昨夜はこの春の様々なスタートを祝う仲間たちの集いが開かれました。
かくいう私も一応主賓の一人だったのですが、名目は「祝無事退官」。終わったことを祝うよりも、これから始まる若い人たちの未来を祝う方にこそ意味があるのです。
お祝いを受けた一人が、この春にこれまで勤めた会社を辞めて、「野遊びガイドみちくさ」という名で、野外ガイド業として独立した佐藤みずき君。
彼は大雪山系や日高山系を中心に登山ツアーガイドのサポートとして経験を積んだほか、山だけではなく知床でのシーカヤックツアーガイドとしても活躍、さらに秘境での釣りのガイドなど、幅広いジャンルのガイドサービスができる若手のホープです。
ガイドツアーは、佐藤君自身が日を決めて主催するツアーが中心ですが、まずはそのコースバリエーションに驚かされます。これだけ多数のツアーを企画するということはそれぞれに相当事前踏査を重ねているはずで、まずこれを見てびっくり。
ほぼ毎週のようにツアーが企画されていますが、空いている日を希望してのスペシャルツアーももちろん可能。
佐藤君に行きたいところ、やりたいことを相談して野山を遊びつくし、北海道の魅力を存分に味わって欲しいもの。もちろん私もいよいよ野遊びに本格参入です。
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ガイドツアーの良いところは、事故や危険の防止はもちろんですが、知らないことに気をつかせてくれることや、それを通じて自分自身の成長が促進されるところにあるでしょう。
自分一人だけの孤独な旅では十回経験しないと気がつかないことに、一度で気づかせてもらえます。
もちろん一度聞いただけで全てを理解するということにはならないにせよ、ものを見る視点に多くのヒントが得られることでしょう。
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『枕草子』、『方丈記』と並んで日本三大随筆と称される吉田兼好の「徒然草」ですが、その第五十二段が『仁和寺にある法師』です。
お話は、仁和寺の法師が老境に至りながら一念発起して京都の岩清水を参拝しにいきます。そこで極楽寺や高良をみて満足し、これで終わりと思って帰ってきます。
同僚の法師達に参拝の感想を話し、岩清水では参拝した人たちが山の上へと向かっていったが、私は参拝に来たので(物見遊山ではないので本当は本殿がある)山へは登らなかったたと言ったのだと。
その物語を兼好法師は「少しのことにも、先達はあらまほしき事なり」とまとめます。
どんな小さなことでも、指導してくれる先達は欲しいものですね。私も秘境の釣りに連れて行ってもらおうと思います。
【野遊びガイド みちくさ】
http://mizukisato.wix.com/michikusaguide#!ssfplan/cx3a