岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

大江健三郎 『定義集 【広島・長崎から福島に向けて】』

2011-08-18 20:11:27 | 原子力発電


朝日新聞2011年8月17日掲載
やはり見逃せない文章です。
私の知らない重要な情報がいくつもあります。

肥田舜太郎医師:
「肥田先生は、いま福島県の子供たちを憂えられるのですが、本来《アメリカと日本政府が意図的に隠してきた放射線による『内部被曝』に被害こそが、人類の未来にとって最大の脅威であることを学び、訴えつづけて》こられた専門家です。」

「先生は私に、2003年から7年間、各地の被爆者が政府を愛えに内部被曝を含む放射線の有害性を巡って闘った集団訴訟の記録が出ることを、まず教えてくださったのでした(『原爆症認定集団訴訟たたかいの記録』日本評論社)」

林京子さん:作家
「長崎で被爆された作家林京子さんは、『長い時間をかけた人間の経験』(講談社文芸文庫)で、ずっと持続されている肥田先生の面魂を、S医師として描いていました。」
林京子さんの言葉:
「テレビで責任のある人から《『内部被曝』ということが初めて使われましたね。私はこの言葉を聞いた瞬間、涙がワーッとあふれ出ました。知っていたんですね彼らは。『内部被曝』の問題を。それを今度の原発事故で初めて口にした」

※私のはこの文章を読みながら昨日お会いした福島市在住の若いご夫婦と3人のお子さんのことを思わずはいられなかった。
奥さんとお子さんは、今も福島市に住み続けておられるとのこと。外出時の防備は欠かせないし、外で遊ぶことなどできない。週末は1時間ほどかかって遠方まで運動に出かける。特にお嬢さんのことが心配だと。今後は3重生活になるかもしれない。
返す言葉もなかった。
ご主人は放射能で汚染した土壌などは、福島原発の敷地に移すしかないと言われる。そうなのかもしれない。
もちろん原発近くに住まれていた方々には許しがたい話だろうが。

一度起こったら取り返しのつかないヒバクを4度(原爆、チェルノブイリ、福島)繰り返すという事実は、人間がつくる「科学」は常に懐疑の目で見守る必要があるということだ。
「核の平和利用」という甘い誘惑に酔わされ無知になった私たちが繰り返した過ちをどうすれば忘れないで後世に伝えることができるのか。

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