岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

「福祉哲学-人権・生活世界・非暴力の統合思想」加藤博史著 晃洋書房

2008-05-23 20:03:29 | 
注目すべき論文です。
私は第一章までしか読み進んでいませんが、内容の濃さにも関わらす
大変読みやすく書かれていると思います。
今の時点では、内容についてはまだ書くことはできませんので(私が理解
できていないという意味)、第一章の目次のみを紹介させていただきます。

はじめに
第1章 社会福祉の本質
第1節 社会福祉の全体構造
第2節 社会福祉の原則
第3節 福祉の無思想性とゲームの論理の支配
第4節 人間の幸福と社会状況
第5節 人権思想の基盤

多くの節の最後に要約が書かれているのが、理解を助けてくれます。
例えば、第4節の<要約>では、
①人間の真価は、最も疎外された人との共生の態度(実践)にあらわれる。
②真の幸福は関係実現にある。
③経済的自立という概念は詐術的である。自己決定権等の中で自立を
概念規定し吟味して使用する必要がある。
④障碍に向き合うことの積極的意味について、障碍のある人と再帰的に対話し、
相互の個性化に結びつける。
⑤死や老いを包み込める成熟した社会作りに、障碍のある人の役割を
発揮してもらおう。
⑥共生は、基本的人権の保障される社会作りに向けて何かをしようとして
もがく課程にある。
⑦タフでない人も楽しく生きられる社会作りが肝要。
⑧現代の人は、人間の実相から目を背けてきたがゆえに、信仰と愛から
遠ざかっている。
⑨欲望を煽る文化とバランスをとる「鎮めの文化」の再興を。

この要約から理解できるように、加藤博史先生は、社会思想と宗教思想と
障碍者福祉そして地域福祉を専門とされている(と想像します)。
京都の大学に勤務されています。
一読していただければ、先生の人間性などの一端を知ることができると
思います。
超お薦めの一冊です。

※アマゾンコムで購入可能です。

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