岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

「日本病」の特質とは?

2005-07-03 22:24:59 | JR西福知山線脱線転覆事故&安全
かって英国病といわれた病があった。その後、アメリカ病が
現れて、今や日本病である。
これは、柳田邦男さんが「現代8月号」に書いている。
(それにしても月刊現代の他の文章はちょっと情けないレベル)

柳田さんは、「安全管理にかかわる経営の主要な問題」を
6つあげている。

1.経営理念の失敗
2.危機意識の希薄化
3.危険予測分析の欠如
4.安全投資の失敗
5.運転ミス防止の失敗
6.過去の事故や失敗に学ばない

この指摘に関しては私自身も不十分ながら指摘してきた。
しかし、柳田さんの凄いところは、過去の一流企業(といわれる)
の事故・不正事件を徹底して検証した後に、この問題点を
導き出していることである。

柳田さんの他、ごく少数の人以外は事故・不正事件の端緒は
知っていても、その事件が本当は何が原因で、何が本質で
あるかを知らずに忘れてしまう。

例えば、以下の事件が何が原因で何が本質であるのか知っている
人はまずいないと思う。

A 重大な事故・火災・混乱
1.雪印乳業食中毒事件(00年6月)
2.新日本製鉄名古屋製鉄所ガスタンク爆発事故(03年9月)
3.ブリジストン栃木工場火災(03年9月)
4.出光興産北海道製油所タンク火災(03年9月)
5.JR中央線 高架化工事ミスによるダイヤ大混乱(03年9月)
6.関西電力美浜原子力発電所配管破裂事故(04年8月)

B 欠陥隠蔽・データ改ざん・偽表示事件
1.雪印牛肉偽装事件(02年1月)
2.三菱自動車大型車欠陥隠蔽事件(92年から02年) 
3.東京電力 損傷データ改ざん隠蔽事件(86年から02年)
4.三井物産ディーゼル車排ガス浄化装置改ざん事件
(02年から04年)

なんとも驚くばかりの事件数である。
03年9月には、重大事件が4件も連続発生している。
今の時代は、事件も消費された上に忘れ去れていく。
そして、「安全管理にかかわる経営の主要な問題」が
ないがしろにされ、JR尼崎列車転覆事故への繋がってしまう。
(今まで「JR尼崎列車脱線事故」という題名にすることが
多かったが、これは事故を過小に表示していると考え、
事実の通り「転覆事故」といたします)

柳田さんは、これら事件すべてを追跡検証している。
このような作業をだれが行なっているのだろう。
国や警察、当該企業、報道が行なっているだろうか。
断じて行なってはいない。

一個人が追跡検証しているだけである。
そうではないなら、どなたか、ぜひ教えてほしい。

続く。


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