こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

ゆみに町ガイドブック

2012-01-31 00:00:00 | 未分類
西崎憲さん『ゆみに町ガイドブック』を読みました。

主人公は、ゆみに町二丁目に住む三十五歳の女性。
職業は作家だが、それだけでは食べていけず、翻訳家として生計を立てている。
この本は、ゆみに町のガイドブックであり、架空の小説も入り混じっているという。

この本を読んでみて、ガイドブックというよりも、この女性の生活と身の周りに起こった不思議な事、
そして架空の物語が並んでいるだけのように思えました。
できれば、この小説に出てくる三つの世界が交差して、何かが起こって欲しいと思いました。
途中、交差したところがあったように思えたのですが、残念でした。
意図して交差させなかったのかもしれませんが。

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日本・マラソン列車殺人号

2012-01-30 00:00:00 | 未分類
辻真先さん『日本・マラソン列車殺人号』を読みました。

夕刊サンがツアー計画のプロモーションに噛むことになった。
その名も日本マラソン列車。
宮崎から函館まで、すべて定期列車を乗り継いでいく旅である。

ツアーに申し込んだ客はたった二組だったが、ツアー客に参加報酬を合計一億円支払うということが、
締め切り後に知らされた。
ツアー終了後、マスコミに発表することで話題になるという目論みだ。

大関さんのパーティーに出席する瓜生慎の代わりに、このツアー記事を書くことになった息子の竜。
列車の中での殺人は起きなかったものの、慎の側で事件が起きてしまった。

複雑な人間関係と思惑が絡み合った事件でした。
偽りに偽りを重ね、騙しに騙しを重ねた高等技術。
それらを解き明かす慎と竜の推理力は、素晴らしいものです。

こんな楽しい瓜生慎のトラベルミステリシリーズも最後だそうです。
彼らと別れるのは寂しいのですが、また新たな出会いがあることを信じています。
辻さん、まだまだ単発でのトラベルミステリも待っていますから。
宜しくお願いします。

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夢玄館へようこそ

2012-01-29 00:00:00 | 未分類
水生大海さん『夢玄館へようこそ』を読みました。

昭和四十五年に建てられたアパートを改装し、様々な店子を入れた建物。
それが夢玄館である。

オーナーである伯母が入院した時に、親戚でたまたま無職だったために、
風見花純は管理人代理を務めることとなった。
花純は、夢という言葉を免罪符に、他人に自分の都合を押し付ける連中が苦手だ。
関わりたくないとつねづね思っているのに、ここは、そういう人ばかりだ。

盗聴や放火などの大きなものから、小さなトラブルまで。
花純は嫌々ながらも、夢玄館で起こる様々な出来事を乗り越えていきます。
その先にあるものを否定はしませんが、そういうものかな?と感じました。
説得力が足りない気がするのは、私だけ?

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洋梨形の男

2012-01-28 00:00:00 | 未分類
ジョージ・R.R.マーティンさん『洋梨形の男』を読みました。

この短編集は、主にホラー、そしてSFとファンタジーが収録されています。
表題作は、周囲の誰からも「洋梨形の男」とあだ名される不気味な人物に脅かされる
ジェシーの生活の顛末を描いたものです。
得体の知れない怖さがじわじわと迫ってきて面白いです。

でも、特に私が気に入っているのは、作家の作品の登場人物が現実に次々と現れる「子供たちの肖像」と
時間旅行によって復讐を遂げようとする物語「成立しないヴァリエーション」です。
特に後者は、ここに書いたあらすじでイメージされるものとは逆に、読んでいて前向きになれる結末です。

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赤絵そうめん とびきり屋見立て帖

2012-01-27 00:00:00 | 未分類
山本兼一さん『赤絵そうめん とびきり屋見立て帖』を読みました。

とびきり屋にとてつもない仕入れの話が舞い込んだ。
幕府の御用をうけたまわる銅山師であり、両替商もいとなむ大店の銅屋が
万暦赤絵を五十まとめて売りたいと言っているのだ。
真之介の見立てでは、まずは千両。

しかし、そのに大店の道具屋の横槍が入ったり、銅屋自身が売るのを拒否したりと、問題が続く。
とびきり屋は、その難問にどう対処するのか?

様々な幕末の志士が登場しては、事態をややこしくしたり、まとめたりします。
この不安定な時代を、真之介とゆずが、その商才でどのように乗り切っていくのか、今後が楽しみです。

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