北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

デイサービス施設との契約手続き ~ 何枚書類を書くの?

2024-10-08 22:09:54 | 介護の世界

 

 高齢の両親に在宅での暮らしを維持するために、日常にやれなくなったことをサポートしてもらうためのデイサービス利用を進めてから一か月。

 この間家事を一手に担っている母は、「お父さんがシャワーの使い方が分からなくなっているのでお風呂で頭と背中を洗っている」という入浴サポートの苦労を述べ、自分自身は「筋力をもう少しつけたいんだけど」と、自身の体力の維持に不安がありました。

 そこで両親の住む自治体の包括支援センターで両親の担当をしてくれているケアマネさんに相談したところ、要介護1の父には『入浴ができるデイサービス』の施設利用を勧め、また要支援1の母には『リハビリ特化型のデイサービス』利用を勧めてくれました。

 それぞれ体験利用をさせてもらって、父は最初に行った施設が気に入ってそこに、また母も一度利用してみたところが楽しかったとのことで、それぞれ利用する施設を決めました。

 そこで先日、ケアマネさんとそれぞれの施設の担当者が両親を訪れてくれて、私も立ち会った中で施設利用の契約を結ぶこととなりました。

 
 まずはケアマネさんの前で、施設の担当者が両親それぞれのお試し利用の際の状況を報告。

 父については、「お父様は施設についた後も杖がなくてもすたすた歩かれて、入浴の浴槽をまたぐのも問題なし。ちょっと『財布がない』と動揺されてお母様に電話しましたが、『持たせていない』とのことで本人納得でした。
 歌のレクリエーションに参加されて、歌うのが好きそうでしたがカラオケの順番が来ても『何を歌いたいかわからなくなった』とのことで、ちょっと残念そうでした」と報告がありました。

 すると母が、「地区のカラオケでは歌いたい曲のカードを持っていくんですよ。今度はそれを持っていくと良いと思います」と、普段庁内のカラオケ会に参加するときのカードを見せてくれました。

「これなら次回からは歌いたい曲が歌えますよ」と施設の担当者も安心した様子。

 こういう情報を共有しておくことでより満足度の高いサービスが受けられるというものです。


      ◆


 母については、「お母様の方は体操のプログラムを難なくこなして、『そろそろちょっとお疲れならやすみましょう』と言ったのですが、『いやそれもやりたい』とのことで、タオル体操などもこなして9時25分から11時15分まで訓練メニューに汗を流されました。
 最後の方でバイクに乗るメニューがあって、初めてで疲れたろうと通常は10分のメニューですが、お母様には5分のメニューでやっていただきました」と報告。

 すると母は、「あのバイクですけど、次からは10分やらせてください。ちょっと物足りなかったので」と意欲が増しています。

 施設を利用して回りの友達からは「筋肉痛になるんだよ」と言われて、確かに「二日後に痛みが来て湿布を貼りました(笑)」とのこと。

 そうした施設利用状況の情報を全員で共有したうえで、こちらの施設にお世話になるという契約書を交わします。

 ところがこれがまあ書類の量が半端ではありません。

 契約書に加えて利用料の引き落としの銀行口座も登録するので、住所と名前を書き込むのが全部で7~8か所の欄になり、印鑑が必要なところは押印をします。

 挙句にものによっては「ご家族欄には息子さんにお願いできますか」と私も何か所も住所と名前を書き込みます

「こんなに住所と名前を書き込まないといけないのですか」 
「ええ、そうなんです。一か所の書き込めば全部用が足りるようにしてくれるとありがたいんですが、今の制度はそうなっていないので…」

 担当者も申し訳なさそうにしていて、まだ母の様に頭もしっかりしていれば良いですが、独居で高齢の方となるとこれを説明して納得してもらって住所と名前を書き込み、契約書と銀行契約を印鑑付きでやるとなるとかなりの苦労とお見受けしました。

 全部でまるまる2時間はかかった契約手続き。

 いつかはやらなくてはいけない手続きなのでとにかく勢いでやってしまえて良かったです。

 施設やケアマネさんによる見守りは、人生の最終盤を迎えるためには必要な関わりになってくることでしょう。


       ◆


 多少のお金はかかったとしても、お金の問題ではなくこうしたサービス利用に踏み出してもらうことがとても大切です。

 もしも「自分はまだ大丈夫だから施設なんか一切利用していない」と豪語されているご両親だとしたら逆にいざというときに危ないと思うべきなのかもしれません。

 歳相応の振舞いとはなにかを考えるきっかけになりました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

孫に釣りを教えるのは爺さんの役目

2024-10-07 22:30:30 | Weblog

 

 この週末に知り合いの米農家さんが「今年も無事収穫完了で収穫祭をやるから来ないか」という誘いがありました。

「家の近くでヤマベも釣れるぞ、入れ食いだ」というので、孫に釣りをやらせたくて婿さんと孫たちを誘って参加してきました。

 収穫祭と言っても、大きな倉庫を開放して、餅つきはあるわ、料理が得意な人がホテル並みのオードブルを持ってくるわ、鹿撃ちがシカ肉料理を持ってくるわ、挙句には近在のホテルの和食料理長なる方がシカ肉で寿司を握ってくれるという豪華料理の山。

 また友達の多い農家さんなので、我々のような札幌はもちろん、遠方から車中泊でやってくる人数が多くて大賑わいの一日でした。

 もちろんお酒も飲み放題でしたが、運転手の私はぐっとこらえて忍耐。

 まあ下手に飲んでいたらどこまで飲まされたことやら(笑)。


    ◆


 で、孫たちのヤマベ釣り。

 もともと餌釣りの経験などないので、釣り道具はイカ釣りの竿とリールとラインを持参して、そこにヤマベ釣り用の針と浮きと錘をつけた即興のヤマベ釣りシステムです。

 餌は一応瓶詰のイクラを持参して孫二人にやらせてみたのですが、下の孫がウグイを一匹釣っただけで全くヤマベは釣れません。

 前日は雨で少し川も濁っていたこともあって「魚なんているのかねえ」と下手さを棚に上げて魚がいるかどうかを疑問に思うようになっていました。

 子供が釣りをしていると、収穫祭に参加していた人が珍しがってわらわらと集まってきて、最後には主催者の農家さんも登場。

「餌は何をつけてんだ?」
「え?買ってきたイクラですけど」

 そう言うと、「素人はこれだからだめだ!そんなもの釣れるわけがないべ!」と一蹴。

「ちょっと待ってろ」と近くの斜面の藪にガサガサと入っていきました。

 待つこと数分、にやにや笑いながらやってくると「これだ、これを使えば百発百中、これでなきゃ釣れねえんだ」と持ってきたのは体長3センチ、太さ3ミリほどの白い芋虫。

 掌の上でウネウネと動いています。

 女性人は「キャー、気持ち悪い」と叫びますが、「これが一番なんだ、どら、竿を貸してみろ」と針の先に芋虫をひょいとつけました。

 孫に竿を戻して、「流れの強い水の落ち口にポトンと落としてみな」

 すると…なんと数秒で体調10センチのヤマベがかかりました。

「かかった!竿を上げて!」「おー」「すごーい」 周りは大歓声です。

 魚を外してまた溜まりに投げると、流れていったのを2~3回ほどピックアップして上流に戻すとまた釣れました。

 この餌なら孫でも簡単に入れ食い状態です。

「あの餌の虫はなんですか?」と訊くと、「この時期、もう遅いかな、イタドリに入っているイタドリムシさ。渓流釣りの最強餌だよ」


 せっかくなので、イタドリの生えているところまで行って探し方を教わりました。

「イタドリは茎が中空になるけど、そこに穴が開いているものがあって、そこに虫が入っている。遅いとさなぎになったり成長して出ていくけど、たまに白いのが見つかる。これが見つかればもう魚はイチコロだ」

 ところが確かに穴の開いたイタドリは見つかりますが、それを割ってもなかなか虫が見つかりません。

「ああ、この辺のイタドリは俺と孫が先週探して取りまくったからな。そうそういないかもよ(笑)」

 それでも下の孫のためになんとか一匹と思って探し続けると、「いた!」

 ようやく一匹を見つけることができました。

「取れたよー」と勇んで戻ってきて、もう一人の孫の針につけてやりましたが、なんと一投目に草に引っ掛けてロスト。

 ちょうど「お餅がつけたよー」と声がかかって釣りは終了。

 釣果はヤマベ4匹でしたが、次回からイタドリムシを採取して臨めば爆釣は間違いないことでしょう。

 なおこのイタドリムシなるものは、正式和名は「アズキノメイガ」という蛾の幼虫で、野菜も食い荒らすので農家さんからは嫌われているとのこと。

 嫌われ者が役に立つとはねえ。

 孫に釣りを教えるのは爺さんと相場が決まっています。

 来年の孫との釣りが今から楽しみです。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「え?何の音?」 ~ 家の中で聞きなれない電子音の正体

2024-10-06 22:34:06 | Weblog

 

 妻と買い物に行って家に帰ってくると、今で何やら得体のしれない「ピッ」という音がします。

 妻は「え?何?気持ち悪い」と怖がっています。

 良く聞いていると数秒の一定間隔で電子音が鳴るという感じ。

「冷蔵庫?ガス?電子レンジ?」

 恐らくは電子機器なのですが、どこでなっているかがなかなかわからず、とにかく気持ち悪い感じです。

 やがて部屋の上の方からすると思って見上げながら音源を探していると、「これだ!」とようやくその音の正体が分かりました。

 その正体は煙感知器でした。

 直径10センチほどの機器ですが、それがピッとなり続けています。

 そこでようやく機械の電池切れではないか、とその正体が分かりました。

 突然聞いたことのない電子音がすると怖いものですね。


     ◆


 感知器を外して裏を見てみると、電池からケーブルが出ていてそれが機械に接続されているというなんとも不思議な機器専用の電池の様です。

 それでも一応panasonicという一流メーカーの電池です。

 これって電気屋さんに行けば交換用の電池が売っているのか、売っていなければ取り寄せになるのかな、などと思いながらも大型家電量販店に。

 一応電池を持参して、「すみませんこの交換用電池って手に入りますか?」と店員さんに聞いてみました。

 店員さんは「少々お待ちください」と後ろに行ってより詳しい担当者を連れて来てくれました。

 するとその方は「お待たせしました。電池そのものは在庫がないので取り寄せということになるのですが、実はこの手の煙・熱感知器につきましては電池だけの交換ではなく、本体の交換をお勧めしているんです」というではありませんか。

「電池の交換じゃ駄目なんですか」
「ええ、10年以上経過すると本体の電子部品の劣化の怖れもありまして、本体ごと交換された方が良いと思います」

 よく見ると火災報知機のコーナーには、そのような「本体ごと交換をお勧めします」という趣旨の注意書きが貼られていました。

 ちょっと悩みましたが、やはり安全にかかわることなので電池交換ではなく新しい機器の購入を選択しました。

 一個4千円ほどでしたが、安全には変えられず必要な経費ですね。

 
 考えてみるとこの感知器を取り付けたのは10年どころではなくもっと以前の事でした。

 電池切れを教えてくれる機能があるというのは素晴らしいメーカー側の気遣いです。

 安全対策も防災も、そうしたことへの投資はケチらずに大判部類米をしてでも備えたいところです。 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

父の二つ目のデイサービスはミスマッチだったようです

2024-10-04 21:54:49 | 介護の世界

 

 今日は父が二つ目のデイサービス施設を体験利用した日でした。 

 今度の施設は一軒家を改造したくらいの小規模なデイサービス施設ですが、割とショートステイで宿泊がしやすいとのこと。

 ケアマネさんからは「お母様に何かあったときにお父様が宿泊サービスを受けたい、ということであればこちらを利用するのも一つの手だと思います」と提案された施設でした。

 母は「ちょっと狭そうなんだよね」とあまり乗り気ではなかったのですが、「まあ父さんがどう思うかだし、ショートステイ狙いでまあ体験はしておくといいのじゃないの?」と私の方が強く体験する事を勧めたものです。

 
     ◆


 夕方になって母から電話がありました。

「で、父さんはどうだった?」

 すると母はちょっと暗い感じで「なんか『面白くなかった』って言うんだよ。それにお風呂も入ってこなかった」

「ええ? それはよほどのことだね」
「うん、ケアマネさんからそっちに電話がいったかい?」

「あ、充電中で取れなかったかもしれない」
「そう、こっちにケアマネさんから電話が来たんだよ。ケアマネさんも心配で利用状況を見に行ったんだって、そうしたら施設は小さいし、お父さんも『お昼ご飯が少なかった』と言うし、全然楽しそうじゃなかったんだって」

「あらら、そう?」
「後からパンフレットを見たんだけど、なんか女の人向きのプログラムばっかりなんだよ。掃除をしたり体操をしたり料理をしたりするんだけど、それってお父さんは普段しないしさ。 送り迎えをしてくれたのがすごく若くてかわいい女の子だったんだけど、送ってくれた時に『今日はパンを作ったんですよー』って言ってさ。それって全然お父さんには合わないよね」

「そうかー、いやー、じゃあだめだね」
「うん、ケアマネさんも『こちらはよしましょう。前回の方がカラオケもあって楽しそうでしたから』って言うしさ。だから来週契約するけど、お父さんは近くのカラオケのある所で週に2日にしようと思うよ」

 
 父は認知症が進んでいるとはいえ、その瞬間が楽しいか楽しくないかという感情はあるので、さすがに今日の施設では全く楽しめなかったようです。

 でもそれも使ってみて初めて分かったこと。

 提案したケアマネさん自身も「こちらはまだ新しい施設なので私もあまりよく分かっていなくてすみません」と恐縮していました。

 一言で「デイサービス施設」と言っても、数はあるしそれぞれに推しのポイントや得手不得手もあるのですね。

 やはりより多く質の高い情報を得るためにも、専門家の知恵を大いに借りながら自分に合うものを探してゆくしかないようです。

 マッチングの難しさを知った一週間でもありました。

 来週からは落ち着いた利用でできると良いのですが。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

立派な人物というのはいるものです ~ 今月号の機関誌「報徳」より

2024-10-03 22:34:19 | Weblog

 

 入会している、二宮尊徳由来の報徳を学ぶ「大日本報徳社」から今月の会報が届きました。

 表紙の写真は懐かしい元静岡県知事の石川嘉延さんの写真で、巻頭インタビュー記事も大日本報徳社の鷲山社長と石川元知事との対談でした。

 私は掛川に2002~2004年度の3年間在籍して当時の榛村純一市長に使えましたが、静岡県庁に向かうことも多くありました。

 石川知事は台湾生まれですが、その後合併前の大東町(現掛川市)に住まわれて、卒業した高校も掛川西高校とあって、県庁では何度となくお話をさせて頂き、「榛村さんのところの助役さんね」と随分かわいがっていただきました。

 ご自身は東京大学から当時の自治省に入省され、1993年に静岡県知事に就任されました。

 以後4期16年に亘って静岡県政をリードされ、「富国有徳」をキャッチコピーとしました。

「富国有徳」とは、国際日本文化研究センター教授で後に静岡県知事になる川勝平太氏が提唱したもので、「社会規範や良識、マナーが行き渡った中で、多くの人が、私欲にとらわれず、社会のために役立とうという志を持って活躍している社会を表しているということ」だとされていますが、どこか掛川の生涯学習の影響を受けているのではないか、と私などは思います。

 
 その後に多大な成果をもたらした石川県政でしたが、地域経済の活性化では県民一人当たり所得を伸ばし、医療・福祉では「ファルマバレー構想」として、産学官が連携して富士山麓に医療集積をもたらす構想を建て、県東部に静岡県立がんセンターを設立させました。

 
 防災面では在任中に発生した阪神淡路大震災を教訓として、「TOUKAI-0(とうかいぜろ)」プロジェクトを立ち上げ県内の木造住宅の耐震化を推進しました。


 文化面では静岡文化芸術大学を新設し、人口流出を食い止めるだけではなくむしろ他県から女子学生を呼び込むほどに魅力のある大学にしたいと述べられています。

 また「グランシップ」と呼ばれる、大ホールや国際会議場、展示ギャラリーを備えた文化施設を建設し、そこに演出家の鈴木忠志さんを引っ張り込んで静岡県舞台芸術センターを設立し、舞台芸術の振興や文化をベースにした地域力向上への取り組みがスタートしました。

 実際にあってお話をしているだけで知性と教養と品格と胆力のある人物だと感じるところが多く、榛村さんといい石川さんといい、掛川の排出する人物に圧倒された思いがあります。


     ◆


 石川県政の当初から関わっていた静岡空港の建設では、一部に反対運動が起きたり未買収の土地があったりして批判的な勢力を勢いづかせる政治闘争になってしまいました。

 その最終局面では地権者から「知事が引責辞任すればそれを条件に立ち木の伐採に応じる」という交渉案がだされ、空港の開港と刺し違える形で自らの首を差し出すという大英断をされたのです。

 その事件そのものは私が掛川を離れてからのことでしたが、側から見ていて「何とくだらないことで静岡は素晴らしいリーダーを失った」と無念でならなかったものです。


     ◆


 石川さんの掛川での中学校時代に学校に報徳の講師が見えられたことがあったそうです。

 そのときその講師は黒板に円を描いて「人生は円のようなものでどこが欠けても円にならない。だからそのような人生を送りなさい」と言われたそうです。

 石川さんは対談の中で「その時はまだ中学生だったので不快哲学の話は分からなくて『なるほど、その通りだな』と思っただけでしたが、(鷲山社長と対談していて)今しみじみと思い出しました」と述べられています。

 良い言葉は人の心に深く染み入るのですね。

 石川嘉延元知事さんのお元気な様子が伺えて心が温かくなりました。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

両親の初めてのデイサービス利用

2024-10-02 23:22:19 | 介護の世界

 

 両親の介護支援の続き。

 昨日は94歳の父が入浴つきのデイサービスを体験利用して、今日は91歳の母がリハビリ系のデイサービスを体験利用しました。

 母の方は「いいわー、これからも毎週行きたいよ」ということで、他の施設を利用してみるまでもなく、今日行ってきた施設にいくことにしたようです。

 母は性格が社交的なので、すぐに他の利用者たちとも打ち解けられるところがあります。

 リハビリ系の施設で弱っている体を動かしたり外の人と話をすることでストレス解消になるということもあるのでしょう。


 一方母に施設を利用して帰ってきた父の様子を聞くと、「うーん、どうなんだろね。『どうだった?』と訊いても『なんもだー』っていう返事だからね。カラオケって聞いていたけど歌ったんだかどうだかねえ」と父から詳しい話はあまり聞けなかったようです。

「ただね、ケアマネさんから連絡があって、『いざというときに宿泊できるショートステイサービスが受けられる施設は昨日とは違うところで、そこのデイサービスを契約しないといけない』って言うんだよ。それも場所がちょっと遠いところみたいで、どうする?」

 母は、ショートステイのできる別な施設の利用をためらっているようです。

 しかし私としては、「それはとにかく使ってみて、気に入るかいらないかをそれれから決めればよいのじゃないの? 体験できるんだったらいろいろな違いも分かるしね。 それにお父さんだったら使った感じもあまり覚えていないんじゃないかな?」とアドバイス。

 まずはいろいろな可能性を広げておいて、それから絞り込めばよいのではないかと思い、二つ目の施設も体験させてもらう事を勧め、母も「そうだね」と納得してくれました。


      ◆


 そんなやり取りの後にケアマネさんから私の携帯に電話が来ました。

「お父様とお母様の利用した施設に聞き取りを行ったのでご報告しておきたいと思います」とのことで、気遣いに感謝です。

「まず昨日のお父様ですが、お風呂もちゃんと利用されてカラオケも楽しまれて、『もう一曲歌いたい』と随分喜ばれていたと聞きました」
「えー?そうなんですか?母は『お父さんは何も言わなかったんだよね』と言っていましたが、すぐに忘れたのかもしれませんね」

「そうですか。ただ、施設から帰られるときに『財布を忘れた』と言い出して、周りも探したのですが見つからずお母様にお電話した、ということがあったようです」
「あ、母から聞いています。父は『お金を払わないといけないと思ったんだって』とのことらしく、母から『財布は持たせていませんので』と伝えてそれでOKだったようです」

 どうやらそんな記憶にまつわるちょっとした出来事があったようですが、全体には施設利用は楽しんでいたようです。

 一方で、ショートステイのためには別な施設も利用する必要がある、というお話がありました。

「母から、ショートステイのためには別な施設の利用を勧められた、と聞きましたが」
「それなんですが、ご提案したのは小規模なのですが割と新しい施設でまだ契約者が少なく、それなら何かあっても宿泊できる枠が確保できそうなところなんです。
 お母様の方から、『何かあればすぐに宿泊できるところ』とのご要望だったので、それならそこを普段利用しておけばお父様の様子もわかりつつ宿泊もできることになるので、そちらをご紹介した次第です」

 私の方も「お申し出を理解しました。母には『まずは使ってみて、可能性を広げておく方がいいと思うよ』と伝えてある程度納得してくれたようです」と伝えました。


 まずは初めての施設利用は大きなトラブルもなく、始められたようです。

 施設を利用することで、父と母の普段の様子を外部の方の目で見てもらっているということが重要だと思います。

 ケアマネさんも施設からの報告をきっちり受けているようで、こうして複数の目で見ていることで、何かあった時でも対処方針が立てやすくなることでしょう。

 日常に少しずつ新しい変化を加えてゆきましょう。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ダブルトラックで輸送量が二倍、二倍 ~ 物流の新しい試み

2024-10-01 21:52:03 | Weblog

 

 社外のセミナーを聴講しました。

 テーマは、「道路物流の新潮流とコロナ禍前後の北海道の観光需要動向について」というもので、講師は中央省庁の各種委員会委員としてもご活躍中の東京海洋大学 兵頭哲朗教授です。

 今日のセミナーの話題は大きく三つありました。

 一つ目は物流の効率性改善策の一つである「ダブル連結トラック」の動向、
 二つ目は「自動物流道路に関する話題」、
 そして三つめが「コロナ禍後の観光需要と北海道インバウンドの特性分析」
…という三つの話題で、それぞれが最新の研究成果や国交省内での議論などの互生化をしていただきました。

    ◆ 

 なかでも「ダブル連結トラック」の話。

 ダブル連結トラックとは、普通の大型トラックの後ろにもう一つのコンテナを引っ張って一人の運転手が二倍の荷物を運べるという取り組みです。

 2017年からダブルで全長25mのトラックが認められていますが、実際の道路を走行するためには特車の申請が必要で、自治体の担当者はぱっとみて「これうちの道路を通れないでしょ」と拒否反応を示す例が多いのだそう。

 この後ろの荷台を作っているのは日本に日本トレクスとTOHO製作所の二社しかなくて、まだまだ国内で劇的に増えるという事はなさそう。

 ただ、一人で2台分の荷物を運ぶという事は省人化での生産性向上につながるのと、CO2削減効果も期待できるとのこと。

 また、一種類で20トンもの品物を運ぶというのはあまり現実的ではなく、それよりはドリンクなど重たい品物とカップ麺のような軽いものを組み合わせて運ぶという会社や分野を超えた混載のマネジメントが必要な時が来るかもしれません。

 一方高速道路でダブルトラックが走れる区間は国交省が許可している区間になっていて、年々区間が広がっており今年は北海道でも認められる区間が出て来そうです。


 
 ただ荷物をどこで載せてどこで下ろすかということの拠点インフラなども考えなくてはならず、物流の問題解決のためには新しい考えによるインフラも必要になってきそうです。

 未来の物流への新たな試みの一つです。


《参考》 国土交通省 社会資本整備審議会 道路分科会 基本政策部会 第24回物流小委員会 資料
 https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/road01_sg_000699.html

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする