こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『謎々 将棋・囲碁』新井素子・葉真中顕・深水黎一郎・千澤のり子・瀬名秀明

2018-07-30 19:39:41 | 読書感想
将棋、もしくは囲碁をテーマとしたアンソロジーです。

トップバッターの新井さんからして変化球。
囲碁を趣味とする夫婦の妻の方が大怪我をしたところ、碁盤が自らを殺人未遂事件の加害者と告白するという、実に、素子さんらしい話の展開でした。

次の葉真中さんが、また、楽しくて。
将棋の棋譜を、遠い未来の人類がどう読み解くかなんて、なかなか思いつきません。

他にも、バラエティーに富んだ話が続きますが、短い中にも鮮やかな結末を見せてくださったのが、千澤のり子さん。
見事な発想のミステリでした。
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『ビギナーズ・ドラッグ』喜多喜久

2018-07-28 19:44:00 | 読書感想
中堅製薬企業、旭日製薬大阪研究所の総務部に勤める水田恵輔は、学生時代の挫折以来、ただ淡々と毎日を過ごすだけの人生を送ってきた。
しかし、認知症の祖父が入所している施設の職員・滝宮千夏さんに恋をした事から、行動が180度変わっていった。

タイトルに苦笑したものの、読んでみると、確かに創薬どころか研究にも素人の初心者だからこそ、挑戦できた、という面でしっくりくるものだと納得しました。

現実では、なかなかこうは行かないのかもしれませんが、時には熱意を持って物事に取り組むべき時もある、と感じる物語でした。
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映画『未來のミライ』

2018-07-25 19:55:05 | 映画
四歳の夏の日にお兄ちゃんになったくんちゃんが、お家の庭で繰り広げる大冒険です。

まず、妹のミライちゃんが来て最初の頃、くんちゃんが彼女の周りを鉄道模型でいっぱいにしたところ、おかあさんが叱るシーンがありました。第三者から見ると微笑ましかったです。くんちゃんは、ミライちゃんの周りを宝物でいっぱいにしてあげたわけで、可愛いですよね。

次に、ゆっこの尻尾をくんちゃんが自分のお尻につけて走り回る情景は、ゆっこにとっては迷惑でしょうが、爽快なシーンでした。

そのあとに出てくるひな人形のエピソード、ミライちゃんは好きな人がいるんだろうなあ、と感じましたが、どうなんでしょう。

さらにおかあさんの子どもの頃を見て、まだ幼い頃は、その場その場の楽しみにしか考えが行かず、叱られてしまうのかなあと、忘れた時代の思考に想いを馳せました。

また、昨年亡くなったというひいじいちゃんの、飾りのないありのままの接し方も好感が持てました。

ラストの東京駅のエピソードでは、子どもには早めに両親の名前を覚えてもらわないと、迷子になった時困るんだなーと、現実的な事を考えてしまいました。ごめんなさい。

全て鑑賞後、四歳の子の冒険って物理的な範囲は狭いけど、思考的・空想的範囲は広々としているんだろうなと思い、大人になって失ってしまったのを、惜しいと思うところもありました。
他にも思うところはあるのですが、ネタバラシはほどほどにしないといけませんので、この辺りで。
楽しかったです。
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『幸腹な百貨店 デパ地下おにぎり騒動』秋川滝美

2018-07-24 19:36:44 | 読書感想
前回『ふるみなと祭り』を利用した町興しで、十月の売り上げ目標をちょっぴりだが超えた堀内百貨店。
しかし、その翌月から売り上げがガタ落ち。
不審に思った高橋伝治は、一か月ぶりに堀内百貨店を訪れる事にした。

今度は、地下食料品売り場の大改革です。
きっと今も、あらゆる地方都市のデパートが、何とかしなきゃとあの手この手を考えて頑張っているのでしょう。
私も地元のデパートに愛着がありますので、微々たる力ではありますが応援していきたいです。
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『ヴェネツィア便り』北村薫

2018-07-22 19:27:58 | 読書感想
華族の家に生まれた双子の弟の日記や、主婦の一人語り、来年還暦を迎える男性の日常生活などが描かれた短編集です。
大体において普通小説なのですが、中ほどではファンタジーも数編入り、ほんわかしたり怖かったり、夢の中を漂っている心地もしました。

今までは、日常では味わえない物語が好きだったのですが、時には、日常の淡々とした物語も大切に思うようになったのは、年を取って来たせいでしょうか?
また、ラストの表題作、私も若い頃に思いついていれば、また違った楽しみが増えていたんじゃないかと、惜しむ気持ちがあります。
いや、今からでもできない事ではありませんが。
お若い方も、チャレンジしてみては?
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