こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『機長、事件です!』秋吉理香子

2017-11-29 19:30:26 | 読書感想
ニッポン・エアライン副操縦士・間宮治郎が国際線デビューを果たす、成田発シャルル・ド・ゴール行き二〇五便のPIC(第一機長)は、アイス・クイーンの異名を持つ氷室翼だった。

往路の機内では盗難(?)事件が発生、ステイ一日目には治郎に妙なモテ期が来て、二日目は殺人事件が起こり、復路の機内でも若手名ピアニストに原因不明の発疹と呼吸困難が生じる。

ええ、確かに氷室さんは名探偵だと思います。
ただ、あまりにも事件が短期間で多発すると気になります。

そういう意味ではシリーズにはしにくいでしょうが、ミステリとしては、とても面白く読めました。
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『謎の館へようこそ 黒 新本格30周年記念アンソロジー』

2017-11-26 19:29:19 | 読書感想
はやみねかおるさん、恩田陸さん、高田崇史さん、綾崎隼さん、白井智之さん、井上真偽さんによるアンソロジーです。

『ディリュージョン社の提供でお送りします』の主人公が語る、小学生時代に数日で現れ消えた、館の謎。
北の原野の湿原にある学校の主の昔語り。
神社に突如現れた、鬼の面を被った人物。
時が狂うという修学旅行の宿泊先。
女子高生が求める、館で起きた昔の殺人事件の真相。
バス事故の生存者に、次々と起こる惨劇。

‘‘白’’も面白かったのですが、‘‘黒’’もバラエティに富んでいて、とても楽しめます。

私はその中でも「思い出の館のショウシツ」「囚人館の惨劇」が気に入っています。
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北九州市立美術館本館「ターナー風景の詩」

2017-11-25 20:12:18 | 美術館・博物館
英国の風景画家、ターナーの絵画展に行ってきました。



写真は、リニューアルオープンした北九州市立美術館本館の外観です。

第1章・地誌的風景画の最初「マームズベリー修道院」の廃墟と緑のコントラストに、まず引き込まれ、「ソマーヒル・トンブリッジ」で風景からカントリーハウスまでの眺めを楽しみ、「タウンリー・ホール」で「部屋に飾りたい(^^♪」と思わされました。

第2章・海景―海洋国家に生きてでは、光と影のコントラストのはっきりした「嵐の近づく海景」に惹かれ、「風下側の海辺にいる漁師たち、時化模様」で波の迫力に圧倒されました。
逆に「ヘレヴーツリュイスから出航するユトレヒトシティ64号」に、華やかさを感じました。
あ、そうそう「海辺の日没のホウボウ」のホウボウが可愛いと思ってしまいました。

第3章・イタリア―古代への憧れでは「テルニの滝」で、じっくり見るとヤギの群れが小さく描かれていて、楽しかったです。

第4章・山岳―あらたな景観美をさがして辺りになると、私も疲れが出てきて、かなり見飛ばしてます。

むしろ第5章―ターナーの版画作品の方が、原画と比べて楽しんでいました。ご自身は、版画は暗いので気に入らなかったようですが、版画も原画とは違う魅力がありました。

私は、ターナーの絵は好きだと感じられました。

最後に、今日、美術館前に咲いていた「四季桜」の写真を載せます。

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『とるとだす』畠中恵

2017-11-22 19:34:27 | 読書感想
若だんなじゃありませんが、風邪っぴきで長く休んでいたこっぱもちです。

さて今回は、長崎屋の主藤兵衛が薬種問屋同士の争いの中、息子の一太郎のためならと五包もの薬を呑み、寝込んでしまう事から始まります。

若だんなの一太郎も、父親のために蜃気楼の中に入ったり、新たな縁談に困ったり、狂骨に関わったり、少彦名神に頼ろうとしたりと、なかなか、忙しかったりします。

しかし何ですな。少彦名神はともかく、金時は正体に勘づきそうなものですが、やはり、妖の者は興味が無いんでしょうか?
これで、桃太郎と龍の子太郎が揃えば完璧なんですが。
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『千夜と一夜の物語』仁木英之

2017-11-13 19:30:36 | 読書感想
姉の一夜と妹の千夜。
父は行方不明となり、母は心を病んで亡くなってしまい、一夜が幼い千夜を育て上げた。
千夜が一夜と同じ化粧品会社に勤め始め、その歓迎会が行われたある晩。
千夜の前に魔王と名乗る人物が現れ、物語を語らないと姉を殺すと脅され、毎晩、不気味な洋館に通うこととなった。

スタートは、千夜一夜物語。
しかし、話が進むにつれて、あまりにもおぞましい話が明らかになっていきます。
結末近くになり、悪は滅び善の勝利かと思いきや、まだまだ油断ができない様子が見受けられます。
面白くはありますが、後味はあまり良くない物語でもありました。
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