毎朝出勤すると、職場で取っている日経新聞を読みます。
月曜日の出勤では、土曜日と日曜日の分も読むことにしています。
日経の場合は"社会が安定するためには経済がちゃんと回らなくてはいけない"という価値観が貫かれていて、"そういう新聞だから"と割り切って読むと、経済至上主義から見た現代社会の論点が見えてきます。
また書評や広告でも豊富な情報量があったり、大学やシンクタンクに在籍する学者先生たちによるレベルの高い論説などが掲載されている点が、一般地方紙では手に入らない情報なので興味深く読めます。
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最近は東証の株価がバブル期を超えて4万円台に乗ったり、賃金の上昇率が近来まれに見る高水準となるなど、日本経済復活の兆しに浮き立っているところがあって、全体に明るい雰囲気に満ちているように感じます。
一方、経済上昇機運の経済に足かせとなる"冷やし玉"には厳しい目も注がれます。
生産性の上がらないままなかなか死なずに存在しているゾンビ企業や、負担増に繋がる高齢社会・年金改革、また需要低下につながる人口減少や少子化などには、「もっと厳しい対策を打たなくてはならない」という叱咤的な論調です。
経済を活性化させる活動や取り組みは応援し、経済の足を引っ張る"敵"には厳しい、ということで、世の中は「一に経済、二に経済、三、四も経済、五に経済」という経済教の布教紙と割り切ることが肝心です。
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さて、経済をそういう目で見ていると、昨今の話題は、「今まさに稼いでいる"現役世代"のための経済」という視点が多いと感じるようになりました。
最近の話題は株高、AI、脱炭素、新型NISAによる資産形成、リスキリング、生産性向上などですが、これらはいずれもこれからの時間資源をどう生きるか、という視点ばかりです。
リスク資産の持ち方などは、これから年月をかけられる人向けの行動ですし、あまりに新しい技術は高齢者には理解不能、リスキリングや生産性向上に至ってはもう労働市場から退場している者には関係のない話のように思えます。
一定の資産のある高齢者には、NISAやリスク資産を活かす方法よりも、「お金は若いうちに使え、お金を使い切って死を迎えよう、お金の価値は加齢とともに減少するのだからお金を貯め込むのではなく有効に使おう」と語りかける書籍"DIE with ZERO"のような生き方を求めることもありますよね。
まあ、「経済と道徳は大八車の両輪、片方しかなければ前に進まず同じところをぐるぐる回るだけ」という報徳思想をかみしめながら情報に接しましょう。
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