こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

絵本『女の子はなんでもできる!』キャリル・ハートぶん アリー・パイえ

2021-01-30 19:38:23 | 読書感想
 
そう!女の子は何でもできます。

でも現実では、経済的理由や男社会による偏見や差別などにより、できずにいます。

差別が無いと仰るなら、いつぞやの大学医学部受験における点数上乗せの男性優遇は、どう仰るのでしょうか?
もし、女性が出産や育児で仕事ができないことがあると仰るなら、その分を配偶者が肩代わりできますよね?
家庭の事を、女性にばかり押し付けておいて、その言いぐさはどうかと思いますが?

いつまでも男性優遇の社会を続けているからこそ、女性が結婚や出産をしなくなっているのではないですか?

という事を考えながら読んでしまったので、精神衛生上、とても良くない読書になってしまいました。
本当に、希望を持たせておいた後に、絶望のどん底に落としてしまわないように、社会を変えていくべきだと考えます。
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『未来からの脱出』小林泰三

2021-01-28 20:08:35 | 読書感想
 
日中、いつも古い同じような映像ばかり見せられる事に、サブロウは、うんざりしていた。

自分自身の記憶も怪しいが、どうやらここは高齢者施設らしく、彼自身も電動車椅子を使う高齢者らしい。
周囲の入居者らしい人々にも不満を伝えてみるが、ほとんどの者が満足しているらしいのにも腹が立つ。
さらに、この施設自体も、どこかおかしいと思った。
何しろ、自分自身の日記帳に、協力者らしきものからの暗号文があったのだ。
そこで、他の入居者で同じように考えそうな人を探し、協力して脱出を試みた。

読み進めるほどに、この施設はおかしいと思えます。
事実が分かってからも事態はより複雑になり、深刻な状況になります。
それだけに、この迷宮から脱出できた時の爽快感といったら!
ほんのちょっとした言葉が、大切だったのですね。

こうして、この物語の面白さを感じるだけでも、小林さんの早逝は惜しいと感じます。
もっともっと、素晴らしい作品を創られたでしょうに、残念でなりません。
また、だからこそお伝えしたいです。
小林泰三さんの小説は、かなり、面白いですよ。
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『おとぎカンパニー 妖怪編』田丸雅智

2021-01-25 20:00:04 | 読書感想
 
『おとぎカンパニー』も、3冊目。
今回は、妖怪がテーマです。

子泣きじじいは、昔とは違いパソコンのデータを重くし、砂かけ婆はSNSの炎上を消し、雪女は冷凍睡眠で老化を防ぐ・・・というように、時代に合わせて変化しています。

それらに関わった人々が、どういう結末を迎えたのかについては、ご購入なさってのお楽しみ。

私は、河童と座敷童子とのっぺら坊の現代版に好感を持ちました。
一方、かまいたちは、主人公がとても良い人です。
百目妖怪にも、今時だなあとクスリとさせられます。

ハッピーエンドもバッドエンドも、どちらも面白かったです。
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『ブラッドベリ、自作を語る』レイ・ブラッドベリ サム・ウェラー

2021-01-21 19:56:54 | 読書感想
 
2012年の本で申し訳ありませんが、今日、読み終えました。
SF作家、レイ・ブラッドベリ氏のインタビュー集です。

氏の幼年時代の記憶から始まり、映画漬け、かつ、ハリウッドスターのサインをもらうための追っかけの時期、作家になってからの様々な経験や交遊。
さらに、信仰、芸術や書物の趣味、政治、性など、多岐にわたって語って下さっています。

中でも驚いたのは、ブラッドベリ氏が精神的には仏教の禅に帰依しているおつもりだと答えていらっしゃるところです。
きっと基本はクリスチャンで、考え方が「御託はいいから行動しろ」というところなのではないかとお見受けいたします。ちょっと、禅とは違うかもしれませんがね。

あと、詩がお好きで、たくさん読んでこられたらしく、作家になるには千の小説と千のエッセイと千の詩を読むように仰っていました。
確かに、美しい言葉や言い回しなど、学べそうです。

その他にも氏の創作の秘密など、とても面白く読めました。
この方の作品のいくつかしか、まだ、読めていませんが、少しずつでも未読作を読もうかと改めて考えています。
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『本好きの下剋上 第四部 貴族院の自称図書委員VII』香月美夜

2021-01-17 20:26:40 | 読書感想
 
今回、本来なら王を目指す者しか見られないはずの魔法陣が、正典を開くと見えるし、尋問会でふとした事をつぶやいたために、エーレンフェストか中央の正典に不備があるかもしれないと、別の会議を開く事になり、ローゼマインも参加せざるを得なくなります。

また、初めての領地対抗戦では、ある意味フェルディナンドのせいでダンケルフェルガーとの個人戦をやらなきゃならないし、表彰式にテロリストとターニスベファレンが現れて、またもローゼマインは式を見られないしで、災難です。

ただ今後、本来、魔法陣が見えなくてはならないはずの王族には見えず、ローゼマインとフェルディナンドには見えるという事で、内緒にはするつもりでも、後々、ローゼマインがうっかり発言をして、政争の火種になりそうな予感がします。
彼女は、ただ、たくさん本を読みたいだけなんですけどねえ。

まあね、いくら本を読みたいだけとはいえ、慣れない言葉のはずの今の世界の言語を読みこなせるばかりか、古語を現代文に翻訳できるというのが只者じゃありませんよね。ローゼマインこと麗乃さん。

あと短編では、ハルトムートとクラリッサのローゼマイン賛美のほどと周りのドン引きが、楽しいです。確かに香月さんもあとがきで仰るように、二人だけで語らせなくて、正解だったとも思えますが(笑)

本編も短編も、とても楽しめました。
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