方晴子氏は「尊敬する笹井先生が私の過ちのため、厳しい質問に答えている姿を見て、本当に申し訳ない気持ちでいっぱい」と涙ながらに述べていた。その小保方氏の代理人、三木秀夫弁護士の大阪市北区の事務所にも多くの報道陣が集まったが、三木弁護士は姿を見せず、女性事務員が「詳細が分からないため現段階で対応することはできない」と繰り返した。一方、論文の共著者で山梨大の若山照彦教授は5日、大学を通じて報道陣に「この件に関してコメントはない」と伝えた。甲府市にある若山教授の研究所前には、報道機関の記者らが集まり対応を求めたが、教授はインターホンの呼び出しや電話に応じなかった。笹井氏の自殺は文部科学省にも衝撃が走り、幹部は取材に対し「まだ詳しい状況が分かっていない。なぜこんなことになったのか」と驚きを隠せない様子で話した。別の文科省幹部も、笹井氏のことを「日本の再生医療の代表的な研究者だった」と評価した上で、「大変な損失だ」と肩を落とした。