岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

モノが売れない。デフレの発端は?

2010-01-27 21:59:42 | 国民と国会と政治
「緩やかなデフレ状況にある」 政府経済報告
というのは、認めざるを得ない経済状況でしょう。

売れるのは、ユニクロなどの安売り店ばかりというのも確かですね。
「いいものは高い」という価値観も残ってほしいと、川久保玲さんは語っている。
もちろん気持ちは痛いほどわかる。
しかし、人々が「いいものは高い」という価値観を取り戻すとは考えられない。
そのような余裕は、私をふくめありません。
「余裕がない、そして不安があること」がデフレの発端であることは確かでしょう。

では、どうしてそのような心理に私たちが陥ってしまったのか。

社会経済学者・松原隆一郎氏は、朝日新聞論壇時評にて以下のように書いています。

「要するに我が国はこの間(小泉以来の自公政権時代)、政府が一部製造業を後押しして
輸出振興を図る『重商主義』を国是としていたのだ。
それにより国内と地方が疲弊し、将来不安・雇用不安が蔓延して、流動性の罠※を招いた。
不安ゆえにモノよりもカネを手元に置きたいならば、いくら斬新な商品を提供しようと買わない。
シンプルかつ安価な商品を求める消費者心理がここにある」

※流動性の罠=資金が散布されても投資にも消費にも使わず貯金すること。

私自身の消費行動は、まさにこの通りである。
私がモノを買いたいと気持ちと、そして「いいのも高い」というかつては持っていた価値観を取り戻すには、
将来の不安が軽くなることが前提になる。

松原氏の説は、もう定説といっていいかもしれない。

※遠方に淡路島を望む。
友ヶ島と淡路島に砲台があり、海峡を睨んでいた。
友ヶ島灯台が前方の丘の上に見える。

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