まったく私的な内容になってしまいました。
一応、載せておきます。
短編小説『木野』は、私のようにあまり小説を読まないものとってはとても難解です。
でも、映画『ドライブ・マイ・カー』の主要なテーマが書かれていることだけはわかります。
村上春樹さんが、この短編小説だけは手間がかかったと書かれています。
様々な小説のテクニックを駆使しているように思います(大して小説を読んでいない私ですが)。
『木野』の私的なあらすじ
妻に裏切られた男(浮気相手は同僚)が、現場を目撃しそのまま逃避して都会の片隅に潜むように生きています。
大きな喪失なのですが、向き合うことを避けて生きていくのです。
そこは、彼にとって居心地のいい隠れ家(バー)ですが、不吉なことが起こりはじめ、そこからいやおうなしに出て行かなくてはならなくなります。
旅立った彼はあてもなく日本中のホテルに泊まり歩き無為の時を過ごしていきます。
しかし、そのような生活が長く続くわけはありません。
彼は自分が本当に向き合わなければならないものに追い詰められていきます。
その追い詰められ方がとてもきついのです。
この辺りが村上春樹氏の力量ですね。
『木野』が映画『ドライブ・マイ・カー』の核とすれば、家福(西島秀俊氏)の喪失の深さも推し量れます。
劇中劇『ワーニャ伯父さん』は、さらに喪失の深さを増幅させます。
そして劇中劇では、
苦しいことばかりだったけど神様のもとに行けば、あなたを優しく慰めてくれると思います。
だから、もう少し頑張りましょう、と。
お読みいただきありがとうございました。