こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『陰陽師 烏天狗ノ巻』夢枕獏

2023-12-30 20:43:07 | 読書感想
 
今回の藤原兼家殿は、2回ももののけなどによって心身ともに酷い目に遭いながら、清明によって治るとケロッとしているので、兼家殿が強靭なのか普通の人もこんなものなのかと不思議に思いました。
まあ、普通の病なら治った後に引きずる事はそうは無いので・・・そういうもの・・・なのかなあ?(笑)

それは考えない事にして、今巻で好きな物語は「金木犀の夜」「哪吒太子」「按察使大納言 不思議のこと」です。
物語に出てくる貉と露子が好きになったという面が大きいという事でもあります。

そしてあとがき。
獏さんも72歳ですか。
私も年を取っただけ、獏さんだって年を重ねていらっしゃるわけで不思議はないのですが、どうも清明や博雅のように、ずっと変わらずにそこにいらっしゃるように感じてしまうのです。
そんなわけで、獏さんのこの文章に寂しさを覚えたりもしました。
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『ふりむけばねこぷち』竹本泉

2023-12-29 20:09:20 | アニメ・コミック・ゲーム
 
雪子が生まれた時からいる猫のタマ。
彼女のママは、あろうことか「タマがお姉ちゃんだから、タマのいうことはちゃんときくように」と言って彼女を育てた・・・なんじゃそりゃ?(^_^;)

他にも、飼い始めた仔猫に嫌な事(さめてないミルクをやったり、寝ているとこに抱き着くなど)をすると、なぜかクラスメイトの徳間君と入れ替わるとか、猫に関する妙な物語が目白押し。

で~、ここで『ねこめ~わく』のマデリンの話も入っているのが嬉しいですし、この出版社が『ねこめ~わく』の続篇を出してくれないかな?と考えて、少々画策中です。
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『星野架名 永遠の緑野原』星野架名

2023-12-25 20:18:30 | アニメ・コミック・ゲーム
 
2021年に亡くなられた漫画家、星野架名さんのイラストギャラリーや作品紹介、未完成だけどペン入れなどされていた遺稿も収録されています。

好きだったなあ、妙子と青、弘樹と彼方。
漫画雑誌を読まなくなり晩年近くの作品は未読なのが悔やまれますが、少なくとも読んだ限りでは星野さんの作品世界がとても好きでした。

現実の隣に不思議があって、自分自身も扉を開けたら冒険に出られそうな錯覚を持たせてくれる、そんな作品世界でした。
高校の校舎ごと宇宙空間に飛び出して科学的には「そりゃ人は死ぬやろ」なのですが、息も出来て普通に床を歩けて思う存分宇宙を堪能できるところがたまりませんでした。

大好きでした。星野架名さん、ありがとうございました。
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『からさんの家 伽羅の章』小路幸也

2023-12-21 20:00:23 | 読書感想
 
74歳の三原伽羅はペンネーム〈みはらから〉で、文筆家、詩人、画家として活躍している。

そのマネージャーの神野まひろ(20歳)も変わった経歴の持ち主で、実の両親が離婚し父親に育てられる事になったものの、彼がその後再婚相手と行った新婚旅行で2人とも事故死。義母となるはずだった女性の妹、神野ひろみの養女となった。しかも彼女の高校卒業と同じくして、ひろみが再婚した三原達明が伽羅の息子であり、それもあってマネージャーになったようなのだ。

ああ、ややこしい(;^ω^)
気を取り直して伽羅、通称からさんの家には他にも血の繋がらない人物が幾人か同居しており、家族として暮らしています。
そして物語序盤から、からさんのガンの転移がいくつか見つかったようで、からさん自身が少しずつ身辺整理も兼ねてか今まで出逢って来た多くの友人知人に淡々と再会しつつ、残される人々のために手続きを始めていきます。
ただ、その過程はむしろ楽しそうにも見え、覚悟と達観のうちにより良い思い出もみんなの中に残していこうとしているように感じられました。

あと自分自身に置き換えると、私も少しずつ両親の事についての心構えと準備と覚悟を持つようにしなくてはいけないのかと、不安と寂しさが心をよぎりました。
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『いつまで』畠中恵

2023-12-18 20:04:23 | 読書感想
 
今回の物語は西からやって来て長崎屋の二階屋を借りている妖・獏と一階屋に住む同じく火幻を、やはり西から来たものの江戸に馴染めない妖が妬んで、若だんな共々五年後の江戸に送ってしまうところから始まります。

妬みって理屈で説得できるものでもありませんし、主観的感情から来ているものですから解決するのが難しい問題ですよねえ(^_^;)

ただ、これに関しては、若だんなはいつもの如く次々と現れる困難を(傍目には)飄々と乗り越えていくんです。
もちろん言葉では困ったとは言っていますが、人徳なんですかねえ?多くの人や人でないものたちが助けてくれるんです。
要は、日頃から誠実な人間(?)関係を積み重ねているか、なのでしょうが、少し羨ましい気もしてきます。
羨んでいる暇があれば、自分を磨くのが先なんですけどね。

面白かったです。
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