北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

啄木愛菓 ~ 啄木ゆかりのお菓子提案

2013-03-22 23:45:31 | Weblog

 釧路菓子商組合さんによる新作お菓子の試食会が開かれました。

 今回の新作は、啄木にちなんだお菓子を菓子商組合の組合員10店が参加して作ってくれたものですが、実はこれは昨年12月に、私と観光協会から菓子商組合さんにご相談をしていたもの。

 昨年盛岡市で開催された「啄木没後百年イベント」のなかで、「啄木ゆかりの地サミット」が行われたのですが、その際に宮澤賢治と石川啄木を紹介する『もりおか啄木・賢治青春館』を訪ねましたが、そこでお土産やグッズが充実していたのをうらやましく思いました。

 そのうえ今年の9月には釧路で国際啄木学会が開催されることになりました。

 そこで、菓子商組合さん上田組合長さんや中島事務局長さんたちとお会いして、「啄木ゆかりのお菓子やお土産になるようなものがないのは残念です。何か創っていただけないものでしょうか」とお願いをしてみたのです。

 こちらの思いとしては、どこかのお店が一店でも賛同して創ってくれれば良いと思っていたのですが、「それならば菓子商組合に話をして参加を募ります」と話が大きくなってきました。

 そうした取り組みの結果、今日ようやく試食ができるまでにこぎつけて、関係者にお披露目されることになったものです。

 
   ◆   ◆   ◆


 話を受けた各店の皆さんは、啄木の歌を渡されたり写真を見せられても、いかに啄木のイメージをお菓子に取り入れるかにかなり苦労されたようでした。

 出品された作品はそれぞれつくられたお店から紹介がありました。

 
 ノエルさんからは、「ローズリップ(バラの唇)」という今回唯一の生洋菓子が出品されましたが、これは啄木の、「一輪の 赤き薔薇(しょうび)の 花を見て 火の息すなる 唇をこそ思へ」の句からのイメージをお菓子にした、といいます。
 とても丁寧な作りで、味は酸味のあるフランボワーズとチョコの組み合わせ。御店主は、「薔薇、火と唇から赤を連想し、啄木の釧路でのドロドロした私生活を表現してみたかった」と言いますが、とても美味しいケーキに仕上がっていました。すばらしい!


 【ローズリップ、酸味とチョコのコラボ】


 甘秀堂さんからは「浜千鳥」というお菓子。これは阿寒のかぼちゃをつかって、「しらしらと氷かがやき千鳥鳴く 釧路の海の冬の月かな」からのイメージだとのこと。

 フランダースさんからは「霧のしずく」が出品され、「啄木が去った後の霧をイメージした」そうです。


 【霧のしずくと浜千鳥】


    ◆   


 パルシェさんは参加者の中で唯一の女性シェフ。ラクアーズに粉砂糖を振った後に本当は落としてしまうところを少し残すことで白のイメージにして、「神のごと 遠く姿をあらわせる 阿寒の山の雪のあけぼの」から、「雪のあけぼの」というお菓子で参加です。


 【雪のあけぼのと冬の月】


 菓子商組合組合長の上田さんのコルネからは、どちらかというと若い人をターゲットにして、白のイメージからホワイトチョコを使って、香ばしさとしてお米のドンを入れた菓子を提案。
 どちらかというとネーミングの面白さで、「たくぼっくり」というお菓子を出してくれました。若い人には受けそうな味でした。


 【たくぼっくりは香ばしいさっくりチョコ】


 中島菓子舗さんからは、「しゃも寅」と「パイ饅頭」の二品を出していただきました。
 「しゃも寅」は言わずと知れた、啄木が足げく通った料亭で、ちょっと前まで水汲みの井戸があったことで知られていもの。
 このお菓子は以前にも出していたものを長期に休んでいたのですがこの度復活です。


 【しゃも寅復活】

 またパイ饅頭はメイプル練乳に小豆の皮を取ったさっぱり餡で和洋折衷のお菓子。風呂敷もイメージしたそうです。

 
 豆の木さんからは、「冬の月」と「大阿寒」の二品のご提供。上述の啄木の句からのイメージですが、「大阿寒」は雄阿寒岳の姿かたちに、えんどう豆でマリモをイメージしたそうです。


 クランツさんからは名前は未定ですが、シュークリームの皮を棒状にして焼き上げ、砂糖をからめたお菓子が出されました。お茶とコーヒーがあれば何個でもパクパク食べられそうです。


 松屋さんからは、「啄木物語」と命名予定のお菓子が出されました。これは「啄木の当時生きていた人たちは何を食べていたのか」という想像から、サツマイモを使ったお菓子にしてみたとのこと。
 

   ◆   ◆   ◆


 そのほか、今日は欠席だったもののあと2店から出品の予定があるとのことで、これらのお菓子を釧路菓子商組合として、「啄木愛菓」というネーミングの取り組みにするとのことでした。

 各お菓子の販売は4月1日から各店で始まり、その後も随時新しい参加店を増やして行きたいとのことで、こうした動きが話題になって、内外からのお客様のお土産や日常の消費につながると良いですね。

 まさに物語と商売の域内循環です。

 
 孔子は論語の中で、「近者悦べば遠者来る」と言いました。近くの人たちが楽しそうにしていると、遠くからの人が物珍しそうにやってくるということです。

 これこそ客寄せの真理と言えるでしょう。

 「啄木愛菓」の取り組みを釧路市民も大いに面白がりましょう。


 【試食会は大盛況】
 

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釧路の福祉の情報発信

2013-03-21 23:45:05 | Weblog

 かねがね、「自分たちの価値を情報発信することが大切だ」と言い続けていた私。

 いよいよ釧路を離れることになったという報道に接して、私のブログを読んでいた、生活保護を担当する若手職員が、「自分たちも情報発信をした」と言ってきたので話を聞くことにしました。

 部屋にやってきたのは採用数年の若手の職員で、釧路の生活保護の取り組みを分かりやすく紹介するレポートを作成したと言います。

 レポートのタイトルは、「くしろの自立支援プログラムのススメ」というもの。

 釧路では平成16~17年度にかけて生活保護受給中の母子世帯を対象とした、厚労省の補助事業による自立支援モデル事業を実施しましたが、それを皮切りに、次々と様々な形の自立支援プログラムを実施してきました。

 これまでもこうした先駆的な取り組みを全国に情報発信してきたこともあって、生活保護における"釧路モデル"と呼ばれるほど、関係者の注目を受けてきたのです。


   ◆   ◆   ◆


 最近世間では、生活保護水準の引き下げ議論がかまびすしくなっていますが、保護受給者には保護受給前から自立に至るまで様々な要因が複雑に絡み合っています。

 決して単純に扶助費を渡してそれまで、ということはなく、自立に向けた多面的な取り組みが必要という事が分かってきて、それも新しい発見になりました。

 こうしたことなど、釧路が持っている生活保護に関する情報を取りまとめたものとして、この報告書は出来上がっています。

 中心になって取りまとめたのは若手職員のチームで、初めは「そんなことをして何になる?」という雰囲気だったのが、上司や周辺の理解もあってなんとか発刊にこぎつけたそう。

 釧路は生活保護率が高く、社会問題になっていますが、そうした課題先進都市は多くのケースを抱えていて、そのことが逆に課題解決への多くのアプローチに繋がるとも言えます。

 問題は内に貯めたノウハウを外に出す実践がなかなかできないということで、それを乗り越えた一冊は立派なものです。

 残念なことは、紙での印刷でしかなくてネットへのアップはまだ行われていないこと。

 まだいろいろなハードルがありそうで、それらを一つ一つクリアしながら、こうした情報発信をこれからも続けてください。

 
   ◆   ◆   ◆


 印刷中の本の中に、「情報発信のための『意志と能力』」という一節を掲げてあります。

 これなども若手にはぜひ読んでほしいものです。

 これもまた、遅すぎず速すぎず会えた出会いかもしれません。


 
 

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おもてなし倶楽部の送別会~転勤族の二つの生き方

2013-03-20 23:45:46 | Weblog

 釧路には「釧路港おもてなし倶楽部」という団体があります。

 この団体、事務局は釧路市の水産港湾空港部にありますが、釧路港に入港するクルーズ客船の乗船客やクルーを暖かく歓迎し、市民との交流を促進するために、入港情報やイベント情報等を広く市民に発信しています。

 その活動は市職員だけではなく、開発局の港湾事務所や一般のボランティア市民などの協力の下で、出迎えやボランティアガイドなどを行っているのです。 

 今日は、そんな活動にずっと協力してくれた国の港湾建設事務所長のHさんがやはり人事異動で釧路を離れるというので、「おもてなし倶楽部」として私とH所長の二人を囲んでの送別会を催してくれたのです。

 H君はまだ40代前半ですが、市民中心のおもてなし倶楽部にもしょっちゅう顔を出し、得意の英語で外国人クルーズ客のガイドをしたりと大活躍。

 人懐こくて、港以外のイベントにも随分顔を出して、地元の人気者になっていました。

 実によく地域に融け込んだ立派な活動の成果です。


    ◆   ◆   ◆


 国や道の役人さんたちは、大体2~3年の間赴任してはまた転勤してゆくという生活が当たり前になっています。

 そしてこれは今回の拙著の中でも書いた話題ですが、赴任先での生き方には二通りのものがあります。

 一つは、「どうせ2~3年くらいなものだから、ここはあきらめて目立つことはせずに早く戻れるように祈る」というもので、もう一つは、「どうせ2~3年しかいられないのだから、思い切りあちこちを巡って会える人には全部会って、見識を深め経験を数多くして、人間力を鍛える」という生き方。

 このどちらの生き方を選択するかは、個人の資質に負うところが多いのですが、H所長が後者の生き方を選んできたのは明らかです。

 何よりも、共に同じ活動をしたことでいなくなるのが寂しいとして、送別会を開いてくれるというのがその証。

 普通の転勤族だったらこういうことはあまり聞きません。せいぜい馴染みの飲み屋さんに挨拶して終り、というところではないでしょうか。

 赴任先を去る時に、「寂しいですね」と言ってくれる人がいるということは転勤族にとっての勲章です。

 もちろん地位や立場があれば、それは大いに割り引かれなくてはいけませんが、それでも「魂が触れあえた」思いを共有できる人に、一人でも多く会って話をしてみたいものです。

 
     ◆   ◆   ◆


 そしてこのことは、地元民である人たちにも同じことです。

 転勤という大きな刺激がなくたって、知らない人にできるだけ会って知っている人にするという終りのない生涯学習的生き方を頑張って貫いてほしいものです。

 知っている人が多いという事は、社会のネットワークが強固だという事です。

 それは情報伝達や共感の波を伝えるための見えないインフラになるのですから、この努力を忘れずにいてほしいと思います。

 まちづくりはまずわが身から。

 生き方ひとつで、今生の命の燃やし甲斐が変わりますよ。

 
 H所長、お疲れ様でした。おもてなし倶楽部の皆さん、ありがとうございました。  

 

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副市長退任の報道~どうやら釧路を去るらしい

2013-03-19 23:45:15 | Weblog

 今朝の新聞報道では、「小松副市長が今月退任」だそうです。

 新聞が書くのですから間違いないのでしょう(笑)実は「4月に転勤あるからね」という内々の話も今日聞きました。

 銀行などは癒着を防ぐために、本当に一週間前に突然転勤命令が出ると言いますから、それよりはまだマシですね。

 さてそうなると、釧路生活もあと二週間足らず。やれやれ、やらないといけないことを一気に短時間に押し込めなくてはなりません。

 今後の予定は、22日の金曜日に人事案が議会に提出され、25日の本会議で承認されれば、議会での退任挨拶の機会がいただけそうです。

 各方面から、「寂しくなるね」という声を寄せていただいています。釧路での活動に一定の評価がいただけたのかな、と実に名誉に思います。

 釧路での残りの時間で、挨拶できるところへはできるだけ回りたいと思います。


    ◆    


 本は、本日朝に第五校の原稿を入れました。最終確認という事でこれでやっと本当に印刷に回します。

 多分出来上がってくるのは来週の中頃になると思いますが、釧路市副市長という立場で出版できそうなのでほっとしています。

 最初からこの時期の異動が分かっていたわけではありませんが、もしかしてあったときのための心構えとして年度内の完成を目標にしていたものです。

 事は戦略的に進めておかないといけませんね。


 さて、いよいよ明日からは引っ越しの準備も開始です。

 
 

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遅すぎず、早すぎず~本のタイトル決定

2013-03-18 23:16:52 | Weblog

 今日はある会合の送別会。

 会には今回参加の人がいて、入る人がいれば一方で去る人がいるわけで、これもまた人生なり。

 会では一度しか顔を合せなかった人同士もいるのですが、かの有名な森信三さんはこう言っています。

 「人は一生のうち、出会うべき人に必ず出会える。しかも一瞬遅すぎず、一瞬早すぎず。内に求める心なくんば、ついにその縁は生じざるべし」

 いかがでしょう。一瞬たりとはいえ確かに会えた人はその縁を感じることでしょう。

 また、「この人との出会いが運命だった」ということを感じるのは自分自身の内なる感性です。

 「会いたいと思った人はこの人だったのだ」という、内に求める心がなければ、いくら会えたところで縁を感じることはないでしょう。

 そのためにも人は自分の内なる感性を養っておくべきで、それには多くの優れた先人の物語を読むのが一番。

 人は人の物語によって人格が磨かれるのです。

 
   ◆   ◆   ◆


 【ちょろっと釣り人が顔を出している(笑)】


 本のタイトルが決まりました。

 「釧路のマチのコトがたり」で、サブタイトルに「~北の心の開拓記【釧路編】」としました。

 敢えて「モノ語り」とせずに、人々が日々営む日常の中の出来「ゴト」を語ることで、心に何かを感じてもらいたいという希望を込めたものです。

 表紙もできてきて、全体に緑っぽくて湿原に鶴やエゾシカが遊ぶイラストがかわいらしいものにしてもらいました。

 本当に最後の最後の校正をしています。今日の作業でいよいよ印刷に送り込みます。

 この丘を越えたら頂上が見えるはずです。

 
 

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大人の遠足~白糠町の大人気食事処「やまかん」

2013-03-17 22:18:57 | Weblog

 支社長や支店長など、転勤族で釧路に赴任している様々な企業団体のトップの人たちによる集まりがあります。

 今日はその集まりとして示し合わせて一杯飲もう、ということで、8名が集まって白糠まで出かけてきました。

 いろいろな会合や仕事上の打ち合わせでは顔を合わせることがありますが、じっくりプライベートなことまで含めて馬鹿話をする機会というのは滅多にありません。

「ちょっとした大人の遠足ですね」という言葉に一同笑いつつ、汽車の車内ではすぐに缶ビールを空けてしまう、ガラの悪い大人の遠足です。


  【缶ビールをもって汽車に乗り込み】


    ◆   


  【たちまち白糠駅に到着】


  【「やまかん」が見えた】


  【着いた、着いた】


 さて、お目当ての店は「やまかん」というお食事処ですが、ここは山内水産という水産会社の二階を改装したお店で、広い板座敷で太平洋を眺めながら新鮮な魚介類を楽しめるというので大人気のお店です。

 事前の予約でなければ入れませんが、予約一日限定一組とされ、人数は1名から60名まで対応します、とのこと。

 広さがあるので60名は分かるとして、1名からの予約でも一日一組とするというところが話題になっています。


  【うわ、広い(笑)】

 しかもお酒も持ち込み自由という何でもありの感じが良いですね。

 太平洋の見えるベランダでは、夏は炭焼きもできるようになっていて、海産物を焼く豪快料理も人気の一つなのだそう。これは夏も来たいですね。


  【太平洋を眺めながらも楽しめる】

     ◆   

 広い座敷に8人の大人だけで語り合うというのはなんだかとても贅沢な時間でした。

 もちろん料理は新鮮で食べきれないほど。

 毛ガニもおおきくて身がしっかり入っているし、刺身のウニはなんですか!


  【カニの身がぷりぷり】


  【食材はすべて新鮮でウマー!】

 すっかり写真を撮るのを忘れてしまいましたが、メンメの鍋に牡蠣の天ぷら、最後はイクラご飯で〆ですが、サービスでのマグロのカマ焼きまで出されてはとても食べきれません。

 一度来たいと思っていたのですが、やっと来ることができました。

 釧路市内だけではなく、ちょっと汽車に乗って近くの町を訪ねれば、どこにでも美味しいお店がたくさんあるものです。

 仲の良い同士の大人の遠足。こういう地域の楽しみ方も良いですね。


   【とても贅沢な貸切です】

食事処『やまかん』  http://www.946jp.com/yamakan/syokuji/

 

 

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道東は普段がリゾート~初めての爆釣体験

2013-03-16 23:45:27 | Weblog

 そろそろ川筋の氷も融けはじめたというので、釣り仲間とともに、釧路周辺の川へ出かけました。

 今回は、行く川に詳しい地元の釣り師のNさんがいて、「分かった、先に行って様子を見ておくよ」という、なんとも心強いロコガイド(=現地ガイド)付きの釣りです。

 朝九時半に現地に到着、早速Nさんと落ち合うと、既にポイントを探し当てて、脚立を使った椅子に座ってどっかりと釣りの真っ最中。


 【まあ椅子に座って休みながら釣りましょう】

「今日はここだよ(笑)」ともう完全にポイントを押さえてあります。

 どれどれ、と様子を見ていると、まさに『一投一匹』状態。

 Nさんがフライを投げ入れると、10秒もしないうちにバシャバシャと魚が暴れはじめて釣れたことが分かります。まさに秒殺です!


   ◆   ◆   ◆


「では我々も」と少し周辺のポイントを歩き回ってみましたが、どうも魚がいる気配がありません。

 そのうちNさんが、「僕はもういいからここで順番に釣ろうよ」とポイントを譲ってくれて、そこで我々もキャスト開始。

 ところが思うようにはなかなか釣れません。

(ええ?何が悪いんだろう?)と思うものの、どうにも原因が分かりません。

 そのうち後ろから私の様子を見ていたNさんが、「まずはフライだね。これを使って見てよ」と緑色のフライを一つくれました。

「後はタナだな」

 タナというのは、魚が泳いでいる遊泳層のことですが、要は浮きと針のついている長さのこと。

 釣れる条件の一つは、「魚のいるところに針を入れること」

 浮きのどれくらい下に魚がいるかを知ることで、釣りの成果が全く変わるのは当然です。 

 もらったフライを取り付けて、言われたタナに調整すると…、おお!まず一匹ゲットです。これは幸先が良い!


   ◆   ◆   ◆


 
 ところが川底に引っかけてフライを喪失。

 それからいろいろなフライを試してみながら、次に適したフライを探し当ててさらに挑戦を継続してみましたが、Nさんの順番には10秒で釣り上げる魚が、私の番では釣れません。うーん、なんでだろう…。

 なんども失敗する姿を見て、Nさんの次のアドバイスは、「錘(おもり)だね。投げ入れるポイントは合っているんだけど、魚のいるところに沈みきる前に流れて行ってしまっているのでしょう。早く沈むように錘をつけてみましょう」というもの。

 そういって、フライの近くに錘を一個つけてみると…、ガッ!と一発で魚が食いついてきました。

「すごい!」

 そうしてそこからは、ほぼ投げ入れれば釣れるという初めての爆釣状態。

 一緒に行った師匠のHさんも50匹以上釣ったとか。

 同じく一緒のIさんも、釣れたところで大きさを計ることもなく、釣り針を外してやると「はいはい、ご苦労さん」といって川の中に蹴り返すことの連続。

 私も釣れても大きさを計ることもなく、写真もほとんど撮らずにフライを投げ続け、下手なりに10匹以上の釣果を上げることができました。


 【ほれほれ、早く帰りな】 

 
    ◆   ◆  


 帰りの車の中では、「いや、良い釣りでしたね!」で話が一致。

 何と言っても、ロコガイドのNさんのおかげです。

 H師匠からは、「小松さんも、釣りの形ができていましたよ。釣れた時は、『ここで来る…、ホラ来た』という釣る感覚ができていましたもん」とのありがたい言葉。

 始めてから二年ですが、なんとか形になったようですね。

 
 今書いている本の中にも、「道東は釣りの聖地」という記事が一本ありますが、まさにそれを地で行くような今日の釣り。

 いやあ、楽しかった。遊んでくれた魚たちにも感謝しなくては。

 道東は何気ない一日がリゾートなのです。


 【とはいえ、記念に一枚くらい。立派なアメマスです】

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釧路市議会はTPPに反対

2013-03-15 23:45:58 | Weblog

 議会は本会議が開かれて、先に議決を行う「先議分」についての審議が行われ、原案通り可決されました。

 議事に先立って、釧路市議会として「TPPに反対する」という請願が提出され、全会一致で採択。釧路市議会としてTPP交渉への参加について反対の意思が示されました。

 夕方には安倍総理から、日本としてTPP交渉に参加するという意思が表明されて、経済からは歓迎の声が多いとのこと。

 農林水産業は、高い関税で守られているところがあるので、これが撤廃されて安い海外の米や麦などが入ってきたら売れ行きはどうなるのか心配です。

「ちょっとくらい値段の差がついても、米は日本の米を買うでしょ。残留農薬がわからない海外のお米なんて食べる気がしないよ」という声もありますが、問題は外食産業の方。

 家庭で食べる分はスーパーで国内産にこだわって買う人も、一たび外食となると、どこの国からの材料でできた料理かを気にする人はあまりいないでしょう。

 そもそも気にしていたら外食なんてできません。

     ◆   

 また惣菜などの中食も、原産国が気になるところ。

 どうせならちゃんと中身まで書いてほしいところですが、あまりにそこを複雑にすると、規制緩和の流れにも逆行しそうです。

 どこの国の物か分からない外食を不安に思う人が増えるかどうかが、日本の農業の存亡を決めるかもしれません。

 食育って、安全・安心な材料を自分が作るというだけではなく、国際貿易からくる外国食材と外食をどう考え、も一緒に取り上げなくてはいけない時代が近づいているようです。

 
   ◆   ◆   ◆

 

 本の印刷のお願いをしている藤プリントさんが頑張ってくれて、第四校があがってきました。

 いよいよゴミ拾いのような、ほぼ最後のチェックに入ります。

 この週末が残された余裕の時間ですが、久々の休みなので、明日はどうしても釣りに行こうと思います。

 すこし西方面に向かって、川の様子を見てきます。

 魚たちは目覚めているのかな。

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前後際断~今この時を精一杯生きる

2013-03-14 23:30:32 | Weblog

 心を養う月刊誌「致知」の読者たちが学習を深める木鶏会に集いました。

 3月号のテーマは「生き方」というもの。数多くの高貴な生き方の物語が紹介されています。

 まずは佐藤一斎の言志録の一節が紹介されています。

 「人は真剣に考える必要がある。それは、『天はなぜ自分をこの世に生み出し、何の用をさせようとするのか。自分はすでに天の生じたものであるから、必ず天から命じられた役目がある。その役目をつつしんで果たさなければ、必ず天罰を受けるだろう』と」

 このように考えると、うかうかと生きるべきではないということが分かるだろう、というのです。


   ◆   ◆   ◆


 記事の中では、この天役を知るには三つの資質が浮かび上がります。

 一つ目は、「与えられた環境の中で不平不満を言わず、最善の努力をしている、という事」

 戦争で身体の右足を失って苦悩する人が、安岡正篤さんの言葉の、「いかに忘れるか、何を忘れるかの修養は非常に好ましいものだ」に触れて、過去を悲しむことの空しさに気付き、翻然として未来い向かって人生を切り拓く決意をしたのでした。

      ◆    

、二つ目は、「『他責』の人ではなく、『自責』の人であること。

 幸田露伴が『努力論』のなかで、「大きな成功を遂げた人は失敗を自分のせいにし、失敗者は失敗を人や運命のせいにする。その態度の差は人生の大きな差となって表れてくる」と言っているのだそう。

 古今東西不変の法則です。

      ◆   

 そして三つ目は、燃える情熱を持っていること。

 明治の実業人浅野総一郎はこう言ったといいます。

「大抵の人は正月になると、また一つ年を取ってしまったと恐がるが、自分は年など忘れている。世の中は一生勉強していく教場であって、毎年毎年一階ずつ進んでゆくものだ。年を取るのは勉強の功を積むことに外ならない。毎日毎日が真剣勝負の心構えでいる人にして初めて、毎日のように新しいことを教えてもらえるものだ」

 
 どうでしょう、この三つの資質を持ち続けることで、充実した人生を歩もうではありませんか。


   ◆   ◆   ◆


 こうした読み合わせを終えた後に、参加者同士での意見交換が行われました。

 フィリピンのルバング島で終戦後30年にわたってジャングルに潜み続けた小野田寛郎さんも、「ジャングルでの生活を続けるためには、過去を忘れることだ」と言ったといいます。過去にとらわれることは人間を弱くする、とも。

 我々は過去に生きるわけにはいかないのと同時に、未来にも生きられません。

 はやりの言葉でいえば、「今でしょ!」であり、英語で言えば、"now & here(いまここで)"です。

 道元禅師は「前後際断」と言い、その意味は「前際(過去)・後際(未来)が断ち切れていること」、つまり過去と決別し、未来を恐れないということです。

 この思考は一つの能力で、逃げ場のない空間に居続けなくてはいけない宇宙飛行士にとっては必須の能力で、メンタルテストでは欠かせないのだそう。


 過去にとらわれず未来を恐れず、今この瞬間を精一杯生きる。

 そうありたいものですね。 

 

 

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第三校でも修正は続く~果たして本当にできるのか?

2013-03-13 23:45:49 | Weblog

 歯のインプラント手術が進んで、今日は仮歯を入れました。

 ずっと左の下の奥歯がなかったので、口の中が狭くなったような気分です。

 奥歯のインプラントの場合、本歯が入っても最初の内は堅いものは噛まないようにと言われています。

 まだ土台が本当にしっかりと固定されるのには1年は見た方が良いというのことで、最初は柔らかいものから始めなさい、ということです。

 また日頃の手入れは欠かせないとのことで、電動歯ブラシは手放せません。

 歯を抜いた時には思った以上の喪失感がありましたが、4ヶ月経って再びの充実感を味わっています。

 皆さんも歯は大切にしてください。

 

   ◆   ◆   ◆

 

 さて、制作中の本ですが、やっぱりまだ第二校正ではとても印刷に回せませんでした。

 今日第三校があがってきたのでチェックしましたが、二校で治っていない箇所の再指示はもちろんのこと、改めて読み返すと、読点「、」の打ち方一つでも気に入らない箇所があって、なかなか文章が完成しないものです。

 さらに、改めて「は」と「が」の違いに悩んだり、「なのだった」と書くか「だった」とするかなど、細かい表現ですが、こういうところが気になり始めると、何度見返しても不満が残ります。

 写真のキャプションにまで誤字脱字の罠が転がっていて油断できません。胸突き八丁を超えたかと思いきや、まだこの急坂が続きます。

 そもそも自分の文章なんて、何度も読んでいると自己嫌悪に陥りますしね。

 
 さて、とにかく気力を振り絞るしかありません。まさに気合の勝負。

 約10万字の文字数との戦いはまだ続きます。

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