岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

多忙の日々が続く4月。

2009-04-17 22:35:17 | 地域包括支援センター
地域包括支援センターの職員として、この4月は厳しい日々となっている。
第一に、この4月から介護保険給付費が変更になり、
さまざまは加算が各事業所につくことになった。
そして、それぞれの事業所によって、どの加算がつくかが異なるというかなり複雑な仕組みとなった。

私の場合は70名近い人が担当なので、利用している事業所は大変な数になる。
その新しくできた加算をシステムに組み込む作業を70人分にやらなくはならない。
(訪問介護は手間がかからないが施設関係はややこしい)
もう数日間もこの作業に費やしている。
使っているソフトが出来が悪いこともある。
バージョン1なので、効率がとても悪いこと。

その他、政令指定都市になったことで担当エリアが増える。
人の移動も多い。
現場は混乱中です。

よいこともある。
今まで、手間をかけていた事務(無駄な部分もあった)を大胆にカットした。
手間な作業をする余裕はないから。
民間では1990年代にやっていたこと。
外郭団体という組織は効率より形式を重視する傾向が強く、古い体質は
行政以上かもしれない。

このような現場では、まともな社員教育をする余裕もない。
中には、誰にも指導してもらえない社員もいる。

本人に、「なにに困っている」と聞くと、
「介護保険がわからない」という。
福祉系の学校出身ではない新人には、高齢者対象の保険制度などわからないのが当然。
そこで、彼女から昼時間を15分頂いて、
12時45分から13時まで、個人授業をすることになった。

毎日15分。まずは20日間程度かけようと考えている。
だれにも頼まれたわけではないけれど。
私も先輩から同じような個人授業をしてもらった。
次代に送るものがあるというのは私自身のためにもなる。
いかにわかりやすく説明するか。
日頃、高齢者の方に説明がきちんとできていれば、新人にも理解してもらえるはず。
介護保険制度を15分単位でいかに伝えるか。
私自身楽しみな課題となった。

※この樹のようにまっすぐ、育ってください。


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2 コメント

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次世代を育てていくことも課題ですね (どりーむ)
2009-04-18 00:05:05
担当されている方が、70名ですか。ケアマネと違って、利用者宅へのモニタリングは3か月毎とされているとはいえ、中には毎月のモニタリングも必要な方もいらっしゃるでしょうし、要支援者以外で、ケアマネの後方支援として担当されている方もいらっしゃるでしょうから、実質の利用者担当者数は、もっとでしょうね。

私の古巣の看護の場合、看護資格をとったあとの多くは病棟に勤務するでしょうから、そこで、実務としての看護を教育をうけることができます。しかし、介護、福祉の現場では、そこのところが弱いですね。

「介護は誰にでもできること」とあまり「介護技術を伝える」ということをされてこなかったのでしょう。自分が、「教えてもらった」といい経験がないため、「新人を育てていく」「臨床の場で技術をつないでいく」という意識がうすいように感じます。

また、福祉の場合、一瞬、一瞬のかかわりの支援であり、同じ場面での支援は決してありえない支援である場合も多く、個人のセンスに任されてきた支援であったように思います。

こういった世界の違いをしれたことは、看護しか知らなかった私にとっては、結構カルチャーショックでした。

私の横にも、現在、ケアマネの実務研修受講中のかたがいらっしゃいます。もちろん、ヘルパーの経験はありますが、「相談援助」ということについては、「見るもの、聞くものすべてが初めてです」と「わからないことがわからない」状態のようです。

いかに、その方々に「現場力」を持っていっていただけるか。それも、私たちに課せられた責任であるように思います。
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継承 (岩清水)
2009-04-18 07:30:41
りーむさん、コメントありがとうございます。
元職が看護職とのこと。

地域包括で働き始めた折、同時に配属された方が看護職から転職されたでした。
ほとんど指導なしに二人で家庭訪問を始めました。お互い補い合って業務を進めていきました。利用者の方には申し訳ない話です。
医療のことをずいぶん教えてもらいました。
この新人(新配属者)を即現場に出すというのは、役所のやり方のような気もします。京都での地域包括が役所のカウンターの中にあったのですが、新人の席はカウンター側です。すなわち窓口業務は何も知らない新人がすることになります。
こんな訪問者を軽視しているやり方はおかしいと言ったのですが、役所全体がそうなっているのですから変わるわけがありません。窓口業務はベテランがすべきだと思います。
福祉職が専門職として確立するためには、現場での教育(研修)体制の整備が欠かせませんが、このことが進まない理由に、現場に余裕がないとともに、国や自治体が時間をかけて人を育てることを軽視しているように思えます。
それは、国や自治体の職員自体が現場での教育を受けていないこと。見よう見まねで仕事をやってきたこと(暗黙知)に大きく影響を受けていると思います。

ということで、福祉の現場教育を変えるには、他の業界から参入した人々の力が重要だと思います。
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