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副題は、「その暮らしと住まいの風景を読む」相模書房
自宅で家族が図書館から借りてきていた。
これは素晴らしい本ですよ。
私は今まで武士の絵日記というものに出会ったことがない。
著者は「おそらく、絵日記としては現在のところ発見されている唯一のものであろう」と書いている。
関東平野の一角にあった忍藩十万石(現埼玉県行田市)の下級武士である尾崎石城の文久元年から二年の間、わずか178日間の日記である。
当時、尾崎石城は「上書して藩政を論じたために蟄居申し渡され」、中級武士から下級武士に下げられている。
尊王攘夷の心情に近かったようだ。
尾崎石城は33歳と若いながら、読書家であり、文才や画才にも優れていた。知識人である。
しかし、登城も許されぬ身ゆえ自宅で謹慎し人と会うこともないのではと思うのだが、
彼の日常は、下級、中級武士やその家族、寺の住職、町人、子どもたちと日々交歓し、書を読み、
歌を歌い、郊外を逍遥している。もちろん、酒をたしなみ、食も楽しんでいる。
その生活をこの本の著者は見事に読ませてくれる。
私にとっては、羨ましいほどの生活である。
尾崎石城は明治維新の年に、藩校の教頭になり、宮城県も招かれ、大主典※となっている。
※ 律令制における四等官制の第四位ということらしい。
貴重な資料なので購入します。
自宅で家族が図書館から借りてきていた。
これは素晴らしい本ですよ。
私は今まで武士の絵日記というものに出会ったことがない。
著者は「おそらく、絵日記としては現在のところ発見されている唯一のものであろう」と書いている。
関東平野の一角にあった忍藩十万石(現埼玉県行田市)の下級武士である尾崎石城の文久元年から二年の間、わずか178日間の日記である。
当時、尾崎石城は「上書して藩政を論じたために蟄居申し渡され」、中級武士から下級武士に下げられている。
尊王攘夷の心情に近かったようだ。
尾崎石城は33歳と若いながら、読書家であり、文才や画才にも優れていた。知識人である。
しかし、登城も許されぬ身ゆえ自宅で謹慎し人と会うこともないのではと思うのだが、
彼の日常は、下級、中級武士やその家族、寺の住職、町人、子どもたちと日々交歓し、書を読み、
歌を歌い、郊外を逍遥している。もちろん、酒をたしなみ、食も楽しんでいる。
その生活をこの本の著者は見事に読ませてくれる。
私にとっては、羨ましいほどの生活である。
尾崎石城は明治維新の年に、藩校の教頭になり、宮城県も招かれ、大主典※となっている。
※ 律令制における四等官制の第四位ということらしい。
貴重な資料なので購入します。
![]() | 幕末下級武士の絵日記―その暮らしと住まいの風景を読む |
大岡 敏昭 | |
相模書房 |