『胡蝶殺し』近藤史恵

歌舞伎役者・中村竜胆が四十九歳の若さで亡くなり、長男で七歳の秋司に後見人が必要になった。
しかし母の由香利は竜胆の存命中にもあちこちでいさかいを起こしていたらしく、引き受け手がいなかった。

そこで三十七歳とはいえ、梨園では若手の市川萩太郎にお鉢が回ってきた。
力不足を感じながらも、俊介という同学年の息子がおり、萩太郎自身も若くして父を亡くし苦労した経験もあることから、引き受けることにした。
思いがけず秋司にはまれにみる踊りの才能があったが、舞台を間近にした矢先、思いもかけぬトラブルが襲った。

せっかく萩太郎がその才能に惚れ、目をかけようとしたところを襲った不幸。
悲しみのまま終わるのかと思いきや！

タイトルからして二人の少年がとんでもない悲劇に見舞われるのかと予想し、ハラハラしながら読み進めていました。
でも、秋司の幼さに似合わぬ利発さに感心し、ホッとする結末に安堵しました。

面白かったです。