北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

【番外編】ナチュラルなコンビニ

2007-06-20 23:59:55 | 東京ウォーク
 まちで見かけた面白い風景から。

 バスで都内をぐるぐる回っている内に、変わった色合いのコンビニを見かけました。

 コンビニエンスストアと言えば、普通はフランチャイズで、全国どこへ行っても全く同じロゴマークと色合いの看板を掲出しているものです。そのマークがどこへ行っても同じだと言うことで、だいたいが同じ品質の品揃えやサービスを提供できますよ、というブランドの安心感を消費者に与えていると言えます。

 しかしながらその一方で、そうしたアピールの仕方は都会だろうが田舎だろうがお構いなしで、周囲の町並みの雰囲気とマッチさせようなどとはこれっぽっちも考えていないような、ある種傍若無人なふうさえ感じさせるところがあります。

 便利さと傍若無人さの分かれ目は、「良い悪い」ではなく、あくまでも程度問題なのですが、フランチャイズでは個別店の意向は通じないようで、本社の方針が優先されているのでしょう。

 だから、(色合いの変わったコンビニなどない)と思っていたのですが、まちで見かけたのは、随分おとなしい色合いのローソンでした。その名も「ナチュラルローソン」→ http://www.natural-lawson.co.jp/

 (これは一体なんだろう?)と思ってホームページで検索してみると、今までのローソンとは異なるコンセプトをもったコンビニとして展開をしつつあるお店のようです。

 そこに書かれているコンセプトとは、

 ①安心安全の考え方
 ②ヘルシーで低カロリーなお惣菜&お弁当
 ③安心できる品質のラインナップ
 ④環境に配慮した”癒し”のライフスタイルグッズ
 ⑤肌に優しく安心安全な化粧品&スキンケア用品
 ⑥ナチュラルな店作り

 とされていて、ホームページにはそれぞれにさらに詳しい説明が乗っています。こちらでは、ロハスやヘルシー、高品質、安心・安全などといったワンランク上の品質をお届けするというコンセプトに満ちているようです。

 これを見て、「なるほど、いままではヘルシーじゃなくて高カロリーな総菜やお弁当だったのね」という野暮を言うのはよしましょう。要は少し高い対価を払っても高い品質のものを手にしたい、という客層に対して訴求している挑戦だとも言えるでしょう。

 既存の店舗の商品陳列の中で差別化した商品を置くという路線ではなく、店構えごと別な店舗展開を行って自社の系列のなかで差別化を図るというのは面白い試みです。

 またこちらは店の色合いやトーンが落ち着いていて、原色の青や赤、緑と言ったけばけばしさがなく、地味で周囲に気を使っているようにも感じられて好感が持てるというものです。

 この店舗形態は現在京都・大阪・横浜・東京を中心に店舗展開を進めているようですが、消費者の支持が得られればさらに拡大してゆきそうです。

 傍若無人さを秘めていながらそれを押さえることで好感をもたれるというのを私は、聖書にある「放蕩息子」になぞらえて「放蕩息子効果」と名付けていますが、面白い取り組みだろうと思います。

 滅多にコンビニには行かないのですが、ここは一度のぞいてみようかなあ。  
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

都市再生の現場(5)~北区と足立区

2007-06-20 23:36:19 | 東京探検
 今日も晴れて暑い一日。バスの車中のお茶が美味しいこと。

 今日の現場は北区と足立区。ここは港区や品川区などのような経済最前線的な活気とはまた違った庶民の活気に満ちています。

 北区でまず見学したのは、東京外語大学の移転跡地に建設中の西ヶ原防災公園。ここでは約4.5haの土地が大学の移転によって空きました。

 そこで北区からの依頼を受けて、当社が土地を取得したあとに、区の要望を聞きながら土地全体の計画を立てて事業を進めているものです。決まった計画では、防災のための避難地となる公園として約2.1ha、福祉施設・特養老人ホームとして0.6ha、民間の住宅事業者に対して住宅のための土地として提供する分として1haなどが決まっています。

 またこの土地の周辺は密集地区で外周道路が大変に細かったので、この土地の周囲を一回り約0.3ha提供して道路拡幅も行われました。こうした種地を開発する際に、周辺の住民や行政と一体となって問題・課題を解決するというのが「まちの再生」の理念ということです。

 その昔を知らない人ができあがった姿を見れば、何の変哲もないただの広い道路のように見えますが、ここに至るために計画を練り、多くの調整を行った縁の下の力持ちがいるのです。

    ※    ※    ※    ※

 続いては東部伊勢崎線の西新井駅西口近くでの大規模な面開発の現場です。ここは日清紡の工場跡地約15haのうち約11.6haの土地を取得しての住宅開発事業です。

 ここでは、我々の事業の外でイトーヨーカドーが約38000㎡のショッピングセンターを建設中で、今年の11月にはこれがオープン予定。ここには10スクリーンからなるシネマコンプレックスも導入されるそうですが、なんと足立区にはこれまでこの手の映画館がなかったのだそうです。

 かつては足立区にないもの三つ、と言われていて、一つ目が大学、二つ目が映画館、三つ目がちゃんとしたホテルだったのだそうです。

 このうち大学は東京芸大がこの地に移転してきたので念願が一つ叶い、今回のシネコンで二つ目の念願も叶いつつあるところ。三つ目のちゃんとしたホテルというのが叶っていないそうですが、東京の特別区でもそんなところがあるとは意外でした。

 北千住駅周辺では、JTの社宅から取得した土地を活かして、駅前広場を作りつつ既存の駅前商店街をできるだけ残すという計画も進められています。都市計画の変更手続きや各種補助事業の投入など、まちづくりの様々な知恵を盛り込みながら、地元にとっても長続きするようなまちづくりが行われなくてはいけません。
 そのあたりが、単なる儲けだけを至上命題とする民間事業者とは違うところですね。

 今日はバスでの移動距離が長く、上記以外にもたくさんの現場をみせてもらいました。港区などとは違った庶民的な活力が伺えましたよ。

 東京は広くて多様ですね。

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする