北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

【番外編】企業倫理って何?

2007-06-24 23:44:48 | Weblog
 北海道苫小牧市のミートホープという会社で、牛肉と称していながら豚肉や鶏肉、果ては期限切れの肉まで混ぜて売っていたことが判明してちょっとした事件になっています。

 北海道出身者としては、こうした北海道の食材の信頼を大きく傷付ける犯罪行為については非常に情けなく、またこれまで信頼して納入したり買ってくれていた企業や消費者の皆さんには誠に申し訳なく思うのです。

 報道されているような他の肉の混入が事実だとすれば明らかな確信的な犯罪行為です。こうした行為が企業活動として社会に貢献し、それに対する正当な対価を得るという企業倫理に反していることは明らかです。

 このような犯罪行為のせいで、真っ当に企業活動を行っている他の多くの企業に対して余計な監視活動を強めるような法規制や行政行為が増えるとしたら、まさにこの犯罪の影響の大きさは一個の企業の犯罪を裁く以上の意味を持つことになるでしょう。

 コムスンとその親会社のグッドウィルの違法行為が明らかになって報道されたときに、夏富士会議で一緒だった厚労省の若い官僚も、「こうした行為で余計な書類提出なんかが増えると回りがたまったものではありませんよ」と憤っていました。

 そもそも法律は確かに性悪説の面があって、社会倫理にはずれる行為が起こることを想定しつつ罰則規定が作られている側面があります。

 しかしながらそれを防ぐための事前チェックは、企業活動の妨げとなるほどのものであってはいけないわけで、あくまでも犯罪の未然防止とそのための労力のバランスが取られていなくてはなりません。

 事前に防げなかった法律体系や行政の能力を非難する前に、まずは犯罪を起こした企業が悪いのだという事実が大事です。感情的にはけ口をどこにでもぶつけるよりは、これからどうあるべきかを冷静に考えたいものです。

 それにしても、安心安全な食が最大の売り物のはずの北海道でこういうことがあってはならないわけで、なんとも言いようのない憤りを感じます。たった一人の行為が地域の信頼を揺るがすことになるわけで、まさに罪、万死に値すると言われてもやむを得ないでしょう。

 それにしても、ずっとばれないと思っていたんだろうか。こんなことは例外だと思いたいのだけれど。
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自転車ではないまち巡り~明治に導かれる

2007-06-24 22:52:17 | 東京探検
 朝は曇だったけれど、午後からは雨の予報。今日は早めに帰るつもりで都内巡りです。

 まずは六本木の新スポット、今噂の東京ミッドタウンへ。

 インターネット百科事典のWikipediaで「東京ミッドタウン」を検索すると、こう書かれていました。

『東京ミッドタウン(Tokyo Midtown)は、三井不動産主体の東京都港区六本木の旧防衛庁跡地と港区赤坂9丁目再開発計画により誕生した複合施設及びその地域一帯である』

『シンボルとなるミッドタウン・タワーは、地下5階・地上54階・高さ248mと、六本木ヒルズ森タワーだけでなく、東京都庁舎第一庁舎をも追い抜き、都内で最も高い超高層ビルとなった。なお、東京都庁舎や六本木ヒルズ森タワーと違い、ミッドタウン・タワーには展望台は設けられていない。最上階である54階は機械室など施設の維持・管理のためのスペースとなっていて、一般客は入場する事ができない』

『ホテル、住居、オフィス、商業・文化施設、病院、公園などが近接した複合的開発である。目玉施設としては、ミッドタウン・タワー最上層に位置しているホテル「ザ・リッツ・カールトン東京」や「サントリー美術館」の移転などが挙げられる』

 超高層のタワー部分はそのほとんどがオフィスで、ヤフーを始め超優良企業が入っています。一般の客が楽しめるのはガレリアと呼ばれる地下一階地上4階のショッピング棟のほうだけ。

 見物するだけならお店の飾り付けの見本市みたいなものなので楽しいのですが、それほど大きな店舗面積ではないので商品が限られている印象です。

 それ以上に楽しいのはやはりスイーツやレストランコーナー。高級な和・中・イタリアン・フレンチ・インドなどのお店が多く入っていて楽しみですが、やはりお値段は高め。ケーキ一つが700円って、そんなかんじ。

 それでもお昼頃にはどの店にも長蛇の列ができていて、カップルの格好のデートコースとしてまだまだ人気がつづきそうです。 

    ※    ※    ※    ※

 ここのビルがすごいのは、容積を最大に利用して地上部に大きなオープンスペースを生み出したことです。それもちょこちょこした庭ではなくて、既存の公園と併せて4haもの緑地が広がっています。これには計画段階から東京都からも要請があったと聞いています。

 この4haという面積には大きな意味があって、これだけあると広域避難地として使うことができ都市の防災機能が向上することになるのです。稠密(ちゅうみつ)な土地利用をしている東京にとっては、素晴らしい緑地が生み出されたとわけですね。
 再開発による土地の高度利用には、地上部の利用にとってそういう効果もあるということ。

 なお、この「稠密(=こみあっているということ)」を私はずっと「ちょうみつ」と覚えていて、このブログを書くに当たって調べたところ『「ちゅうみつ」の誤読』と出てきてがっくり。しかし気づいて良かった。「聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥」ですからね。

    ※    ※    ※    ※

 ビルの正面にはさりげなく安田侃さんのブロンズによる「妙夢」という作品が置かれていましたよ。道産子としてはちょっと嬉しくなりました。
  
    ※    ※    ※    ※

 続いては、ここまで来たので先日新宿6丁目のところで書いた神宮外苑にある「絵画館」へ行ってみようと思い立ちました。ここからは歩いていけるほどの割と近い距離なのです。

 歩いていると、乃木希典大将の旧乃木邸と乃木神社の近くを通りました。うーん、神社と言われたらご縁を感じずにはいられません。 

 乃木神社でお参りを済ませてからふと見ると、横に「正松(せいしょう)神社」と書かれているのを見つけました。なんだろう、と思って訪ねてみると、なんとここには吉田松陰とその叔父の玉木文之進が祭神として祀られているのでした。
 昨日に続いてまたまた吉田松陰先生の登場です。呼ばれているのかなあ。

    ※    ※    ※    ※

 更に歩みを進めて、いよいよ絵画館前の通りに到着です。絵画館は四列に植えられた銀杏並木の遙か彼方に建っています。なるほど、ここからの眺望が東京を代表する景観ということなのですね。

 せっかくなので絵画館も訪ねてみることにしましたが、神宮外苑は結構広い。秩父宮ラグビー場や、ロッテ対ヤクルト戦目当てで神宮球場に並んでいるファンの列などを横目に見ながらやっとのことで絵画館へ到着。

 この絵画館、正しくは聖徳記念絵画館(せいとくきねんかいがかん)と言います。

 Wikipediaには、
『聖徳記念絵画館(せいとくきねんかいがかん)は、東京都新宿区の明治神宮外苑の一角にある美術館。神宮外苑の中心的な建物で、幕末から明治時代までの明治天皇の業績を描いた歴史的・文化的にも貴重な絵画を展示している。維持管理は明治神宮の予算で賄われており、他からの援助は一切受けていない』と書かれていました。

 ここには、明治天皇の御代の出来事を、40枚の日本画と、同じく40枚の洋画で描いた絵画が展示されているのです。どの絵も百号を超える大きさで、実に見応えのあるものばかり。

 明治がいかにすごい時代だったのか、ということを改めて感じるのと同時に、一丸となってこの難局に立ち向かった指導者層の凛とした姿勢、さらに必死でこれを支えたこの時代の日本人のひたむきさに感慨を覚えました。

 そう言えば昨日買った本の中には吉田松陰の「留魂録」と岡倉天心の「茶の本」がありました。ここ数日はどういうご縁なのか、知らず知らずのうちに明治時代に導かれてきたようです。

 私はあまり下調べをせずに、どこにどんな縁があるのかとまちを巡るのを楽しみにしているので、乃木神社に正松神社があったときには驚きました。私の名前の二文字も入っているんですからね。

 少し目標管理がおろそかになっていたので、「もっとしっかり精進しろ」ということでしょうか。ははあ、畏れ入りました。
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