こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『OUT OF CONTROL』冲方丁

2012-09-30 20:05:26 | 本と雑誌
OUT OF CONTROL (ハヤカワ文庫JA) OUT OF CONTROL (ハヤカワ文庫JA)
価格:¥ 651(税込)
発売日:2012-07-20

「天地明察」で知られる方の短編集です。
私としては「マルドウック・スクランブル」でSFの面をよく知る作家さんなのですが、ジャンルに囚われない幅広い作風の方ですよね。

内容ですが、まず、作者の少年時代か?と思わせる「スタンド・アウト」で、小説世界に引き込まれました。

さらに「まあこ」で、美容師の主人公とともに、おぞましい世界に連れて行かれます。
さらに「箱」でも呪わしい世界が続くのです。

このまま恐怖の世界に突入か、と思っていると「日本改暦事情」で「天地明察」の原型の世界で安心させられます。

しかしホッとするのも束の間、次の「デストピア」では、現実世界の闇が描かれているのです。

そこに待ちかねたSF世界、「メトセラとプラスチックと太陽の臓器」
未来において初めて産まれる、健康と長命が約束された子どもたちを産む親たちの葛藤の物語です。

最後の表題作では、再び著者を思わせる作家の不思議な一夜が語られます。

このように、まるでジェットコースターのような短編世界を巡るツアーに、とても楽しませていただきました。

私としては「スタンド・アウト」「日本改暦事情」「デストピア」に、惹きつけられるものを感じました。
面白かったです。

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OUT OF CONTROL

2012-09-30 00:00:00 | 未分類
冲方丁さん『OUT OF CONTROL』を読みました。

「天地明察」で知られる方の短編集です。
私としては「マルドウック・スクランブル」でSFの面をよく知る作家さんなのですが、
ジャンルに囚われない幅広い作風の方ですよね。

内容ですが、まず、作者の少年時代か?と思わせる「スタンド・アウト」で、
小説世界に引き込まれました。

さらに「まあこ」で、美容師の主人公とともに、おぞましい世界に連れて行かれます。
さらに「箱」でも呪わしい世界が続くのです。

このまま恐怖の世界に突入か、と思っていると「日本改暦事情」で「天地明察」の原型の世界で
安心させられます。

しかしホッとするのも束の間、次の「デストピア」では、現実世界の闇が描かれているのです。

そこに待ちかねたSF世界、「メトセラとプラスチックと太陽の臓器」
未来において初めて産まれる、健康と長命が約束された子どもたちを産む親たちの葛藤の物語です。

最後の表題作では、再び著者を思わせる作家の不思議な一夜が語られます。

このように、まるでジェットコースターのような短編世界を巡るツアーに、とても楽しませていただきました。

私としては「スタンド・アウト」「日本改暦事情」「デストピア」に、惹きつけられるものを感じました。
面白かったです。

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『THE FUTURE IS JAPANESE』伊藤計劃+円城塔+小川一水・他

2012-09-29 20:03:17 | 本と雑誌
THE FUTURE IS JAPANESE (Jコレクション) THE FUTURE IS JAPANESE (Jコレクション)
価格:¥ 1,785(税込)
発売日:2012-07-20

欧米のSF作家たち、そして日本の4人のSF作家が、日本にまつわるSFを書いたアンソロジー集がこの本です。
日本人の著作は英訳されて、先に欧米で発売されたようです。

私が気に入っているのは、
大震災後の日本人の行動を見て書いたと思われるケン・リュウさんの「もののあはれ」

未来から略奪することで生活を支えている25世紀の人々を、日本人女性を主人公にして描いているフェリシティ・サヴェージさんの「別れの音」

天体が勝手に動いてしまうという円城塔さんの「内在天文学」

青木ヶ原樹海を舞台にしたホラー風味の物語レイチェル・スワースキーさんの「樹海」

習慣が逆転した山人とカリフの人々の文化交流(?)小川一水さんの「ゴールデンブレッド」

桃の林の中にある古紅玉髄という不思議な館の出来事キャサリン・M・ヴァレンテさんの「ひとつ息をして、ひと筆書く」

すさまじい地殻変動から一万年後の人々の話、菊地秀行さんの「山海民」

文字自体が狂ってしまったような忌字禍という現象と、言葉で人を殺してしまう間宮潤堂の物語、飛浩隆さんの「自生の夢」
ですね。

中でも一番好きなのは、小川一水さんの「ゴールデンブレッド」です。

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THE FUTURE IS JAPANESE

2012-09-29 00:00:00 | 未分類
伊藤計劃さん+円城塔さん+小川一水さん・他著作のSFアンソロジー集
『THE FUTURE IS JAPANESE』を読みました。

欧米のSF作家たち、そして日本の4人のSF作家が、
日本にまつわるSFを書いたアンソロジー集がこの本です。
日本人の著作は英訳されて、先に欧米で発売されたようです。

私が気に入っているのは、
大震災後の日本人の行動を見て書いたと思われるケン・リュウさんの「もののあはれ」

未来から略奪することで生活を支えている25世紀の人々を、
日本人女性を主人公にして描いているフェリシティ・サヴェージさんの「別れの音」

天体が勝手に動いてしまうという円城塔さんの「内在天文学」

青木ヶ原樹海を舞台にしたホラー風味の物語レイチェル・スワースキーさんの「樹海」

習慣が逆転した山人とカリフの人々の文化交流(?)小川一水さんの「ゴールデンブレッド」

桃の林の中にある古紅玉髄という不思議な館の出来事キャサリン・M・ヴァレンテさんの
「ひとつ息をして、ひと筆書く」

すさまじい地殻変動から一万年後の人々の話、菊地秀行さんの「山海民」

文字自体が狂ってしまったような忌字禍という現象と、言葉で人を殺してしまう間宮潤堂の物語、
飛浩隆さんの「自生の夢」
ですね。

中でも一番好きなのは、小川一水さんの「ゴールデンブレッド」です。

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『中途半端な密室』東川篤哉

2012-09-25 19:29:56 | 本と雑誌
中途半端な密室 (光文社文庫) 中途半端な密室 (光文社文庫)
価格:¥ 500(税込)
発売日:2012-02-14

周囲を高さ四メートルの金網で囲まれ、内側から鍵のかけられたテニスコートの真ん中で、ナイフで刺された男の死体が発見された。

デビュー作である表題作に、山根くんと七尾くんのコンビで様々な謎を解き明かす四つの短編が収録されています。

中でも「十年の密室・十分の消失」の切ない結末と、トリックが思わぬ事態を生み出してしまった「有馬記念の冒険」が気に入っています。

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