こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『小説の小説』似鳥鶏

2022-11-29 20:14:07 | 読書感想
 
まえがきを読んでみて「そうか!やっぱり私はオタクだったんだ」・・・と納得するわけでも無く、メタ・フィクションって一部のオタクしか覚えのないジャンルとすると、筒井康隆さんが好きな人はオタクですよねえ?
まあ、そうでなくとも、今時ベストセラーでもない小説を読むだけでもオタクになってきそうな気がします(^^;)
まあ自虐はともかく、久しぶりにどっぷりとメタ・フィクションを楽しめました。

冒頭の「立体的な藪」からして、ミステリのラストを思わせる部分から始まったかと思えば、色んなところから真相をかたると主張するものが現れますし、「文化が違う」も転生もののようで、言葉で遊んでいるというか、主人公と読者をおちょくっているようで面白いです。

後半になると色々と考える面もあって、なかなか興味深いです。

最後にあとがきを読むにつけても、円城塔さんのあの作品を早く読まなきゃとも感じています。

私は好きな作品です。
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『探偵と家族』森晶麿

2022-11-27 19:32:18 | 読書感想
 
〈銀田探偵事務所〉の所長・銀田龍一は、5年前に「神崎透くん失踪事件」が未解決に終わって以来、専業主夫となり、代わりに妻の獅乃がペット専門の探偵として働いている。

そんなある日、長女・凪咲のもとに行方不明のままの神崎透の同級生・川上恵奈から、事件の再調査の依頼が来た。
多分、両親は断るだろうと考えた凪咲が自ら調査を始めた矢先、高校生の長男・瞬矢もそれに加わってきた。

何と言いますか、不思議な距離感の家庭ではあります。
でも我が家も他人から見ると似たり寄ったりかもしれませんしね(^^;)

そして読み終わってみると、かなり自分勝手ではた迷惑な事件でもありますよねえ?
まあ、迷惑じゃない事件というのもありはしませんけど。

一応、日常のミステリの範疇に入る物語です。
感想としては「なんだかなー(;^_^A」でした。
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『あきない世傳 金と銀(十三)大海篇』高田郁

2022-11-26 19:54:50 | 読書感想
 
一時、絹などの呉服の取り扱いができなくなっていた五鈴屋が、ようやく再び扱えるようになった。
ただ、呉服などの高級品を扱うという事は、身分の高い人々が出入りし、庶民が入りづらくなる事も意味する。

あらすじの冒頭だけ書きましたが、さすがに幸もそれについて考えたようで、対策を実行します。

また、吉原での衣裳比べも、花魁たちの華やかさもいいのですが、芸者の歌扇が彼女らを引き立てつつも場を引き締めるという状況が、読んでいて楽しかったです。

さらに、思いがけない裏切りという問題がありましたが、第三者から見ると裏切りというよりも、手順の手を抜くのは危ない行為ですよと、指導して下さっているようにも見えました。
実際、五鈴屋にとってもより良い状況に持って行って下さいましたしね。

とはいえ、幸も含めて五鈴屋は打たれ強く、結束力も素晴らしい店だと思いました。
これで完結なのは寂しいのですが、彼らに幸多かれと願っています。
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『性の進化史 いまヒトの染色体で何が起きているのか』松田洋一

2022-11-24 19:52:58 | 読書感想
 
YouTubeの本に関するチャンネル「ほんタメ」で紹介されていて、かつ、Eテレでも似たような番組を観ていた事もあり、興味が湧いたので手に取りました。

冒頭ではヒトのY染色体に関して、現代人の精子減少や精子劣化、精子の染色体異常について説明されます。

続いて「性」の存在理由から始まり、ヒトはXYで決まる事。
他の動物では違う染色体や気温、様々な要因で決定するなど、とても興味深い話があります。

さらに過去のヨーロッパ王室における染色体異常の遺伝と、それがもたらした悲劇なども語られます。

上記にありますように、性の決定については種によって様々な要因がありますので、闇雲にY染色体の劣化を恐れるよりもむしろ、現在から未来にかけての生殖補助医療の行方を注視し、行き過ぎないように制御する事を考えた方がいいように思えました。

ただまあ、制御と言っても線引きが難しく、当事者になると愚かで傲慢な選択をしがちになるので、難しいかもしれません。
なかなか興味深く、性の多様性を知る事でいくらか視野が広がりそうな気がします。
・・・気分だけではないといいのですがね(;^_^A
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和田誠展(北九州市立美術館分館)

2022-11-21 21:07:39 | 美術館・博物館
北九州市小倉北区室町にある、リバーウォーク北九州5階の北九州市立美術館分館で開催されている「和田誠展」に行ってきました。

私の中では、星新一さんの挿絵や表紙絵、「マザーグースの歌」の挿絵と表紙絵を描いてこられた方、という印象の強いかたなのですが、どちらかと言えば、一般的なのは煙草のハイライトのパッケージデザインの方、と言う方が通りが良さそうです。


上が採用されたパッケージで、下は和田さんイチオシだけど不採用だったものです。


とはいえ、煙草を吸われる方が減少している昨今、それも難しく、料理研究家の平野レミさんのご主人、と申し上げるのが現在は分かるのでしょうか?

ちなみに星さんの表紙などのイラストは、こちらですね。

まあそればかりではなく、ポスターや絵本、雑誌の表紙絵も描いておられますし、和田さんのフォント(活字のデザイン)もあるのですよねえ?


ちなみに上が、前の柳家小さん師匠、下が古いけれどピンキーとキラーズのポスターですね。


今回、何が嬉しかったかって、フラッシュを焚かなければ写真OKなのです♪
平野レミさんも含め、ご家族のご厚意の下、可能になっていると考えられますので、とても感謝しております。
そう言えば、レミさんとの共同作品もありまして、これです。

愛らしいですよね?
もう、じっくり堪能させていただきました。
ただ残念なのは、私の懐具合が寂しすぎる事(^^;)
できれば最低限、図録とマザーグースの日本語訳に曲を付けたというCDと、マザーグース全集は買いたかったですよ(;_;)
軽く、一万円超えますけどね(;^_^A
そんな訳で、予定を全面変更しまして、絵本「ことばのこばこ」を購入するに留めました。
展示を色々と拝見していて、グッズとして並んでいる中で一番、遊び心があって楽しいのではないかと思いましたので選んでいます。

・・・もう一回、観に行ってみるかな?
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