こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『漫才刑事』田中啓文

2017-01-30 19:34:27 | 読書感想
若手漫才コンビ「くるぶよ」の‘‘くるくるのケン’’は、相方の‘‘ぶよぶよのブン’’にも内緒の家庭の事情で、東京やテレビの仕事などに手を広げることができない。
一方、大阪府警難波署刑事課の高山一郎巡査部長は、仕事はきちんとこなすが人付き合いが悪く、定時になるとダッシュで退社するため、あまり評判がよくなかった。
実は二人が同一人物なため、合間をぬって仕事をこなさなければならず、こういう状況になっているのだった。

そんな中、演芸ホールなどお笑いの現場で次々と事件が発生。
くるくるのケンこと高山一郎は、漫才と刑事の仕事の兼業をこなすことが大変になってきた。
果たして彼は、二重生活をいつまで秘密にできるのか?

高山の育ちがあまりにも奇想天外で、まず笑ってしまいました。
それに、彼の秘密に気づいた城崎ゆう子の引き換え条件とその旺盛さにも笑えてなりません。

何よりも、二足の草鞋のおかげの情報で、見事な名推理も読めるところが一番楽しめました。

ずっとハラハラし通しでしたが、最後には大団円を迎えることができ、ホッとしました。
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コミックス『クチュリエールと赤い糸』猪狩そよ子

2017-01-28 19:34:45 | アニメ・コミック・ゲーム
1830年代のパリ。

14歳の少女ロッティは、貴族と再婚する予定の母が舞踏会に着ていけるドレスを作るため、パリ1の仕立屋オリヴィエに弟子入りを申し込むが、ことごとく断られる。

女好きで根性悪のオリヴィエにしつこく粘り、スパルタな修行にもめげずについていくロッティが健気で、何のかのと言いつつ、そのロッティに心を許していくオリヴィエの関係が、何とも微笑ましく思えました。

新人の漫画家さんかと思いきや、「和菓子のアン」のコミックス版を描いた方なんですね。
面白く読みました。期待しています。
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『幕末舞妓、なみ香の秘密』奈波はるか

2017-01-27 19:27:52 | 読書感想
お茶屋兼置屋、鈴乃屋のひとり息子・小野貴史は、京都市内の高校一年生。

幕末の頃の鈴乃屋にとても人気のある舞妓の姉妹がいたという話を聞いた貴史は、物置部屋で慶応の頃の木箱を見つけ、脚立に登って取ろうとしたが落下。
気づいたら、幕末の鈴乃屋にタイムスリップしていた。

うーん、幕末の舞妓さんの話かと思ったら、‘‘千代菊シリーズ’’のように、少年が舞妓になっちゃいますか。
確かに、千代菊シリーズは好きでしたが、あまりにも設定が近いと、また?と思ってしまいます。
基本的に、物語は面白いはずなので、もったいないです。
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『七回死んだ男』西澤保彦

2017-01-26 19:43:31 | 読書感想
十六歳の大庭久太郎は、県下でも有数の進学校に通っているが、成績は学年で下から数えてひと桁のところだ。

基本的に勉強してもなかなか成績が上がらないような久太郎が偏差値の高い高校に編入できたのは、彼の‘‘体質’’による。
久太郎は、たまに同じ日を何度も繰り返してしまうようで、本人はそれを‘‘反復落とし穴’’と呼んでいる。
それには規則性があり、その日の夜中の十二時から次の夜の十二時まで起きるようだ。
落っこちている期間は九日間。実際には一日を九回経験するのである。
久太郎が進学校の編入試験をクリアできたのは、たまたま試験当日に、この反復落とし穴に入ったからなのだ。

そんな久太郎の十六歳の正月。
母方の祖父の元に家族で出かけ、叔母一家とともに過ごした翌日。
祖父が他殺体らしき状態で発見され、久太郎は戸惑っていた。
なぜなら今回も反復落とし穴に入っており、一周目では生きていた祖父が二周目で亡くなったからだ。
祖父が殺されないように犯人らしき人物から離そうとするたびに、別の人物が容疑者になっていく。
どうすれば、祖父の命を救うことができるのか?

SF的設定でありながら、話がそれ以上飛躍することがないので、ミステリとしてもフェアになっています。
まさか久太郎も気づいていない(反復ではない)落とし穴があろうとは、気づくことができませんでした。
さすがに変だな?と思うところもありましたが、日頃SFも読んでいるため、その発想に論理的思考を邪魔されてしまいました。

とても面白かったです。
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コミックス『かりん歩(1)』柳原望

2017-01-24 19:27:00 | アニメ・コミック・ゲーム
父母が共働きだったため、7歳年下の妹の世話をしながら成長してきた市井かりんは、就職活動をするにあたって、妹第一のメンタルをどう人事担当者に美点として売り込めばいいのか悩んでいた。

まずは妹離れをするために祖父の喫茶店で暮らしているうちに祖父が倒れてしまい、店を継ぐことを決心するのだが・・・。

金儲けのために家を出ていった祖母が、今になって相続権を主張したり、かりん嫌いの社員を送り込んできたりと、前途多難のように見えるかりんちゃんですが、妙に前向きでのどかな性格で乗り切っていけそうな気配がします。

また、ゲストで高杉くんと久留里も登場したりと、今後の展開が楽しみです。
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