こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『おやつが好き お土産つき』坂木司

2022-07-31 20:35:43 | 読書感想
 
「あっれー?」
まずこの本の奥付や初出などを見て気づいたのは、単行本版が発売されたのが2019年という事。
う~ん、この頃はコロナウイルスの騒ぎ始め(?)だったから、情報を見逃したかなあ?
無念・・・(がっくし)

と…いう事を言えるのは、文庫購入してすぐに読んだ人で、今まで積読にしておいた人間は言える立場じゃないですよねえ(;^_^A ごめんなさい、発売当初にキープしたのですよ。言い訳ですが。

ま、気を取り直してこの本ですが、おやつがテーマのエッセイです。
しかも坂木さんが子どもの頃から銀座から30分だったかな?の近いところにお住まいだったとかで、銀座中心でした。
私には、あまり縁が無いかな~と思ったりもしたんですよ?最初は。
ただまあ、こちらのデパートでも東京の物産展で手に入れるチャンスは一部とはいえありますよね?

あと・・・ふっふっふ。
私は行けませんが、イベントで東京に行かれる方々にお土産用参考文献としてお薦めできるではないですか♪
あわよくば、それをきっかけに坂木さんのミステリにも興味を示して下さる方もいらっしゃるのでは?と、期待してます。

こうして小説ファンは機会があれば、いたいけな一般市民を小説沼に沈められないかと、日々、画策しているのではあった。(嘘)

冗談はともかくかなり美味しそうなおやつが、甘い物しょっぱいもの、軽いものお腹にたまるものとたくさん並び、銀座といえどもお手頃価格なものもあってとても楽しく、坂木さんの食べる時の擬音も独特でかつ、美味しそうでした。

ちなみにほとんどのおやつ調達場所が銀座だったせいもあるのか、私の脳内BGMは、サクラ大戦歌謡ショウの「輝く銀座ストリート」作詞:広井王子さん、作曲:田中公平さん、でした。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『おいしい旅 想い出編』秋川滝美 大崎梢 柴田よしき 新津きよみ 福田和代 光原百合 矢崎存美

2022-07-30 19:54:07 | 読書感想
 
かつて京都の女性専用アパートで暮らしていた3人の久しぶりの再会、亡き夫と暮らした神戸での不思議な偶然、赤羽で恋人との別れのヤケ食いを下戸向きに行う女性と付き合う友人と、様々な思い出と共に美味しくいただける色んな食べ物あれこれ。

どれも甲乙つけ難いのですが今の私の感じ方では、先にも挙げた神戸の不思議は、まるで亡き夫が結び付けたご縁のようで、温かな気持ちになれますし、お酒専門と思える赤羽が、意外と下戸にも嬉しいラインナップを揃えているようですし、光原さんの作品では天ぷらそばを仲立ちに、慇懃無礼とそれにも負けない言葉の応酬がとても笑えると同時に「さっさと気づけよこの莫迦」と切なくなったりします。

また、ゲストの秋川さんでは珍しく、ドイツという外国が舞台の友だち同士の成長と関係修復が、とてもいいですし、大崎さんの物語では、元旅行代理店の契約社員による老婦人の個人旅行の付き添いで、彼女の表に出しにくかった想いを拾い上げる素敵な結末が、とても良かったです。

ここに紹介しなかった物語も、とーーーっても面白いのは間違いなく外れがありませんので、先日紹介した「初めて編」と合わせての、新刊書店でのご購入をお薦めします。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『おいしい旅 初めて編』近藤史恵 坂木司 篠田真由美 図子慧 永嶋恵美 松尾由美 松村比呂美

2022-07-25 20:36:07 | 読書感想
 
冒頭の主人公は旅行会社の社員で、このコロナ禍に苦闘している。

元々、好きなものを突き詰める性格と、我慢し続けのお客様のたまの楽しみを増やしてあげたいという思いから、旅行日程にイベントを詰め込み過ぎるとの評価をいただいている。
彼自身も旅行好きな事からこの職種を選んだというのに、ずいぶん旅行をしていなかった。

そんな彼が休日に、衝動的に出発した小旅行とは?

列車のホームでボーッとしていたところから始めた旅行にしては、なかなか魅力的でおいしそうな旅でした。
ちょっとした特急と、各駅停車でも楽しめるところがいいですよね?

他には台湾、アムステルダムから、身近な福岡県の糸島半島や、北海道の箱館など、食にまつわる様々な旅が描かれています。

中には、楽しむまでに訓練が必要だったりもして、単純に面白がるというのとは違ったりもしますが、どの物語も、新型コロナウイルスに触れながら様々な生き方が語られていて、捉え方や視点が多様で、興味深く感じられました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『またあおう』畠中恵

2022-07-21 19:53:31 | 読書感想
 
今回の物語の中では、冒頭こそ若だんなが出てきましたが、その後は妖たちが中心となって様々な問題を解決していきます。

それはそれで楽しいのですが、少し寂しい気がします。

特に巻末の話にもなると、ずいぶんと時が経ったようで、若だんなは長崎屋を継いでそれなりに一人前に働いているようです。病弱なのは変わらないようですが。

そういう立場にある為でしょうが、その時代では本業があるので、妖に関するトラブルの解決にまでは時間を割けないのが現状のようです。
理屈としては分かりますが、若だんなの様子が分からないというのはもどかしく、残念でもあります。

まあ、このように色々と気になる事はありますが、猫又の「はじめての使い」と河童の「一つ足りない」は、楽しかったですねえ。

今後、このシリーズがどうなっていくのか、サイドストーリーとして若だんなの未来を描きつつも、病弱で頼りない、でも妖たちとの交流などで少しずつ成長していく進行形の若だんなを見せていくのか?どこかで終わらせて、あとは読者の想像に任せる時が来るのか?
とっても気になっています。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『崖っぷち長屋の守り神』田中啓文

2022-07-16 20:07:09 | 読書感想
 
どんな食材でも百の料理にするという『百珍屋』の幟を掲げた少女・千夏が、酔っ払いのチンピラに絡まれているところを助けてくれた髭面の大男。
そればかりかそのチンピラが台無しにした調味料などを弁償までしてくれた。

縁もゆかりもないのに、と不満顔の千夏のために、近所の豆腐屋の豆腐を買い集めて、百種類の豆腐料理を作る事でチャラにしてくれると言う。

男は梅王丸と名乗り、貧乏長屋の家守らしい。
実際、その長屋で腕を振るった千夏の百の料理は好評で、長屋にいる連中も集めて酒盛りまでする事となった。

そんな梅王丸の長屋も立ち退きの話が出ていて・・・。

外見は髭面で巨漢で、腕っぷしもいい梅王丸の出自がお公家さんの次男、というのも意外過ぎますが、さらに長屋で牛まで飼っているというのは何でしょう?
意外を通り過ぎて面白すぎるんですけど。
そりゃ、お公家さんには牛車がつきものですけどねえ。

このように物語自体が面白いのはもちろんなのですが、梅王丸の外見のモデル、私はSF作家の柴〇勝家さんと見たのですが、考えすぎでしょうか?表紙絵を見るにつけても、その考えが頭を離れなくて(笑)

そんな訳で、私が読む時の脳内キャスティングは柴〇さんです。ごめんなさい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする