こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

映画「Arc」

2021-06-29 19:49:30 | 映画
原作が、ケン・リュウの『円弧』であるこの作品。

『夏への扉』とどちらを観ようか迷ったのですが、上映館が少ないこちらを選びました。

不老不死が描かれていますが、どちらかと言えば地味で、物語も淡々としている方なので、人によっては物足りないかもしれません。
そして、高額な負担ができる富裕層しか不老不死の恩恵を受けられないという現実的な面を嫌う方もいらっしゃるかもしれません。
でも、だからこそ、近未来にあり得そうなリアルさで迫ってきます。

また、初めはエマ、そしてそれを引き継いだリナが行うプラスティネーションのポージングのために行う動きが舞に似て、あまりに美しく、彼女たちと死体をつなぐ糸は撮影現場ではつながっていず画像処理なのではないか、と思えるほど見事に連動した舞になっていました。

さらに後半にモノクロになるところで、派手さがないからこそ内面に焦点が当てられているように感じられ、ドラマティックな部分もありつつ、落ち着いた雰囲気が醸し出されているように思えました。

私は、いいと思いました。
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『叙述トリック短編集』似鳥鶏

2021-06-28 19:51:12 | 読書感想
 
 
前もって全ての話に叙述トリックが使われている事を宣言した上で、読者への挑戦状を突きつける。

フェアなのかアンフェアなのかは分かりませんが、私は何とか、こけしに顔を描いたのがどういう人物なのかの予測まではできました。
具体的に指名をすることは、できませんでしたが・・・。

あと、まあ、いつもかもしれませんが、物語の間中、常に似鳥さんにおちょくられているような気がしていました。

特に、謎を解こうとは思わずに読んでいますが、面白かったです。
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『卒業したら教室で』似鳥鶏

2021-06-22 20:24:04 | 読書感想
 
市立高校も再び卒業の季節を迎え、柳瀬さんたち一学年上の先輩方が巣立つのも間もなく。
そんな中起きたのが、校内八番目の七不思議「兼坂(んねさか)さん」

葉山君たちは、真相解明へと乗り出すが・・・。

まず序盤に、葉山君が伊神さんの通い妻か?事件は、見逃せませんね。
思わず私も、BLに発展か!?と突っ込まざるを得ませんでした。

そういう部分もありつつ、今回も卒業という事で、このシリーズが終わった気になりかけていましたが、違う!違う!葉山君は、もう一年高校生活があるのでした。
伊神さんの御指名で、気づきました(って、遅い?)

最終学年を、葉山君がどう過ごすのかが楽しみです。
今度は、自分から事件に顔を突っ込んでいかなくてはなりませんしね?
肝心の本編?ネタバラシしたくないので、ぜひ!お読みください。
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『ランチタイムのぶたぶた』矢崎存美

2021-06-18 20:06:37 | 読書感想
 
今回のぶたぶたさんは、私たちと同じくコロナ禍の真っ只中にいます。
そしてやはり、飲食店を経営されていますから、休業状態に苦悩なさっています。

それでも、同じようにコロナ禍で自分自身のケアができなくなった大学生と一緒に食事をしたり、母親が自分の風邪をうつしたために動けなくなったのに気づいた女児がお弁当を作ろうとしているところをサポートしたりと大活躍。
相変わらずのぶたぶたさんに、温かい気持ちになります。

でも、そんな中でも今回一番好きなのは、次女さんがぶたぶたお父さんのために手作り弁当を作って届けようとする物語でした。
さらに、お姉さんの方も妹思いで素敵でした。
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『猫ヲ捜ス夢 蘆野原偲郷』小路幸也

2021-06-16 19:49:21 | 読書感想
 
大きな戦が起きるため、入口を閉じてしまった蘆野原。
戦後、息子たちのもとへ和弥と泉水が戦地で死んだとの手紙が届き、優美子は病に倒れそのまま。
多美は、優美子が亡くなったその日に姿を消した。

そして、残された息子たちのうち、和弥の息子の正也は父の大学の研究助手の名で資料整理の手間賃をもらいつつ、作家を目指している。
泉水の息子の知水は身体が弱く、体力も無いため、座敷で休んでいる事が多い。

そのような日々の中、久しぶりに<事>が起きた。
災厄なので、喜ぶべき事ではないのだが、蘆野原に帰れるかもしれないのだ。

その後の二人の前に次々と現れる<事>
久しぶりに再会した上楽先生と共に、彼らは故郷へ帰る事ができるのか?

<事>を解決する事が、蘆野原に戻る術のように一つ一つ解決していく二人を、息を詰めるように感じつつ読み進めました。
正也と知水は、蘆野原に帰れそうではありますが、まだまだ和弥と泉水の行方が定かではないところから、続編があるのではないかと、期待してしまいます。
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