こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

草上仁『エアーマン』SFマガジン2019年8月号収録

2019-06-28 19:54:28 | 草上仁
4月号以来ではありますが、SFマガジンに新作が載っています。
久しぶりに新刊も出るので、とても嬉しいです。

ところで、今回。
タイトルからして、存在感の無い人が主人公の物語と思いきや、エアーギターなどのプレイが得意な人みたいですね。
結末から単純に、色即是空、空即是色を連想してしまいました。
ただ、般若心経はともかく、子どももエアーチャイルドとして存在したら面白いと考えて、いや、本人がいなければ無理でしょ、と思い直したり、なかなか、読んだ後の空想も楽しかったです。
あと、般若心経を理解せずにこういう事を言っちゃいけないかも?という心配はあります。
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『椿宿の辺りに』梨木香歩

2019-06-26 19:51:05 | 読書感想
化粧品メーカーで敏感肌の研究をしている佐田山幸彦は、三十代でありながら、ひどい四十肩に悩まされていた。
そんな中、実家の店子・鮫島氏から、賃貸契約の打ち切りの依頼の手紙が来た。
そこで、鮫島氏の長男が宙幸彦だという事を知り、それまでいい加減にしていた実家の行く末を考える為に、連絡をする事にした。
実は、山幸彦の従妹は海幸比子という名だった事もあり、宙幸彦氏とは何らかの親戚関係があるのではないかと思ったのだ。

海幸比子も、かなりひどい体の痛みに悩まされており、それが、鮫島氏が実家の庭にあるお稲荷さんのお世話をしなくなった頃に重なるようだった。

お稲荷さんの件からして「をいをい」という展開なのですが、実家自体も妙ないわれのある家で、相変わらず梨木さんは、混沌とした世界が好きなんだなあと感じました。
この物語『f植物園の巣穴』にも繋がっていて、今回も、日本ならではのファンタジーでした。
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コミックス『ねこめ(~わく)(6)』竹本泉

2019-06-25 20:18:49 | アニメ・コミック・ゲーム
今回はいきなり、ヘンリヒたちのいる地球は、本来いるはずに位置にはおらず実は別の惑星で、時代もヘンリヒの時代より過去に来ているらしい事が分かります。
しかも、10光年先には地球が惑星としてありそうなG型の恒星が見つかります。

百合子は、彼女の住む地球から10光年の距離を飛んできているだけで、ヘンリヒたちが別惑星にタイムトラベルして来ているだけなのか?

謎は深まるし、猫たちの過去は魔法使いだし、事態はいっそう混沌としてきているような・・・(^^;)

竹本さん、辻褄合わせで大変みたいですが、その過程も面白く読ませていただいております。
どこに着地するのかなーと、少し意地悪かもしれません。
でも、きっと何とか筋道をつけて下さると期待しております。
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『花ざかり平安料理絵巻 桜花姫のおいしい身の上』来栖千依

2019-06-21 20:13:26 | 読書感想
左大臣の娘・桜子は、八歳の頃から漢字が読めた事もあって、父の集めた唐物の中にあった「美食譜」なるものを参考に、料理を作り始めた。
平安当時、姫君が料理を作るなどもってのほかで、案の定、母君に叱られた。

しかしある日、とても空腹そうでありながらもやせ我慢する少年に出逢い、工夫して食べてもらえた事から、母の目を盗んで乳母に料理の基礎を学び始めた。

それから八年、年頃になった桜子の下には、一つも縁談が来ない。
彼女が自ら市に赴き、料理も行う事が、悪い噂となっているらしい。
なのになぜか、東宮妃として宮中へ入内するようにという話が舞い込んだ。
実は、その東宮が冷酷な狼と称される方だと知って、納得する桜子なのだった。

唐の料理への偏見をなくすために入内を引き受けるという桜子はどうかと思いますが、結果的に、それが東宮を救う事になるとはねえ。
もちろん、それだけでは済まず、宮中の陰謀渦巻く世界に翻弄されたりしています。

物語の内容も面白かったのですが、史実も気になります。
本当は、いつ頃から唐風の料理がなじんできたのでしょうか?
紫式部や清少納言が食べるには、まだ、早かったのかとか、考えてしまいます。
巻末の参考文献には書いてあるのでしょうが、どれに載っているのかが分からず、かと言って、全部読むには時間が足りず、どうしたもんかと悩んでしまいます。
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コミックス『がーでん姉妹(6)』竹本泉

2019-06-19 20:25:51 | アニメ・コミック・ゲーム
まず、五女のカナリの漫画の好みが、ストーンフォレスト章太郎さんとは!
確かに、今の女の子としては渋いというか、マニアックですよね。
えーと、カタカナは、そのまま漢字に変換していただくと、意味が通じると思われます。

それはともかく、今回の出来事でいいなと思ったのは、父方の祖父母が人としてちゃんとしているという事。
カナリばかりか、蝶子と樹太にも身内として接してくれて、どれだけ居心地が違うか。
それに比べて園郎パパは、今の奥さんにも色々と思われているようで・・・(苦笑)

個々の出来事としては、池子が、ある町内会の草野球大会で助っ人として活躍したり、カナリは、初めて直筆のサイン色紙を作らなくてはならなくて、画材を購入したりと、なかなか面白いエピソードが続きます。
そうですねえ。画材を全て揃えるのもなかなか経済的にきついのかもしれませんが、初期投資としては、デジタルの方が大変に思えます。画材は、プロになるまでは、カラーじゃなくてもいいかもしれませんしね。ちなみに開明墨汁は、書道教室でもよく使っていました。むしろ、漫画にも使うのね、と思いました。

毎回、ほのぼのと楽しい作品で、もしかすると、蝶子と樹太が大人になるまででも続けられそうですが、どうなるのかな?
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