今日は日本都市計画学会北海道支部の総会がありました。
この手の団体は年に一度、前年度の事業や予算運営、そして次年度の事業計画と予算計画を会員の総意を得て承認する必要があってその手続きの会合です。
会議の進行は意義もなく淡々と終了しましたが、意見交換のところで「会員の数をもっと増やしてもっとまちづくり情報の輪を広げたいですね」という意見がありました。
昔は地方自治体の職員の中に熱心な方がいたり、自治体そのものが会員登録をしていて職員を派遣するというようなこともあったのですが、最近は財政逼迫を理由にそうした機運がほぼなくなってしまいました。
研究者は様々な情報を集めて研究をして、それらは行政や民間活動の実践の現場で行かされてこそ住民のより良い暮らしが実現する役割分担がありますが、そういう情報が雑誌や論文だけではなく、人の繋がりで得られるという機会を少なくしているのはもったいないなあ、と思います。
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そんな総会でしたが、毎年『せっかく大勢が集まるのだから』ということで東京あたりの大学の先生をお招きして最前線の話題を講演していただくことが多くありました。
最近はコロナのためにリモートで参加する会員もいれば、講演そのものも東京からリモートということが増え、そして懇親会もなし、ということで寂しい年が続いていました。
しかし今年はコロナの間隙を縫って、東京から東京都市大学(旧武蔵工業大学)から坂井文先生をお招きして「都市アセット」というテーマで都市の再開発エネルギーを生かした地域マネジメントについて直接お話を伺えました。
特にロンドンやニューヨークなどの事例は興味深かったのですが、どちらもそういう事業が発生したときのために、「そのときはこうしたいのでこれをやってもらおう」という事前のプランを持っていることが印象的でした。
札幌も50年前の冬季オリンピックの時に建てたビルの多くがリニューアルの時期に来ていて、各所で五月雨的にビルが建て替わっていますが、その機会を捕まえてより良い空間づくりにつなげようという構想や事前のプランがあるようには見えません。
品格ある都市の風景って、哲学を共有していないとなかなかできないのです。
飛び跳ねる部分と我慢して抑制する部分のバランスをどうとるか。
札幌ももう一度オリンピックをやりたいと思うなら、改めて世界都市にふさわしい都市とは何か、どんな風景や場が良いのかを哲学として持っていてほしいものです。
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その後は本当に久しぶりの懇親会が催されて、コロナ明けを待ち望んでいた会員が大勢参加して大いに盛り上がりました。
これこそ人が集うことの最大の楽しみですよね。
あ~、本当に大勢の人たちとお酒を飲みながら話をしたのって久しぶりのような気がする。
早くコロナが完全に収まって落ち着いてほしいものです。
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