リニア新幹線(以下リニア)の開業は2027年から遅れると発表があった。
それも十年近く遅れると思われる。
静岡区間の工事は10年程度かかるといわれるから。
ならば2035年でもおぼつかない。
しかし問題は静岡区間だけではないことは識者の認めるところ。
本当につくる価値があるのだろうか。
東海道新幹線(以下新幹線)が不通になった時の代替が必要というが南海トラフ地震に間に合うのかも怪しい。
地震はそんなに都合よく待ってはくれない。
もし新幹線が不通になったという事態ではどう考えても高速道路(中央部、日本海側)が主要な交通機関だと思われる。
もしリニア開業が間に合ったとしても、トンネル率80%以上では緊急事態にそなえるのは相当困難だと思われる。まず首都圏や名古屋圏の駅が大丈夫なのか破損しないのかということもある。
首都圏では品川駅発着らしいがなんと40km近く、地下40m以下のトンネルを掘る必要があるらしい。
40kmといえばだいたい大阪・京都間にあたる。
掘り出したら問題続出にならないだろうか。
外環道のトンネルを掘っていて地上が陥没して工事が止まっている。
リニアでも岐阜で工事中断中だ。
ほかでもトンネル工事が中断している。
山中のトンネル工事も問題が多い。
残土の始末だって難しい。断層があり水の道も未知数だ。
静岡県知事さえ代わればうまくいくというものではない。
静岡県知事の件はJR東海には都合の良いエクスキューズだったと思っている。
いなくなったらなったで困ったのではないだろうか。
JR東海の情報開示も遅く少ない。
世界的の状況では中国韓国には短い路線がある程度。ドイツはすでに撤退している。
どうしても開業したいというなら新幹線のシステムを中央新幹線に使えばいい。
トンネルサイズが小さいというならそれに合わせた車両つくればいい。
すでに技術的に完成している新幹線なら可能だと思う。
さらに電力の問題もある。
リニアは新幹線に対して3~4倍程度電力を消費するといわれている。
とんでもない電気食いなのだ。
原発再稼働の言い訳になってはならない。
これは完成後の話ではあるが、運賃どうするの?
工事費や電力消費量を考えれば、最低4倍の運賃設定が考えられるがそれでは誰も乗らないだろう。
高くても倍まで。
そして観光用には東海道新幹線のほうがはるかにマシで名峰富士山も見ることができる。
外国の観光客は新幹線を選ぶはず。
また計画では15両編成で1000人を一度に運ぶというが、その編成の車両はいまだに完成していない。
27年開業だったわけだからもうできていなければならない。
試運転は本線でするしかないがどのくらいの期間を想定しているのか、試運転で問題があればさらに開業は遠のく。
1973年に基本計画が立てられてから半世紀が経過した。いまだ全容が見えてこないリニアなのだ。
リニアと新幹線のすみわけはどうするか。
今の新幹線が開業した時に在来線はどのようなあつかいだったか、覚えている。
まず、在来線が不便になりました。新幹線優先になりました。
たぶん、今回もリニア優先で東海道新幹線は「ひかり」や「こだま」で停車駅を増やし、そのため時間が今以上にかかるようになるのではないか。
意図的にリニアに乗客を誘導する策がとられると思われる。
それでもリニアに乗る人(乗りたい人)はビジネス客が中心だろう。
ビジネス客中心で1時間に4~5本の間隔で運転して満席になるとは思えない。
観光客で東京から名古屋まで40分間のトンネルの旅を望む人がそんなにいるとは思えない。
一度は乗るとは思うけれど。
新幹線は60年前に完成し確かに世界の高速鉄道の先鞭をつけたが、リニアが世界の超高速鉄道の
スタンダードになるとは思えない。
海外輸出は新幹線だって難しかった。
この中央新幹線工事は総工費が10兆円になると思われる事業だ(現在に見積もりは7兆円くらいだけれど)。
JR東海が主導するが果たして開通するかどうか。
注目したい。
お読みいただきありがとうございました。
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