体質としてあまり胃腸が強くない私。健康になる秘訣を教えてくれる本にはつい手が出てしまいます。
特にこの春に盲腸で入院してからは特に腸の健康が気になっていました。
今回読んだのは、四万人の腸を診たといって腸に関する著書の多い松生恒夫(まついけ・つねお)先生による『腸に悪い14の習慣』(PHP新書)という本です。
腸のご専門の医師から見ると、世の中で流行っている健康法、特に食に関するものの中には医学的に見て間違っているものが多く、腸に良いどころか悪い方に作用しているものが多く注意が必要だ、と言います。
腸が大事だというのは、全身のリンパ球の60%は腸に存在し、『腸は体の中で一番大きな免疫系』と言われているからにほかなりません。それに歳と共に腸の機能は低下するので、腸に悪い習慣はできるだけ改めて健康な生活を取り戻してほしい、とも。
腸に良いライフスタイルを一度ちゃんと勉強してみることが良さそうです。腸に関する知識や実践すべき生活スタイルを学びましょう。
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著者の松生先生は、「日本人はこの五十年間で『腸に悪い習慣』を身に着けてしまった」と言います。それは疫学的な調査からの統計として見えることなのですが、「食べ方」と「暮らし方」という切り口で説明されています。
「食べ方」で言うと、何と言っても食の欧米化が大きな要因を示しており、「暮らし方」で言うと運動不足とストレスが大きな要因だと言います。
本のタイトルにもなった『腸に悪い』のでやめるべき習慣として著者は、①一日一食生活、②グリーンスムージーの朝食、③糖質オフダイエット、④赤味肉好み、⑤マクロビオテックスやベジタリアン、⑥水分不足、⑦味噌汁や漬物嫌い(=もっと味噌汁や漬物をとりなさいということ)、⑧野菜をサラダで採る習慣、⑨毎食玄米ご飯、⑩下剤や健康茶の長期摂取、を挙げます。
ダイエットなどを目的とした極端に偏った食生活はやはり腸を正常な状態から遠ざけているようで、逆に著者おすすめなのは1950年代以前の、昔の日本人の食生活。つまりは少し麦入りのご飯に味噌汁に魚に漬物なんだと。
この食にはなんといっても『植物性乳酸菌』が多く、これが昔の日本人の健康に効いていたというのです。
腸に悪い代表的な事例は便秘ですが、昔の日本人は味噌や野菜に含まれている植物性乳酸菌によって腸を守っていたのが、生活が様式になったことでこれらが食卓において減少していったことで便秘が増加し腸には悪い時代になったのではないか、とされています。
私も健康のために好んで食べるヨーグルトですが、これは『動物性乳酸菌』で、重度の便秘にはほとんど効かないし、これを食べるだけで腸内環境がすぐ改善されるなどとは思わない方が良さそうです。
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逆に『腸に良い習慣』も記されています。
それらは①マグネシウム(ひじきなどの海藻に多い)というミネラルを取ること、②グルタミン(→うま味のグルタミン酸とは別物)を取ること、③植物性乳酸菌を多くとること、④オリゴ糖を取ること、⑤ショウガやシナモン、カレー、オリーブオイルなどで腸を冷やさない生活をする、⑥ビタミンCを取ること、の六つ。
私などはすぐに下痢をしてしまうのですが、これにはストレスやお酒の摂取過多が強く関係しているとのこと。
最近は「脳腸相関」という言葉が登場して、腸の状態が脳に影響を与え、また逆に脳が感じるストレスなどが腸にも伝わるということが言われるようになっています。
つまり腸の健康に良い生活とは、お酒を控えめにして脂肪は取りすぎず植物性の乳酸菌を取り入れるように心がけ、ストレスを上手に発散し、偏ったダイエットなどの食生活は避ける、というようなこと。
もう少し飲み会が少なければよいのですが、こればかりは仕事の延長でなので仕方のないところ。
改めて普段食べている納豆と味噌汁のありがたみに感謝しつつ、単身赴任での料理のバラエティに注意しようと思いました。皆さんも健康な腸で健康な生活をお送りくださいね。
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