こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『テーマ』草上仁 「SFマガジン2024年4月号」掲載

2024-02-29 20:38:33 | 草上仁
正直、典型的なブルーカラーである私といたしましては、どう反応すべきなのか迷いました。

「うらぶれたアパートに住む疲れた労働者で悪かったな!」と怒るというのもありでしょうが、
そういうものでもありませんしねえ(^_^;)

確かに重労働で貧しいので、日々はつらつというわけにもいきませんけど。
そんなに貧しくて生活に疲れた状態がいけないのなら、雇用主もその心身を癒しととのえられるだけの
賃金を払うべきでしょう。
なり手のいない職種には、より高い給料も支払うのが需要と供給のバランスを考えれば妥当というものでしょう。

でも実際の雇用主や資本家、政治家などは、その現実から目を背けようとしています。
労働者たちへも何とかその現実に気づかせないようごまかそうとしていて憤りを感じています。

そういう現状があるからこそ、この主人公も自分の状況に衝撃を感じたのでしょう。
満足できる収入と休暇があるなら、ここまでなりませんよね?

少々、考えすぎました。感想になっていますでしょうか?
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『メアリ・ジキルと囚われのシャーロック・ホームズ』シオドラ・ゴス

2024-02-28 20:11:28 | 読書感想
 
今回で“モンスター娘”たちの物語三部作は完結。

彼女らは、行方不明となったメアリの雇い主であるシャーロック・ホームズと、やはり彼女らのメイドであるアリスの行方を捜すところから始めます。

2人ともホームズの宿敵のモリアーティに囚われていたのですが、何とモリアーティ一味はホームズを生贄にして古代エジプトの女王を復活させ、大英帝国を征服しようと企てていたのです。

この物語、敵も味方も妙に女性が活躍していると感じていましたが、元ネタの彼女たちは一言も発することを許されなかったので、目一杯語らせたかったそうです。

あと終盤間近のメアリとホームズのあのシーンは白雪姫の逆バージョンと言いますか、お姫様が王子様を助けに来て・・・って状態ですよね?w
分かる~www
いつもいつも助けられてばかりの役というのも女性読者としてはフラストレーションがたまります。
そんなわけで、気分がスッキリしてます。
とても楽しかったです。ありがとうございました。
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コミックス『古道具よろず屋日乗』わかつきめぐみ

2024-02-25 20:31:23 | アニメ・コミック・ゲーム
 
何かが憑いているわけアリの品を預かり、憑き物が落ちたら持ち主に返すという古道具屋よろず屋。

亡くなった叔父から店を引き継いだ冬耶は、やはり先代からの女中であるトメに叱られながら日々を過ごしている。

まあねえ、今回はトメじゃなくてもこの旦那サマは考えなしだなあと思います。
特に種の件。
それも含めての預かりものなのに種を植えるって・・・そりゃ、叱り飛ばされますよ。

・・・で、まあ本編はとても楽しませて頂いたのですが気になったのが「後書」
インクがなくなり、用紙が劣化し、トーンも減ってきて、丸ペンもわかつきさんが使用なさっているものが製造中止?
アナログ派には厳しい時代になってきたようで、いや、デジタルはデジタルでいいのですがアナログのやわらかい質感も捨てがたいので、それはそれで残って欲しいですよねえ?

あとアナログの方が道具が安価なので始めやすく、つまりはすそ野が広がりやすく才能の取りこぼしが少なくなるわけで、多様性というならばどちらもしやすい世の中の方がいいですよね?
と、まあ、わかつきさんの事だけでなく色々と考え込んでしまいました。
私は私で考え込みすぎなので、冬耶と足して割ったらちょうどいいのにとも思います。
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『スピノザの診察室』夏川草介

2024-02-20 20:02:32 | 読書感想
 
雄町哲郎は38歳。
京都の町の小さな地域病院の内科医である。
生まれはもともと東京で地元の大学の医学部を卒業し、紆余曲折があって今に至る。

ということで『神様のカルテ』の主人公も漱石が好きな変わった人でしたが、この方は哲学者のスピノザに傾倒・・・までは行かないかもしれませんが、考え方が影響されているようです。
基本的に哲学的思考をし現実においてもよく考えて発言行動しているようですが、一見、飄々としてつかみどころがなく思われがち。

忘れちゃいけないのは、かなりな甘党なところ。
そして、シングルマザーだった妹さんの早逝後、中学一年生の甥っ子・龍之介を引き取って育てているところも。

さらに今回も変人と見せかけて(?)とても誠実で深い人物なところが好感の持てるところですね。
それに加えて同僚の言いえて妙と言いますか、個人的には爆笑な彼の人物評価が気に入っています。
「甘いモノ差し出せば、厄介な症例でもあっさり片づけてくれる便利な内視鏡医」www
もちろん、この同僚も彼の事を本当にはよく理解しているので、ご心配なく。

夏川さんの物語は、いつも温かくて大好きです。
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『すべての神様の十月(三)』小路幸也

2024-02-19 20:05:53 | 読書感想
 
出版社、コンビニ、タクシーなど、この話では様々なところに神様が現れその能力を発揮なさいます。

中でも上成さんなどは正体が読者にとても分かりやすい方なのですが、まさか物語の展開がそう進むとは予想外でした。
また、方向音痴のお母さんについても、その原因ときたら思いがけなさ過ぎます!

そういうわけで結構驚きの連続かもしれない話なのですが、今回、一番好きだと思った神様は巻末の作品の方々でした。
な~んといいますか、人間性というか神様としての性が私を一番和ませて下さる神々でした。
大好きですね。
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