森岡正博さんは生命倫理を研究開発(?)している哲学者ですね。
私にとってはいつも気になっている方です。
『生者と死者をつなぐ』は、日経新聞「プロムナード」欄に掲載されたエッセーを中心に加筆訂正されています。
ですから、短文で読みやすい内容になっています。
新聞、それも経済新聞に掲載されるということが読みやすい文章に繋がっていることは確かですが、
内容は森岡生命倫理学の核心が書かれています。
私が言うのもなんですが一級品です。
もちろん、森岡さんの文章はもともと読みやすさを意識されているのですね。
この図書は、東日本大震災を経験した後に発刊しています。
書かれた多くの文章は、震災以前のものを土台にしていますが、震災後に出版する意味を深く考えてて構成されています。
タイトルにある「生者と死者をつなぐ」という視点は著者が生命倫理学を創る上での視点でもあります。
例えば、脳死移植の法改正時には生命倫理の研究者として国会での参考人として発言もしています。
この「脳死移植法改正」、特に15歳未満の子どもから家族の承諾のみで移植できるという箇所の法律改正について、「子どもの身体は、まるごと自然に帰すべきだ」という批判をされました。私も思いを一にしました。
脳死を人の死と決定した現状では、脳死状態で「生き続けている」子どもたちは、生きつつ死者になってしまったのです。
脳死移植問題は、実に「生者と死者をつなぐ」問題なのです。
森岡氏は自分自身に対して、根源的に掘り下げていきます。
凡人の私などにはなにもそこまで赤裸々にしなくてもと思うほどです。
しかし、どこまでも降りていく試みは、新たな地平を次々と発見していきます。
自らを深く掘り下げることこそ、新たな地平への入り口なのだと思い知らされます。
この図書はお薦めです。
もちろん、お代以上の価値があります。
私にとってはいつも気になっている方です。
『生者と死者をつなぐ』は、日経新聞「プロムナード」欄に掲載されたエッセーを中心に加筆訂正されています。
ですから、短文で読みやすい内容になっています。
新聞、それも経済新聞に掲載されるということが読みやすい文章に繋がっていることは確かですが、
内容は森岡生命倫理学の核心が書かれています。
私が言うのもなんですが一級品です。
もちろん、森岡さんの文章はもともと読みやすさを意識されているのですね。
この図書は、東日本大震災を経験した後に発刊しています。
書かれた多くの文章は、震災以前のものを土台にしていますが、震災後に出版する意味を深く考えてて構成されています。
タイトルにある「生者と死者をつなぐ」という視点は著者が生命倫理学を創る上での視点でもあります。
例えば、脳死移植の法改正時には生命倫理の研究者として国会での参考人として発言もしています。
この「脳死移植法改正」、特に15歳未満の子どもから家族の承諾のみで移植できるという箇所の法律改正について、「子どもの身体は、まるごと自然に帰すべきだ」という批判をされました。私も思いを一にしました。
脳死を人の死と決定した現状では、脳死状態で「生き続けている」子どもたちは、生きつつ死者になってしまったのです。
脳死移植問題は、実に「生者と死者をつなぐ」問題なのです。
森岡氏は自分自身に対して、根源的に掘り下げていきます。
凡人の私などにはなにもそこまで赤裸々にしなくてもと思うほどです。
しかし、どこまでも降りていく試みは、新たな地平を次々と発見していきます。
自らを深く掘り下げることこそ、新たな地平への入り口なのだと思い知らされます。
この図書はお薦めです。
もちろん、お代以上の価値があります。