岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

芸術家の家

2008-11-26 21:34:35 | 日本の仲間
いつの頃のことか定かではないが、テレビで「芸術家の家」という番組を放送していた。
「芸術家の家」とは、芸術をなりわいとしてきた人々が高齢になり、生活が困難になった時に
住むことができる家のことだった。
芸術家でかつ金持ちという人はとても少ない。自慢ではないが年金だったとても少ない。
このような人々の老後を支える家が必要だと考えた素晴らしい人や組織が
「芸術家の家」を造った。
気がつきにくいことだが、なくてはならないものだとテレビ番組を観ながら思ったものです。

さて、今日の話です。
最近ケアプランなどデスクワークが多くなり、息が詰まってきたので、ひとつデイサービスの
「文化祭」でも見に行こうかということになった。
車で10分くらいと近くなので1時間くらいあれば往復できる。

訪れたデイサービスは、古い大きな民家を改造して施設としていた。
南向きに二部屋開け放ち、縁側の廊下はガラス越しにまばゆいばかりの陽が射していた。
まるで温室だ。
ふと見ると廊下でうつらうつらと午睡を楽しんでいる男性がいる。
本当に気持よさそうだ。

縁側に面した大きな客間ではテーブルを囲んで妙齢の女性ばかりが、大きなトランプを手に
ゲームをしている。
その顔は真剣そのものだった。

その周りに壁には、「文化祭参加作品」が陳列されている。
その作品のレベルの高さに驚いた。
中には画廊で個展をされている人もおられるという。
個展の新聞記事も貼られていた。

利用者ひとり一人が、違ったジャンルの作品をつくっている。
そして、中にはデザインも試みられている。
例えば、このデイサービスのロゴマークなどのデザイン案も見せてもらった。
また、このデイサービスのテーマソングもできていた。
もちろん、利用者の方が作詞作曲に参加されている。
これには驚いた。

この民家の中での皆さんの行動は、単に昼の時間を過ごされるだけでなく、
自分たちとスタッフが一緒になって、この場所を介護保険施設というよりは、
「芸術家の家」にしようとしているようだった。

人が集うということは、刺激さえあれば、創造的な何かにつながりうるものだと改めて
思い至ったのでした。

※右端の作品は、岡山城と後楽園。これは共同作品だそうだ。
手前の皆様は真剣にトランプをしているシーンです。
勝負事は人生の大きな楽しみでしょう。
そういえばパチンコのおいてあるデイサービスがあり、とても人気がありました。
景品に洗剤などがありました。生活支援?ですね。

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