こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

人生あっという間、私の時間もあと少し。
よりよく生きるにはどうしたらいい?

天は二物も三物も?

2019年03月05日 | 日々思うこと、考えること

理Ⅲ(東大医学部)の学生が、ミス日本に選ばれたという話が医療者向けのネットで話題になっていた。驚いたことに先日など林修のクイズ番組(?)でも取り上げられていた。テレビで放映されているのを観たら、聡明かつ健康そうな非の打ち所がなさそうな女性だった。よく、才色兼備とか、天は二物を”与えた”などという表現で、人のことを誉めることがあるけど、彼女などまったくそういう感じだ。でも、こういうことをテレビとかで取り上げるのは、ほどほどにしておいたほうがいいように思う。

優れた人を称賛することは悪いことではないけれど、こと教育となるとちょっと様相が違うように思う。案の定、彼女も都内の一流進学校から林修の講義を聴きながら受験勉強できるという環境に育っている。それだけの教育を受けさせることができる家庭というのがこの国にどのぐらいあるかという根本的な問題については何一つ触れられないまま、格差の再生産をそのまま映しているだけだ。せめて、そういう学生が国際的な学術コンクールや論文を書いたとかいうのなら取り上げていいだろうけど、ただ、才色兼備というだけで取り上げるのはどうだろうと思った。まあ、林修が出ているということでそもそも教育産業の宣伝みたいなものだから、仕方がないのかもしれない。

人間にはそれぞれが持っている素晴らしい素質があって、それは他の誰もとって代わることはできないもの。本来そうあるべきなのに、世間というものは互いの嫉妬心、虚栄心を煽り立てて、それを商売に結びつけていく。それこそが資本主義というものなのだろう。テレビなら視聴率だし、塾、学校を含めた受験産業では進学実績。もちろん、こういったことに関する情報は公開されるべきで、名門私立中高の学費が偏差値同様馬鹿高いということも公開されているので、調べたらすぐにわかる。だから、なかなか答えは見つからない。

付け加えておくと、その番組の中で良かったと思われる情報もあった。

彼女の家では、”家に帰ったらスマホはリビングに置いて、自室には持ち込まない”、”家に帰ってきたら、ずっと家族のいるリビングで過ごす”ということを実践していたそうだ。

たしかに、これはいいこと。でも、これも問題で、そんなことができる環境にない子は世の中にはたくさんいるのだ。

じゃあ、どうしたらいいかということになるが、そういう格差を少しずつ減らしていく、努力を社会全体でしていく、としか言いようがない。

とりあえず、スマホ

ブログランキング・にほんブログ村へいいね!のかわりに