こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『一駅一話!山手線全30駅のショートミステリー』柊サナカ

2024-04-22 19:41:46 | 読書感想
 
文字通り山手線30駅それぞれに一つずつの物語があてがわれているわけですが、それぞれの駅の雰囲気などに合っているのかというのは、地方在住で山手線には2、3回しか乗った事が無い者には分かりかねます。

まあそれはともかく、それでも好きな物語はあるもので、田町の「撮ってはいけない顔」浜松町の「推し絵と旅する男」有楽町駅の「四百分の一寸法師」など、ホラーっぽいものやコメディ、ほのぼの系と見せかけて・・・というように、なかなかバラエティに富んだ内容で面白かったです。

これだけあれば、お好きな話に巡りあえるのではないでしょうか?
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『成瀬は信じた道をいく』宮島未奈

2024-04-20 19:51:47 | 読書感想
 
今回の成瀬も相変わらずで小学生の信望者が現れたり、大学受験で出会った受験生であり野宿をするというYouTuberを父の同意の上とはいっても自宅に泊めたりと、風変りです。

しかも「びわ湖大津観光大使」として、誰よりも熱心な宣伝活動をやるという観光大使の鑑です。
同時に変人だとも思えますがwww

まだまだ成瀬の活躍から目が離せません。
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『成瀬は天下を取りにいく』宮島未奈

2024-04-17 20:05:16 | 読書感想
 
以前から気になりつつも様子を見ていたこの作品。
女優の宮崎美子さんがYouTubeで紹介なさっており、さらに本屋大賞受賞という事もあり、たまにはメジャーな本を読んでもいいかな?という気まぐれで読みました。
へそ曲がりでごめんなさい(;^_^A

頭脳明晰、身体能力も高く、とことんポジティブで自分の興味のある事を追求する事にためらいが無く、他人の思惑も気にしていないというより考えもしていない。
主人公の成瀬あかりは、そんな少女。
案の定、子どもの頃は仲間外れなどイジメにも遭っていた様子。
それも気にかけていなさそうに思えるのが、成瀬の成瀬たるゆえんかも?

最初に書いた宮崎さんの感想には、周りにいて欲しい子というものがありましたが、私個人としては身近にいたら疲れそうだなあと感じました。
遠くから傍観者として見ているだけなら面白いのですが。
まあ小説の主人公として楽しく読ませて頂ける程度の距離感が、私にはベストでした(;^ω^)

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『漣の王国』岩下悠子

2024-04-15 19:56:43 | 読書感想
 
綾部蓮は、水泳選手になるために生まれたように体格的にも恵まれていて、あまり練習に熱心でなくとも地方大会では活躍できるほどの記録を出していた。

しかし、そんな彼に憧れ一緒に青春を謳歌する者がいる一方、資質的には恵まれなくとも求道者のように生きる者や、せっかくの資質を生かさず享楽的に生きる彼を見て苦々しく思う者もいて、ある意味、彼の存在は周囲の者にかなりの影響を与えていた。

ただ、そんな華やかな生活をしていた綾部も、いつの間にか消息が分からなくなり、調べてみたところ早い内に琵琶湖疎水に落ちて亡くなっていたという。

読み終わってみると綾部の刹那的な生き方に納得するところもあり、彼の死があまりにも悲しく、ある人物の彼への対応の冷淡さと、その生活感のなさがかなりの謎でもありました。
ある意味、綾部の死の原因よりも気にかかります。

あの結末で、読者のそれぞれが色んな解釈ができるとも言えるのですが、これに限っては、曖昧さが落ち着かない気分にさせてくれました。

これは個人的な感想であり、私なりにとても楽しんで読みましたので作品自体を否定するものではありません。
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『少女小説とSF』日本SF作家クラブ編

2024-04-13 20:00:47 | 読書感想
 
かつて少女小説のジャンルのレーベルで、SFやその周辺の作品を書いていらした方々に「少女小説とSF」をテーマに描いていただいた作品を集めたアンソロジーです。

個人的に特に好きな作品をあげてみます。

「この日、あたしは」は、幼児期からAIと共に成長するのが当たり前の世界での物語。

「わたしと『わたし』」は双子で生まれるのが普通の社会で、なぜか一人で生まれた少女の成長を描いています。

「守護するもの」は、ある惑星での内乱によって家族をすべて失った少年と、瀕死の重傷を負って心身ともに壊されたラフェール人が相棒として賞金稼ぎをすることとなった経緯と理由を考えさせてくれます。

「一つ星」は雪と氷に閉ざされた世界が当たり前で、飢えと死に付きまとわれながら生きるのが当然の中で生き延びようとするエスリンとフレイの正体が気になりながら読み進めていきました。

どの作品もバラエティに富んでいて面白く、とても満足の作品群でした。

もちろん、ここには載っていないあの方もこの方も気になるんですけど、というのはありますので、今後に期待しています。
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