岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

「ハンセン病」を自分の問題と考えることができるか。

2008-07-06 08:10:49 | ハンセン病
岡山という地域に住み直すなら、腰を据えて取り組みたいと
考えていた「ハンセン病」について。
少しずつ本を読んでいる。
まずは、最近の研究成果を読むことと、そして戦前、戦中、戦後の流れ。
宗教との関係などを読んでいきたい。もちろん医療のことも最重要だろう。
そして、国家の政策、国民の意思。戦前と戦後の連続性。立法と行政など。

幸い、岡山県立図書館や愛生園歴史館資料室には貴重な資料が豊富に揃っている。
今まで数冊の本を読んだだけだが、私には見当もつかないほどの「巨大な山脈」が
ここにあると感じた。
まず藤野豊先生の膨大な研究の一部からでも読むことが必須だと思われる。
そして、当事者の声、県民や国民の感情(どのように形成されたか)。
戦後になってから、すなわち日本国憲法が発布されてから隔離政策や断種政策が
強化されたのはなぜか。
まずは基礎として知っておく必要がある。
藤野先生は、その結論を出しておられるが、私なりに後を追っていきたい。

私が岡山の高校時代、教師から聞いた話の中で、ブログに書かなかったことが
ある。書いておきたいと思う。

愛生園を訪問した教師は、患者さんとスポーツを楽しんだおり、化粧をした顔が
汗で崩れていく話の後、ある部屋で胎児をアルコール漬けにしていた標本を見た
といった。
このことを書くことができなかった。

私は、この二つの話を深く掘り下げることなく、長い月日を過ごしてしまった。
もちろん、今、長島に行ってもその当時を思い出させるものはなにもない。
あの話は、聞き違いだったのだろうか。
どうもそうではないらしい。

私は、何を見過ごしてきてしまったのか。
今からでも遅くない。学んでいきたいと思う。

※写真は長島愛生園歴史館(旧事務本館)


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