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原発依存度が80%にも達するフランスからの発信です。
世界が原発に依存している発電量は5%にしかならないのに、フランスの原発依存率は、3割依存の日本から見ても「異常」に思える。
著者夫妻は、日本でも多い「元原子力研究者」。
著者は、原発依存度が80%のフランスさえ、原発即時廃止は可能だという。
「チェルノブイリ以後福島以前」に書かれた内容は、今の日本に多くの示唆を与える。
結論からいえば、チェルノブイリ事故から何も学ばなかった国が「日本とフランス」ということになる。
原発に反対した人々の、か細い訴えに理があったことは明らかだ。
以下は印象に残った文章です。
表紙裏:「原発は、万一、重大事故になれば取り返しがつかない事態となる。稼働年数が経てば経つほどその可能性が高い。チェルノブイリ的状況になんとかする方法はないのか?原発がなくなると電気が困るとよくいうが、実はそんなことはないのだ。原子力発電依存度が最も高い原発大国フランスで、電力消費をさほど落とすことなく、原発の即時廃止が可能であり、老朽化した原発は大事故が必至で、チェルノブイリ的事態になれば西欧は滅亡的危機となろうと説く本書は、日本にもあてはまる。」
70p:事故時における原子力管理者が持つ裁量
フランスでもチェルノブイリ以前は緊急事態に対応する作業者を暗示する法律はなかった。
ところがチェルノブイリ以後の法律で2倍以内での被爆作業が認められた。
(日本は2.5倍まで作業可能となった)
76p:
「原発の重大事故が起きた後に、驚いて原発を止めるならば、電力不足のために事故処理までもが停滞してしまうであろう。原発の大事故が起きても、同じ型の危険な原子炉をストップすることさえ、不可能であろう。事故処理のための臨時の膨大な費用に加えて、寿命に達する前の原子炉を停止する損失が加わり、急遽、化石燃料発電に切り替えるための費用をねん出することなど、できるはずもなかろう。事故による大きなダメージを受けた後に、原発からの早急な脱出を検討するなどというのは幻想なのである。」
著者は、「事故の起きる前に早急に脱出することを検討しなければならない」と説く。
重大事故進行中の日本はどうすればよいのか。
非常に困難な事態に陥っていることだけはよくわかる。
日本もフランスも政府や原発事業者は同じようなやり方で原発を推進してきた。
原発依存度の低い日本の方が深く傷つきながらも原発からの脱出が可能かもしれないと思う。
桜井醇児訳 2007年発行 緑風出版
世界が原発に依存している発電量は5%にしかならないのに、フランスの原発依存率は、3割依存の日本から見ても「異常」に思える。
著者夫妻は、日本でも多い「元原子力研究者」。
著者は、原発依存度が80%のフランスさえ、原発即時廃止は可能だという。
「チェルノブイリ以後福島以前」に書かれた内容は、今の日本に多くの示唆を与える。
結論からいえば、チェルノブイリ事故から何も学ばなかった国が「日本とフランス」ということになる。
原発に反対した人々の、か細い訴えに理があったことは明らかだ。
以下は印象に残った文章です。
表紙裏:「原発は、万一、重大事故になれば取り返しがつかない事態となる。稼働年数が経てば経つほどその可能性が高い。チェルノブイリ的状況になんとかする方法はないのか?原発がなくなると電気が困るとよくいうが、実はそんなことはないのだ。原子力発電依存度が最も高い原発大国フランスで、電力消費をさほど落とすことなく、原発の即時廃止が可能であり、老朽化した原発は大事故が必至で、チェルノブイリ的事態になれば西欧は滅亡的危機となろうと説く本書は、日本にもあてはまる。」
70p:事故時における原子力管理者が持つ裁量
フランスでもチェルノブイリ以前は緊急事態に対応する作業者を暗示する法律はなかった。
ところがチェルノブイリ以後の法律で2倍以内での被爆作業が認められた。
(日本は2.5倍まで作業可能となった)
76p:
「原発の重大事故が起きた後に、驚いて原発を止めるならば、電力不足のために事故処理までもが停滞してしまうであろう。原発の大事故が起きても、同じ型の危険な原子炉をストップすることさえ、不可能であろう。事故処理のための臨時の膨大な費用に加えて、寿命に達する前の原子炉を停止する損失が加わり、急遽、化石燃料発電に切り替えるための費用をねん出することなど、できるはずもなかろう。事故による大きなダメージを受けた後に、原発からの早急な脱出を検討するなどというのは幻想なのである。」
著者は、「事故の起きる前に早急に脱出することを検討しなければならない」と説く。
重大事故進行中の日本はどうすればよいのか。
非常に困難な事態に陥っていることだけはよくわかる。
日本もフランスも政府や原発事業者は同じようなやり方で原発を推進してきた。
原発依存度の低い日本の方が深く傷つきながらも原発からの脱出が可能かもしれないと思う。
桜井醇児訳 2007年発行 緑風出版