
私の積ん読集のなかにある1冊です。といっても図書館で取り寄せた本です。
明治以降の著名な詩人が書いた小説集です。
取り上げられた詩人は、石川啄木、上田敏、山村暮鳥、木下杢太郎、野口雨情、北原白秋、
平井功、正岡蓉、日夏耿之介、左川ちか、中原道造、萩原朔太郎、小熊秀雄、斎藤茂吉、高村光太郎。
綺羅星のごとくとはこのことです。
でも知らない人もいるし、初めて詩を読んだ人も。
つまみ読みを始めたら、嵌まってしまいました。
まず、仰天したのは上田敏。
教科書では訳詩集『海潮音』の著者として載っていました。
生まれたのは明治初年で旧幕臣の子。
ということで、この小説「渦巻」も明治40年代に書かれた新聞小説。
「女性の教育」についての当時の男性の考えが書かれていたりして興味深いです。
でもやはり『海潮音』です。
明治38年に出版されたこの訳詩集は青空文庫で読めるので少し読んでみました。
こちらは衝撃的でした。
どうびっくりした書かなくてはならないのですが、筆力不足です。
以下は、編者の長山靖生氏の文章から。
訳詩集『海潮音』によって逸早く西洋の象徴派や高踏派の詩を翻訳紹介したが、
その斬新な訳文の構成や語彙は、日本の詩壇を一変させるほどの衝撃を与えた。
選定の目配りもよく同書が紹介した29人57作の詩には、専門の英国だけではなく
フランス、イタリア、ドイツなどの作品もあった。
どうなっているのでしょうね。
文才だけでなく語学力も。
私の知識不足にも呆れますが知らぬことばかりです。
上田敏がこんな方だったとは。
せめて『海潮音』だけでも読み通したいと思います。
お読みいただきありがとうございました。
💛ウクライナに平和を💛