こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『オペラ座のお仕事』三澤洋史

2015-04-30 19:32:11 | 読書感想
私はオペラが苦手です。
外国語で歌われていて台詞の意味が分かりませんし、大仰な感じがするからです。

でも、新国立劇場・合唱指揮者をされている三澤さんの仕事ぶりをこの文章から察するに、結構いいものなのかもしれないと思えてきます。

最高の舞台をつくるために衝突したり協調したり、大抵の日本人がやりがちな安易な妥協はなさらないようです。

また、この道に進むのに遅いスタートだったことも語ってくださっています。

聖地バイロイドでのワグネリアンたちとの交流や、ドイツとイタリアの音楽の違いと日本人の方向性、日本と中国合同でやった「アイーダ」の裏話も面白く読めました。

指揮者について語ったところでは、「水泳」や「スキー」がカラヤンの指揮をより良くしたことや、尊敬する指揮者や目指す指揮など、余すところなく語ってくださっています。

面白かったですよ。
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『鳥と雲と薬草袋』梨木香歩

2015-04-29 19:31:49 | 読書感想
西日本新聞に連載された、土地の名称にまつわるエッセイです。

最近まで、この本が出ていることに気づきませんでした(^^;)

それはともかく、いわゆる集落の名ばかりでなく、峠や岬、谷戸や迫や熊、「バル」(と言ってもスペインの飲み屋じゃないよ)、越、島など、主に西日本の趣深い名称が紹介されています。

思いがけず「戸畑」もあり、驚きました。
梨木さんも徒歩で「若戸大橋」を渡ったことがあるのですね。
私も事ある毎に歩いて渡っていました。まあ、地元ですからね。
今や車専用の橋ですが、エレベータで昇降していた当時のことを懐かしく思い出しました。
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旧松本家住宅 春の一般公開(日本館)

2015-04-26 19:43:40 | まち歩き
洋館の方は、第一ブログで。

旧松本家住宅・洋館

こちらでは主に日本館を紹介します。

外観はこんな感じ。



入ってすぐに目に入る景色です。



屏風が華やかだったので。



日本館の庭です。



昔の体重計だそうです。
木製で、分銅を使っているようですね。



日本館から見た洋館。



いつもは屋敷をさえぎる木を裏から見たところです。



満喫して帰りました。
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『玉工乙女』勝山海百合

2015-04-25 19:48:00 | 読書感想
普通の少女だが、石印のつまみに細工をほどこす職人を夢見ていた黄紅。
本当は玉細工の工房に弟子入りしたかったが、工房には男弟子しかいず入れそうになかった。

そんなある日、書画を学び、文字を書き印を彫ってそれで生活をしていたという周千麒という男に出会い、彫鈕を学び始めた。

一方、なかなか男が生まれず、生まれても育たない沈家の息子・阿妹が魔に魅入られたため、身代わりとして男装して育った沈双槿。
しかし、その弟ばかりか妹まで魔物に狙われたため、双槿は妹を救う手立てを考え始める。

多分この世界は、彼女たちのような女性には生きにくかったことでしょう。
でも、どちらも自らの信ずるままに力強く生きていて、心動かされるものがありました。
あと、勝手な想像ですが、黄紅は神仙の世界に招かれたのではないかと思っています。
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『丹生都比売 梨木香歩作品集』梨木香歩

2015-04-24 19:30:50 | 読書感想
梨木さんの今回の短編は、どれも柔らかくはかなげで、ご本人があとがきで仰っているように生の寂しみを引き受けて生きていくという芯を持つ蔓なのでしょう。

光で言えば穏やかな晩秋の光に思えました。

これらの短編の中で私が特に好きなのは、百合から生まれた春ちゃんをお友達にして育った女の子・夏ちゃんの物語「夏の朝」と持統天皇に殺された草壁皇子という推論の上で草壁皇子の視点から物語られた表題作です。

感想を言葉にするのが難しく感じられますが、とても好きな作品集です。
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