岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

なぜ、まだ領土問題なのか」 ジョン・ダワー氏に聞く。

2012-10-30 18:52:19 | 世界のなかま
朝日新聞2012年10月30日インタビュー欄より

見出しは

冷戦が拒んだ解決
米国に全面依存し
中韓に向き合わず


国が語る被害には
他者への理解欠如
市民との対話築け


この見出し、とてもよくできている。
漢詩を思い浮かべてしまう。
これは記者が書いたのだけれど、インタビュー内容の見事な要約になっている。
それも、順番どおり。
ゆえに、この見出しに導かれて引用すればいいことになる。


冷戦が拒んだ解決

東アジアの領土問題は北方領土、竹島、尖閣列島、台湾、南シナ海の諸島と五つありますが、これらはいずれもサンフランシスコ講和会議で検討されながら、冷戦によって阻まれました。

米国に全面依存

平和条約をきっかけに、日本は米国に依存する「サンフランシスコ・システム」に組み込まれ、アジアから引き抜かれてしまった。

中韓に向き合わず

この平和条約によって日米関係は良好になり、戦後日本の繁栄がはじまったのは素晴らしいことです。だが、日本の植民地支配と戦争によって最も被害を受けたのは米国ではない。韓国と中国なのです。にもかかわらず、両国は講和会議に出席していません。

朝鮮戦争がすでに始まっており、米国にとっては、日本が「味方」、中国は「平和に対する敵」という構図に変わった。

米国は戦中の話には触れなくなりました。
韓国や中国が受けた被害についても発言しなくなる。

日本も自らの行為に向き合うことができず、未解決の課題が今に残ってしまいました。


つづく

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