近年の豪雨災害、台風災害、地震災害は留まるどころか拡大の一方です。
この夏も九州北部(佐賀県)、中国山間部(新見市)、関東圏と続きます。
9月9日~10日と日本住宅会議のサマーセミナー(於:岡山市)に参加し各方面の報告(原因、現象、対策)を聞きました。
ことの重大さを改めて感じました。
報告者のおひとりの発言。
この国にはスポーツ庁があって、どうして防災庁がないのか。
本当にそう思います。
以下は報告メモからの抜粋です。
④避難所の課題とあるべき姿 水谷嘉浩氏(避難所・避難生活学会理事)
・平成の時代に多発した災害関連死ー平成の時代に4939名が災害関連死と認定された。
・特に熊本地震では、熊本県内の死者265名のうち、災害死が50名に大して災害関連死は215名を数え、実に81%が災害関連死だった。
・災害関連死の原因:約51%が避難所等における肉体・精神的疲労(東日本大震災)
雑魚寝、埃、布団生活で不活発、トイレ心配が水分控える、狭いスパースで精神的に追い詰められる。主に劣悪な避難所の環境が原因だった。
・イタリアの被災者支援の説明
市民安全省が中心になって災害発生後48時間以内にテント・トイレシャワー・食事を備えた避難所設営が制度化されている。国レベルで標準化されている。
・国に災害専門省庁の設置を(86年間変わっていない日本の避難所)
⑤移動型仮設住宅の実践 長坂俊成氏(立教大学教授)
・2018年西日本豪雨で初めて応急仮設住宅としてムービングハウス(移動式木造住宅)とトレーラーハウスの活用を提案し、
日本で初めてムービングハウスとトレーラーハウスが災害救助法上の応急仮設住宅と仮設集会所として採用された。
2018年北海道胆振東部地震でも採用され、マイナス20度を超える寒冷地でも高い住宅性能が確認された。
建設型と比較して、救急スピード、住宅環境性能、コスト面においてムービングハウスの高い優位性が確認された。
北海道では約3分の一のコストとなった。(建設型1200万円、ムービングハウス約450万円)
・ムービングハウス=国際コンテナサイズのため輸送がたやすいこと、また連結して二層や五連結も可能。
↓ 職員の方にお願いして、老人保健施設ライフタウンまびの5階(吉備真備駅傍)から被災地全景を観ました。
この施設も最近再開したと地元ニュースで報道されていました。1階部分は改修中でした。
↓被災した井笠鉄道の高架です。線路間際まで浸水しています。オレンジのラインが映っています。
その奥は真備中学校。
当然2階部分まで浸水しています。
背景の山の手前に高梁川が左から右に流れています。
右手からは小田川が左へと流れており、中央やや右で合流しています。
↓南を望みます。
吉備真備駅から奥に支援学校です。校舎は改修できていません。プレハブの仮設校舎(校舎の右側)が見えます。
↑ その奥に小田川の堤防です。すべて泥池となりました。
↑ 北側です。家は壊れていませんが1階~2階が浸水しています。
新築、改修工事の家が見えます。1階部分は使えない状態の家が多いです。
↑ 東側です。田園地帯に建てられて家は比較的新しく、田んぼの中に宅地造成されたことがわかります。
ハザードマップでは堤防高近くの浸水が指摘されていました。右手の井笠鉄道の高架の線路の高さと同じです。