台風21号は、関西空港の弱点を白日の下に晒してしまった。
海上空港が非常時には機能しないということが明らかになった。
関西空港は人工の島のために自立していない。
インフラ、人、物資などすべてを島以外から補給しなくてはならない。
今回は、連絡橋が通行不能になり、一気に危機が表面化した。
その連絡橋は当分復旧できないことも明らかになった。
当然、人や物資輸送は代替するしかない。
代替が常態化すれば、関空が復旧しても、戻ってくるかどうか。
なかなか難しいことは、東日本大震災でも経験している。
関西空港が持つリスクも明らかになった。
そして、迫りくる南海トラフ大地震のことを考えなくてはならない。
到底、耐えられない。
海抜5mが津波に耐えられるはずがない。
1日8万人近くが利用するこの空港は、今回以上に水没する。
間違いない。
対策はないと思う。
ならば黙って放置するのか。
非常時の食料として、1万食3日分を備蓄しているというが、これでは南海トラフ大地震発生時にはとても足りない。
連絡橋も使えなくなるだろう。
もちろん本州側から救援に行く余裕などあるとは思えない。
自衛隊や米軍しか頼りにならないだろうが、彼らにその余力があるだろうか。
関西空港には借金が1兆円以上あるという。
国が元締めだろうから、必ず復旧させると思うが、
私は再び開港すべきかどうかを廃港も含めて、しっかり議論しなくてはならないと考える。
復旧することは巨大なリスクを背負うことに直結するからだ。
すくなくとも現時点で第一期島のかさ上げをする必要がある。ただ、どこまで抜本的に対策を実行するのか現時点では不明だ。
気候変動にともなう台風の激烈化、温暖化による海面上昇、さらには、南海トラフ地震の津波など、空港の存亡にかかわる脅威は山積している。
もし神戸空港がそれほど地盤沈下を起こしていないのなら、3,500メートル級の滑走路を二本整備し、関空の代替空港として改良するべきだ。