昨年の4.25事故の再発防止策としてダイヤの改正が待たれていた。
発表されたダイヤは、「ゆとり」ダイヤというらしい。
わたしは「ゆとり」という言葉に引っかかった。
「ゆとり」というのは、通常の運転時間に余裕を持たせることだと思うのだか、
「ゆとり」を持たせることでダイヤ通りの運転ができるようになるという
のだから、「ゆとり」ということばの使い方は誤魔化しである。
ダイヤの正常化といったほうが正確だ。
今回のダイヤは、必要最低限である。(ラッシュ時のみ)
例えば、遅れるのが当たり前になっている片町線は2分55秒増という。
脱線転覆事故を起こした福知山線は21秒増(ただし事故前からは2分5秒増)
関西の方はご存知でしょうが、この福知山線と片町線はダイレクトにつながって
おり、どちらの遅れも直に影響する。
合計すると丁度5分間増やしたことになる。
ということは、5分間分にスピード違反ダイヤを組んでいたのである。
それがあの脱線転覆事故の主要な原因のひとつなのである。
事故直後、JR西日本は春のダイヤ改定の可能性に触れなかった。
それは、自らの無謀ダイヤを認めることになるからである。
しかし、結果は大改定となった。改正とはいわない。
9ヶ月たっての話なら世間にあたえるインパクトは弱まるということだろう。
なお、東海道線の京都~三宮間も2分5秒増やしているが、まだまだ速すぎる。
先日も大阪~姫路間の乗車したが、2分遅れで出発、飛ばしに飛ばして、
姫路についたら2分遅れのまま。
このとんでもない速度が通常運転なのだと驚いたものだ。
なお、この「ゆとり」ダイヤはラッシュ時限定という。
この考え方は、スピードは速過ぎないが、乗降に時間がかかるからという
意味だろう。
ここにも誤魔化しがある。ラッシュ時以外の時間も変更する必要がある。
私が大阪からのった新快速は、ラッシュ時ではなかったが尋常なスピードでは
なかった。
なお事故当時のダイヤに関しては、2005年5月1日と5月10日号に
細かく掲載しています。参考にしていただければと思います。