稚内の関係者らとお会いする機会がありました。
コロナ蔓延の下、地域の観光はまだまだ大変な状況が続いているようです。
コロナが収まる兆しを見せない6月頃に、知人の一人が利尻島でいかにも遠くから来た観光客と思しき夫婦を見かけたのだそう。
ちょっと不思議だったので、「観光ですか?どうしてこんな時期にこちらに来られたのですか?」と訊いてみると、その夫婦は「毎年この時期は海外旅行をしているんです。ところが今年は海外へは行けそうもありません。そこで国内でも今まで行ったことがないところへ行こう、と決めてこちらに来てみました」とのこと。
最北の地稚内、そしてさらに秘境の趣がある利尻・礼文。
普通の時なら、行きやすい海外よりもずっと生きにくい国内の辺境の土地柄は、『日本の中の外国』と呼んでよいのではないか、とその方は言っていました。
外国が飛び交う"日本の中の外国"ではなく、簡単には行けないというだけで魅力の一つになっているようです。
国内にもまだまだ活路はあるということではないでしょうか。
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そして島の話題でもう一つ。
実は7月下旬の連休の時に、意外なほどたくさんの観光客が利尻・礼文を訪れたのだそう。
普通なら島の中をバスで輸送するところですが、バス会社が需要を読み誤って、島内にバスがほとんどない状態になってしまったのだそう。
島についてみたけれど、レンタカーやレンタルバイクの数は限られていて、動く足がありません。観光難民と呼べるでしょうか。
観光上の問題は、『どこへ行くか』ではなく『どうやって行くか』
そんなときに、利尻富士町が持っているレンタサイクル100台を貸し出して観光客に使ってもらい、それがとても喜ばれたとのこと。
利尻島一周の53㎞は自転車道が整備されていて、回りやすいですし走り切った時の達成感は格別。
瞬間風速的な観光需要の増に応えるには自転車の用意がよろしいようで。
自分の土地柄が持つ魅力に気づきましょう。