いろいろなことを考えていると、余計なヒト、コト、モノが後から後から出てきてしまう。それらの糸と自分と繋がるそれぞれのは次第に錯綜してこんがらがってきて、ひどい時にはダマのようになってしまう。でもそれが、たとえほとんど解けないと思えるような状態になってしまっていても、落ち着いてゆるめていけば解くことは必ずできる。
大事なのは、こんがらがっている糸を全部一度にほどこうとしないことだ。複数の人とのことをまとめてしまってはいけないのだ。面倒くさいからと、丸ごと飲み込んでしまおうなどと考えてはいけない。目の前の人全部が同じことを考えているわけではなくて、それぞれの人がそれぞれのことを考えていて、自分との関係もそれぞれであるということをわかっておけば大切だ。それぞれの糸を1本1本丁寧に探し出してほどいていくように努力する。
喧嘩だって、それぞれの人の間に入ってそれぞれの人の意見を聞かなくてはいけない。たいていは喧嘩両成敗になるけど、それはある意味当たり前のことなのかもしれない。
政治家や役人が、丁寧に説明していく、と言っていることを聞くことがある。おそらく、その政治家個人、役人個人は周りの人に”結構”丁寧に説明しているのかもしれないと思う。大量の案件があって、それぞれについて、2、3人に丁寧に質問したらあっという間に時間がなくなってしまう。結果として反論に耳を傾ける暇はなくなり、国民には不平が溜まる。難しいものだ。
それぞれの人との関係を大切に、誠実に対応していくしかやれることはない。そして、いくら努力をしたつもりになっても、自分の努力は自分が下す自分に対する評価でしかなくて、自分がしたことに対する評価は相手がする。そして採点は相手に委ねられているということを覚悟しておかなくてはいけない。
採点するのは相手です