こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『神様の御用人10』浅葉なつ

2021-03-29 19:42:10 | 読書感想
 
 
黄金を迎えに黒龍の元へ行き、重症を負った良彦。
黒龍が『大建て替え』を目論むのは、遠い昔の田村麻呂と阿弖流為と母礼の友情と交流が、はかなくも散った事も由来だった。
また、黄金にも人との交流における深い後悔があった事を知った良彦は、神様でなく人間だからこそできる事があるのではないかと考え、再び黒龍の元へ赴き、説得しようとする。

長岡京への遷都にあたって人心を一つにするために、蝦夷を共通の敵として戦をするぅ~?
もう過去の人物とはいえ、桓武天皇は人の命を駒くらいにしか思っていないのがよく分かりますね。

それはともかく、ようやく神々が、過去の後悔やわだかまりなどを打ち明け合った事で、解決したと言えますでしょうか?

今回で、黄金篇は完結らしいのですが、ラストの良彦の発言!!!
これはまたある意味、波乱の幕開けでしょうか?
続きがまだまだあると受け取っていいんでしょう。
さらに、黄金も登場しますよね?

とりあえず番外編があるらしいので、黄金のグルメツアーはあって欲しいかも?
ごめんなさい。発想が貧しかったです。
冗談はともかく、楽しみにしています。
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『あきない世傳 金と銀(九) 淵泉篇』高田郁

2021-03-27 19:44:41 | 読書感想
 
今回、幸の妹、結が、皆が苦心の末作り上げた型紙を、無断で日本橋音羽屋忠兵衛の元へ持って行き、そのまま嫁いでしまった。
さらに音羽屋が、五鈴屋の些細な手落ちを声高に非難し、坂本町の呉服仲間から外されるように仕向けた為、呉服の商いができなくなってしまった。
不幸中の幸いか、元々の五鈴屋は太物(木綿)の商いもやっていたため、細々とではあるが、そちらでの商いはできる事となった。
音羽屋の事はともかく、結の裏切りに打ちのめされる幸。
それでも、綿ならではの良さを生かした商いをやろうと、主従、力を合わせて乗り越えようとする。

少なくとも盗まれた型紙に、元々は五鈴屋の物だったという証になる紋が入っていた事で、音羽屋の鼻をあかしたのは良かったのかもしれません。
さらに、このような苦境の中でも、新しい案を皆で生み出そうとする五鈴屋の主従は素晴らしく思えました。
いつか音羽屋をぎゃふんと言わせたいですよね?
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『あずかりやさん まぼろしチャーハン』大山淳子

2021-03-25 19:50:49 | 読書感想
 
栗原一歩が中学三年の時、二卵性双生児の片割れ・翔太に来たラブレターを出来心で読んでしまい、あろうことか、無記名で年賀状による励ましの返事を書いてしまった。

冒頭作とサブタイトル作の主人公は、少年少女でしたが、残りの三作品は、黒電話、トランク、盆栽と、人ではありません。
でも、それぞれ妙に人間味があっていいですね。

気の毒なのはトランクで、高級品とはいえ旅行に使われるのが本来のあり方なのに、大事にし過ぎて部屋に置かれています。
誰か、冒険の旅に連れだしてあげて欲しいです。
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『滅びの前のシャングリラ』凪良ゆう

2021-03-23 19:53:14 | 読書感想
 
十七歳の江那友樹は、いじめられっ子。
つらさのあまり人類滅亡を願っていたら、1か月後に地球へ巨大な隕石が衝突し、本当に滅亡するという。
そんな中、全校一の美少女である藤森さんがライヴのために東京へ行くと言いだしたので、とある理由から、友樹は陰ながら付いて行くことにしたのだが・・・。

極限の状態に置かれた人間がどうなるのか、という思考実験とも言えるこの作品。
昔も、新井素子さんの『ひとめあなたに・・・』で、描かれていましたよね?
ここでは、友樹ばかりか彼の親、そしてその親を虐待していたという祖父母の世代まで描かれています。

さらに、それまで社会でならず者とされてきた人々がむしろ普通になってきて、多数派で大きい顔をしてのさばってきた連中が、悪行を重ねたりします。

果たしてそういう状況下で、自分自身がどうなるものか?私も分かりません。
不幸だと打ちのめされるのか、普通に生活しようとするのか、はたまた、みんなの不幸をあざわらうのか?
どうなんでしょうね?
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『ひとり旅日和 縁結び!』秋川滝美

2021-03-19 19:45:18 | 読書感想
 
梶倉日和は自他ともに認める『人見知り女王』
そんな彼女が、会社の先輩かつ旅の達人である加賀麗佳からひとり旅をすすめられて、はや八ヵ月。

麗佳にアドバイスをもらいながら旅を続けるうちに、少しずつ人と接することにも慣れてきた。
さらに、旅の途中で二度も出会った男性が、麗佳の同級生だったことと、日和にしては珍しく臆せず話せる相手だったため、想いは一気に高まり、彼が運営するSNSサイトに書き込みまでしてしまった。

前回の福岡旅行から半月後の今回は、九州に行ったのだから、次はうんと北の北海道。
夏に行こうとも考えたのだが『冬こそ北海道の真骨頂よ!』という麗佳の意見にも背中を押されつつ、飛行機の欠航で帰れないというリスクの少ない、新幹線が停まる函館という場所を選んだ。

今度の旅は、函館、房総、大阪、出雲、姫路ですが、あちこち旅をするうちに、日和が自分自身の良さを認められるようになり、仕事でも前向きにこなせるようになってきたのが、読んでいて嬉しいですね。

相変わらず、お酒と美味しいもの満載です。
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