年末から正月にかけてちょっとしたチャレンジをしていたのですが、一つの結果が出ました。
挑戦していたのは大型特殊自動車運転免許だったのですが、今日検定に合格しました。
この先に公安委員会の運転免許試験場へ行って免許証の書き換えと交付を受けないといけないのですが、とりあえず自動車学校での検定に合格して交付のための書類をいただいてきました。
普通自動車運転免許を持っている者であれば、6時間の教習を受ける必要があって一日では2時間まで。
今の季節は特に大特の免許希望者が多く、年末に自動車学校に入校したあとでなかなか時間がとれなくて、ようやく今日の検定にこぎつけました。
教習で乗ったのはホイールローダーという機械で、北海道ではよく除雪や雪の積み込みに使われる一般的な機械です。
運転席には見慣れないレバーが沢山あってまずどぎまぎするのと、運転で言うと車体の真ん中で左右に動く「中折れ」タイプの車です。
ハンドルを切ると前輪の通りに後輪がトレースするので内輪差がなく小回りが利きますが、それが普通の自動車の運転との大きな違いです。
発信の前にショベルを油圧で持ち上げてバケットの向きを変えるなどの操作が必要なのですが、普段そんなことはしたことがないので戸惑いました。
運転そのものは車線変更や安全確認、方向転換、踏切越え、直線での25㎞/h超えなどが求められ、自分で言うのもなんですがまあそつなくこなせたかな、という感じでした。
実際に作業をするためにはこの後に技能講習を受けなくてはいけないのですが、まあ新春早々、今年の初挑戦がクリアできました。
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《なんでまた今さら…》
なぜ今になってまた大特の免許を取る気になったのか、ということにはいくつかに理由があります。
一つにはこれからの人口減少下のまちづくりに立ち向かうための持論として「一人ひとりが多能工でなくてはならない」と主張していたことです。
昨年は介護初任者研修を受けましたが、これは「介護も一人ひとりが介護をする側に回って、『明るい老老介護』を目指しましょう」と言っていながら、自分が介護もできないのでは口先だけになってしまうという気持ちからでした。
それと同じように、地域での除雪の担い手が不足している問題では、やはり「一人ひとりが除雪くらいできるように大型特殊の免許くらいもっているべきだ」と主張したいのですが、そのためにも自分がそれをできるようにしていないと口先だけになってしまいます。
なので、自分がこれからまちづくり論を展開してゆくときに、「あなたにもできますよ」と言う発言の重みを増すためには自分自身が実践をしておかなければならなかった、これが一番の理由です。
二つ目には、かねてより災害ボランティア一つする場合でも、能登地震の大変な状況を見て分かるように、志はあれどスコップ一丁では大した力にはなれないという事です。
以前西日本豪雨で泥に埋まった家の復旧・復興を地域の人たちで行っている報道番組を見ていて、ボランティアに参加していたおじさんが「やっぱり機械がないと進まねえなあ」とポツリと口にした言葉が印象的で、機械を動かせるという能力ってやはり持っていた方が良いと思っていたこと。
そして三つ目に、年末に開発局の機械職の人と話をしていたときに上記のような話になった時にその彼が、「あ、私は大特免許を持ってますよ。技能講習も受けました」と免許を見せてくれたのでした。
そして「そんなに機械を動かした経験があるわけではありませんが、災害場所でリモコンで重機を動かすときにも免許は必要ですからね」と言った彼の言葉が後押しとなりました。
《そして「意思と能力》
以前から私自身「意思と能力」という話をしていて、意思はいつ発動するかわからないけれど、能力は備えるのに時間がかかると理解していました。
今回は能登地方で災害が予期せず起きたのですが、それに向かうためには被災者支援のための資材や復旧・復興のための資材・能力が必要とされています。
災害や戦争はいつ起きるかわからないけれど、能力はそのために地道に平時において備えておかなくてはなりません。
この先災害が発生して自分もそれに加わるようなことがあるとしたならばそのための能力を備えるのは「明日以降のいつか」ではなく「今」しかない、と思い立ってしまいました。
そんなわけで年末の休みに入った瞬間に自動車学校に駆け込んで申し込みをして年末年始の間に教習を受け、ようやく今日にいたりました。
我ながらこの歳になって免許取得と言うのはちょっと恥ずかしかったのですが、教官に「こんな歳で取得しようとする人なんているのでしょうか」と訊いてみたところ、「います、います。最高で84歳で取りに来た方もいましたからね」とのこと。
こんな運転免許など、若いうちに一度取っておけば一生使える技能になるわけですから、ぜひ多能工になることを目指してほしいものです。
これで私もボランティアとしてできる技能が一つ向上しました。
「年に一つは新しい挑戦」シリーズはまだ続きます。