岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

炭鉱映画「フラガール」 

2007-10-07 08:06:09 | 世界のなかま
「フラガール」をTVで観ました。
常磐ハワイアンセンターは有名だから、名前だけは知っていたが、
その成り立ちを知っているわけではなかった。
いい映画でした。

炭鉱を舞台にし映画は、滅び行く街や去っていく人を描くだけに
哀愁が漂う。そこが映画に深みを与える。

古くは、ジョンフォード監督の「我が谷は緑なりき」。
また、近年製作された英国映画「リトルダンサー」も素晴らしかった。
ともに英国の炭鉱を扱っているが前者は19世紀末のウエールズ、
後者はサッチャー時代で追い詰められる労働者階級が題材と
なっている。ともに素晴らしい映画で、これで私にとって
3大炭鉱映画が揃ったことになる。

同じ炭鉱映画でも、英国と日本では著しく違うのは
炭鉱の町の住宅事情。
日本は長屋暮らしで狭い。
英国では労働者の家として、まずまずの大きさがある。
住宅に対する考え方の違いを感じる。

さて「フラガール」の炭鉱映画の際立った特徴は、
炭鉱従業者の就職先をつくる映画ということである。
このような題材の炭鉱映画は知らない。
炭鉱の街から出ていく人間を扱う映画なら、
「青春の門」「リトルダンサー」がある。

常磐ハワイアンセンターの設立は1970年代だから、
高度成長が終わって、国民総レジャー時代に入った時代だ。
時代も合っていたのだろうが、その後40年近く経った今も
年間150万人の入場者数があるというのは大変なことだ。

東日本の大事な財産だ。関西に住む私には少し遠い話だが。



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