こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『人間たちの話』柞刈湯葉

2020-10-30 19:44:10 | 読書感想
 
6篇の短編集です。

氷河期を迎えた未来の日本を描いた「冬の時代」
お互いを見張ることが楽しみになるのか?「たのしい監視社会」
科学者の新野境平と姉の息子の塁が家族になっていく表題作。
多様な形状・性質の異星人に合わせたラーメンを作る〈ラーメン青星〉「宇宙ラーメン重油味」
誕生日になぜか室内に大岩が現れた「記念日」
透明人間が自分自身について語る「No Reaction」

どれも面白いのですが、私の中での一番は「宇宙ラーメン重油味」二番は「人間たちの話」ですね。
皆さんは、いかがですか?
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『スープ屋しずくの謎解き朝ごはん 子ども食堂と家族のおみそ汁』友井羊

2020-10-28 20:16:57 | 読書感想
 
「しずく」のシェフ麻野は、生き別れの母親との縁で子ども食堂への協力を依頼される。
そこで、多くの問題を抱えた様々な親子らに出逢う。

麻野自身の母親との確執もさることながら、色々な形の虐待が描かれていて、正直、読むのがとても辛いです。
それでも、結末はいくらかは明るい未来が見えてくるのではないかと思える形でしたので、続きも読めそうです。
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『いちねんかん』畠中恵

2020-10-27 20:16:54 | 読書感想
 
長崎屋二代目藤兵衛が、妻おたえと九州の別府へ湯治に行きたいと言いだした。
おたえによると、遠縁のおきのさんから藤兵衛が旅に出られるほど回復したのなら、来ないかと誘われたのだと言う。
実はおきのはおたえの母で、齢四千年の皮衣という名の大妖・通称おぎんなのであった。

そして藤兵衛は今回をいい機会として、若だんな一太郎が一年間廻船問屋と薬種問屋の両方を預かり、主として切り盛りしてみるようにと言い渡した。

藤兵衛夫妻が出発してしばらくして、まず、店の中で大番頭の一人が変な方向に頑張ってしまい、そうかと思えば、表に出る若だんなを心配した仁吉と佐助が、屏風のぞきと金次を若だんなを見守る奉公人として働かせることにしたりと、どこかずれている様子。

このように始まった一年間。
長く寝込む事はなかったようですし、紅餅や流行病、よその店の娘婿選びの手伝いなど、一太郎としてはよく頑張っています。
ただねー。いくら主不在とはいえ、どこか他の店よりも剣呑な事が多いように思えるのは、妖がらみが多いからでしょうか?
おたえさんはともかく、背景を知らない藤兵衛さんが知ったら、驚くでしょうねえ。
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コミックエッセイ『博物館ななめ歩き』久世番子

2020-10-25 19:54:05 | アニメ・コミック・ゲーム
 
ミュージアムフリークのクリハラさんと共に、どちらかと言えばマイナーだったり、個人のものだったりする、でも逆に個性的な博物館を巡る番子さん。

私は、ボタンの博物館、くすりミュージアム、漱石山房記念館、切手の博物館、旧江戸川乱歩邸、アクセサリーミュージアムなどが気に入りました。

一番近くで行きたいのは、熊本県立装飾古墳館です。

読み終わるまで4~5時間はかかる情報量で、濃密で充実した楽しさを感じました。
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『マーダーハウス』五十嵐貴久

2020-10-24 19:32:07 | 読書感想
 
鎌倉の外れとはいえ、プール付きの洋館のシェアハウスが一室月四万五千円で借りられる!
安価な理由は、金持ち夫婦の持ち家だが二人が英国に住んでいて、不在の間の維持、メンテナンスを兼ねているからだと言う。

一浪して大学の史学部に入学する藤崎理沙も、この家賃に惹かれて住む事にした。
しかし、このシェアハウスの暮らしに慣れつつある頃に同じ住人の鈴木とデートをしようとした矢先、彼が事故死する。
さらに、そこから少しずつおかしな出来事が起き始め、他にも事故死が相次いだ。
一体、ここで何が起きているのか?

ミステリで主人公が探偵か、助手役と思いきや、大きく裏切られました。
サスペンスでしたかー。
つらい結末ではありますが、そう、いつも名探偵が現れるわけではありませんよね。
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