こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

コミックス『がーでん姉妹(4)』竹本泉

2017-02-24 19:37:32 | アニメ・コミック・ゲーム
まえがきでは、庭家の三つ子姉妹は三人揃って美人女子大生に。
四女・池子の女子野球部は新入生が大量に入部し、大会を勝ち進み甲子園で優勝。ドラフト3位でプロ野球選手となり、魔球で大活躍。
五女・カナリは成長と共に髪が赤毛となり、日焼けでソバカスになったので、髪を三つ編みにしたら赤毛のアンに。

などと書いていらっしゃいますが、そんなことは無く、それでも池子とカナリの意外な面は見られます。

今一番心配なのは風子。寝てばかりで大丈夫なんでしょうか?
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『夢みる葦笛』上田早夕里

2017-02-23 19:47:57 | 読書感想
コンピュータで音楽を作っている亜紀は、街中で人型のイソギンチャクのような白いモノがふらふらと歩いているのを目撃した。
そのイソギンチャク人間は、人にとって心地いい音楽を奏でるらしく、亜紀も初めは心地よく聴いていたが、やがてそれはくるりと反転し、恐ろしさを感じるようになった。

表題作はこのような始まり方をしますが、私自身が同じ体験をしたら亜紀の立場をとるのか響子の立場になるのか、皆目見当がつきません。
理想は、亜紀のようになりたいのですが、苦しい生き方になりますから。

さて、半分近くは異形コレクションに収録されたものから成る短編集ですが、ホラーの中にもSFの要素が垣間見え、私としては安心して読める本でした。

この中で特に好きなものとなるとなかなか選ぶのが難しいです。
どれもとても魅力的で 人間のいいところも悪いところも見せながら、それでも世の中捨てたもんじゃないと思わせてくれる素敵な作品が並んでいるからです。

これから読む方は、すべてをじっくりと味わっていただきたいですね。
色んな意味で、素晴らしい非日常へと連れて行ってくれます。
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『道然寺さんの双子探偵』岡崎琢磨

2017-02-21 19:49:15 | 読書感想
福岡県のちょうど真ん中を占める夕筑市の北部に道然寺はある。
今のお寺は檀家が少なく、他の仕事と兼業する僧侶が多いが、幸いにも道然寺はアクセスの良さからか三百軒以上の檀家があり、主人公の僧侶・窪山一海と父の真海は、専業でやっていけている。

ただ、お寺を慈善団体のようにみなす人が多いためか、動物がよく捨てられ、里親探しに奔走するはめになる。
だが、人の子が捨てられていたのは、一海が十六歳の初夏の頃、一度きりだ。
発見者は一海。
双子の男女の赤ん坊が、手紙とともに産着と毛布に包まれて置かれていた。
手紙によると、女の子の名前はラン、男の子はレン。
その年の四月八日に産まれたが、育てられないと書かれていた。

警察に届け出て、マスコミにも知られ、報道もなされたが見つからずじまい。
いよいよ児童福祉施設にあずけるか、という時に、真海が家で育てると言いだしたのだ。

あれから十四年。
レンは性悪説、ランは性善説を取る中学生となった。

葬式で仏の子どもたちの香典だけ行方不明になったり、妊娠しているのに子どもに恵まれないと、前の子の水子供養をした女性がいたりと、次々と不思議な事が起こり、レンとランがそれぞれに推理する。

それぞれに双子が推理した謎は、結局、交互に真相に到達することになるのですが、善悪ではなく、人の心の奥底をどれだけ理解できたのか?ということにかかっているように感じられました。
最終話に至って、レンの心が少しほぐれてきたのかな?と思えるようになったのが、救いでもあります。
また、一海さんは、住み込みで働いているみずきちゃんと、ゆくゆくは 連れそうのではないかと勝手に思っています。すでに、尻に敷かれていますしね。

岡崎さんが福岡出身なだけに、福岡弁が自然で、安心して読めたのも良かったです。
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『月と太陽の盤 碁盤師・吉井利仙の事件簿』宮内悠介

2017-02-19 19:43:35 | 読書感想
十六歳の愼は、プロの囲碁棋士である。
しかし、棋具のことは分からない。
実際に木製の盤に触れるのは<八方社>で碁を打つときのみ。
物心ついたときには、コンピュータで碁を打っていた。

それがあるとき、一枚の棋譜に心を打たれた。
碁盤師・吉井利仙が、まだ棋士だったころのタイトル戦の二次予選だった。
それが利仙の最後の公式試合となり、跡取りのなかった秋山碁盤店に弟子入りし、五年の修業ののち三代目を襲名したのだった。

愼が魅せられたのが棋士としての利仙だったため、手合いの合間を見ては利仙につきまとい、指導碁を打ってもらおうとしていた。

今日も、いい榧(かや)の木を探して山に入る利仙についてきた愼だったが、その山で昔急死した碁盤師・黒澤昭雪の娘に出くわした。
その娘・逸美は、父親の事故死に疑問を持っていた。
果たして昭雪の死因とは?

囲碁に関わる事件を、利仙が解き明かしていくミステリ集です。
「青葉の盤」と表題作以外は、人が死ぬことはありませんが、やはりミステリとして面白かったのは、珍しく愼が謎を解く羽目になる表題作でした。
そしてラストの「サンチャゴの浜辺」は、ミステリとは言えないかもしれませんが、何とも寂寞とした思いを抱かせながらも、いい物語になっていました。

宮内さんのデビュー作は、ジャンル分けが難しいものだと感じましたが、最近はそこが分かりやすくなりました。
それの良し悪しは分かりませんが、頭の中の疑問符が減りました。
あと、何よりも面白ければ良いのですよね。
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『八月は冷たい城』恩田陸

2017-02-17 19:28:19 | 読書感想
『七月に流れる花』の姉妹編で、続編です。

こちらは「夏流城」に入った男の子たちの話で、蘇芳と同じ境遇の嘉納光彦が主人公。
少年たちは全部で四人。
こちらも鐘が三つ鳴った時に、お地蔵さんの前に集合して、番号を確認するのは同じ。

ただ、そんな中で殺人未遂事件が起こる。
みどりおとこが来ない限り、外界から隔離されたこの城。
果たして犯人は、この四人の中にいるのか?はたまた外の人間が入り込んでいるのか?

『七月に流れる花』も、かなり厳しい物語でしたが、こちらはなおさら残酷な話になっています。
みどりおとこの正体が推測通りなら、何と悲劇的状況なのでしょう?
この世界の行く末が知りたいです。
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